NATOの標的は中国

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アメリカ軍(アーカイブ写真) - Sputnik 日本, 1920, 30.09.2022
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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は第77回国連総会への参加を総括した記者会見で、NATOの次の防衛線は南シナ海になるだろうと述べた。ベトナム公安省、戦略調査研究所の元所長のレ・バン・クオン少将はラブロフ外相の発言に全面的に同意している。
「遅かれ早かれ、米国と中国の対立が起こる。問題はいつ、どのように起こるかだ。ただし、南シナ海がNATOの次の防衛線になるのは、5年後、10年後だと思う」
レ・バン・クオン少将の見方では、中国は今後10年以内は米国との対戦を絶対に起こさない。なぜなら戦争は政治的にも経済的にも安全保障の面でも中国にとって非常に不利になるからだ。 一方で米国もまた、急成長する中国に対抗はできない。
NATOにとっては1949年の発足から2019年まで、その主な敵はソビエト連邦であり、後にはロシアだった。しかし、2019年のNATOサミット以降、NATOにとってのロシアは消滅した。長期的に見れば、NATO特に米国の敵は中国だ。そのため2019年、特にバイデン政権発足以降、米国は政治、外交、軍事のいずれにおいてもアジア太平洋地域に重心を移し、米国太平洋艦隊を積極的に展開し、日米豪印からなる「クワッド」(四極安全保障対話)を形成してきた。
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NATOは、次の防衛線が南シナ海にあるという意図を隠そうともしていない。マドリードで閉幕したばかりのNATOサミット会議の総括文書で、NATOは中国を体系的かつ長期的な主要な挑発として位置づけていることからそれがわかる。
米中の体系的な対立においては、中国が経済的、軍事的、政治的な力を持っていると米国が判断した場合、米国はその地域の小国を圧迫するようなプレーのルールを押し付けてくる。中国は逆に、南シナ海問題はASEANとの中国の問題であり、米国はこれに干渉すべきではないとしている。
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「クワッドの最終目的は、中国との対決だ。この対決はあらゆるレベルで行われている。しかし、現実には、南シナ海におけるNATOの役割は現段階では大きくない。今のところクワッドはこれには干渉していない。 実質はこれは米国と中国の対立だ」レ・バン・クオン少将はスプートニクからの取材にこう語っている。
中国は、クワッドを「アジア版NATO」と呼び、その目的はこの地域で拡大する中国の影響力の制限だと主張している。
米国の尽力と強硬な発言に反して、クワッドの他の加盟国は「アジア版NATO」の構想にはかなり慎重な姿勢をとっている。インドはこの考えに組しない国として先頭を切っている。インドが関心を持つのは海上の安全保障、テロ対策協力など、共通の利益に関わる問題だ。中国市場に大きく依存するオーストラリアは、中国封じ込めを狙う正式な軍事同盟に参加することは懸念している。
レ・バン・クオン少将は、「クワッドはあと5〜7年はどちらともつかない、緩い組織であり続け、『アジア版NATO』になることはできないだろう」と述べた。
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