イラン抗議デモの西側の痕跡。誰が、なぜイラン社会を不安定化させているのか

© AFP 2022 / Olivier Doulieryイラン抗議デモ
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若いイラン人女性マフサ・アミニさんの急死は、イランの若者たちの怒りを呼び、住民はアミニさんを殴打したとして道徳警察を早々に非難した。イランのさまざまな都市でアミニさんの死因解明を求める抗議デモが始まった。抗議デモは文字通り2日間で騒乱や治安部隊との衝突に発展した。イラン警察のトップ、カセム・レザイ将軍によると、抗議デモでは5日ごとに警官1人が死亡した。イランで抗議の波が広がったのは誰の責任なのだろうか?

マフサ・アミニさんの事件

イランの首都テヘランで9月13日、22歳のクルド系イラン人女性マフサ・アミニさんが頭部を覆うヒジャブ(スカーフ)の不適切な着用を理由に道徳警察に拘束され、警察署に連行された。公式発表によると、マフサさんは取り調べ中に心臓発作を起こし、その後すぐに病院へ搬送された。マフサさんはそれから3日後の9月16日に死亡した。10月7日、イラン法医学組織はマフサさんの死因について公的な鑑定結果を発表。そこにはマフサさんに外傷はなかったと記載されている。この事件をきっかけに、イランでは大規模な抗議デモや暴動が発生した。
© AP Photo / Michael Sohnマフサ・アミニさん
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マフサ・アミニさん

イランでの警官狩りとポグロム

レザイ将軍によると、現在までに警官2000人超がさまざまな程度のけがを負った。民間人の死者は60人を超えている。またイランの多くの大都市で数週間にわたって続く暴動では、民兵組織バシジのメンバー数人が殺害され、さらに180人が刃物による傷を負った。
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暴徒らは路上でポグロム(破壊、暴力)を行い、公共インフラに損害を与えた。イランの銀行は1250万ドルの損害を被り、情報通信技術分野の損害は10億ドルに上った。また暴徒らは60台以上の救急車も破壊し、約312万5000ドルの損害を与えた。

抗議デモを煽ったのは誰か?

イラン当局の発表によると、外国がイラン国内の暴動を主導している。イランの国会議員アフマド・フセイン・ファラヒ氏は、国会特別委員会の会合で、暴徒らを逮捕した結果、警察は彼らが外国から金銭的報酬を受け取っていたことを明らかにしたと説明した。たとえば、路上でイランの国旗を燃やした場合には、少なくとも50万トマン (約15ドル) が口座に振り込まれたという。
イランのメディアによると、逮捕者の41%が20歳未満だった。暴動で逮捕された人の中には、14カ国 (アフガニスタン、米国、英国、ドイツ、ポーランド、イタリア、フランス、オランダ、スウェーデンなど) の外国人が含まれていた。
イランの精神的指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師は、抗議と暴動を組織したのは米国とイスラエルだと批判した。イラン外務省も、フランスとノルウェーが内政に干渉していると非難した。これらの国の政治家はイランのデモ参加者への支持を表明した。
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またイランは、同国での騒乱の組織におけるフランスの役割も指摘している。イランの情報機関は5月の時点でフランス人2人 (37歳のセシル・コーラー容疑者、69歳のチャック・パリス容疑者) を逮捕していた。2人は10月初旬、カメラの前で情報機関のエージェントであることを認め、自分たちの使命はイラン政権の転覆につながる可能性のある抗議デモと暴動の組織を呼びかけることだったことを認めた。
イランの情報機関(情報省)の元トップで、現在はイスラム革命防衛隊の司令官顧問を務めるイスラム・ホセイン・タエブ氏も、外国勢力は春からイランで暴動の組織を準備をしていたと発表した。タエブ氏は、米国は5月からイランで暴動を準備していたと強調した。米国は、ヒジャブの着用と経済問題 (失業、制裁) という2つの口実を使って若者の抗議者を大学で集め、その後、暴動は学校、民族集団、宗教団体へ広がると考え、成功した場合には、特に敏感な中枢へ大規模な攻撃をすることを計画していたという。

調査開始と罪人探し

イランの国会議員らは、国内の暴動をめぐる状況を調査し、抗議デモにおける外国の要因を議論するために特別委員会の一連の公聴会を開いた。
イラン国会・国家安全保障外交政策委員会のメンバーのジャリル・ラヒミ・ジャハナバディ氏は、次のように述べている。
「米国および英国とフランスに代表される一部の西側諸国は、暴動を内戦に変えようとし、イランの安全保障に脅威を与え、これをイランの核問題に関する包括的共同作業計画(JCPOA)の交渉でイランに圧力をかけるテコとして利用しようとした」
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イラン当局によると、イランの状況を不安定化する上で最もネガティブな役割を演じたは英国だった。ロンドンの管理下にあるペルシャ語メディア(BBS FarsiとIran International)は、イランの人々に対して抗議デモを行い、警官に抵抗するようどこよりも呼びかけた。イランは、「イラン国民に対するテロ攻撃、暴力、暴動を引き起こした行動」に対して、これらのメディアに制裁を発動した。
イランのアフマド・バヒディ内相は、イランで起こっている出来事の報道に関する西側メディアのネガティブな役割と過剰な精力的活動について述べた。
「米国ではわずか1週間の間に抗議活動について1504件の記事が掲載され、英国では9日間に720件の記事が、ドイツでは830件の記事が、フランスでは655件の記事が、スペインでは207件の記事が、イタリアでは497件の記事がマフサ・アミニさんについて書かれた。またツイッターひとつとっても2億4000万件以上のツイートが行われ、これは単にユーザーではなく、数千のボットだった」
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