【視点】広島・長崎への原爆投下という残虐行為について、米国は国際法廷を開くのだろうか?

© AP Photo / Stanley Troutman広島県産業奨励館(現:原爆ドーム)の前に立つ同盟国の特派員
広島県産業奨励館(現:原爆ドーム)の前に立つ同盟国の特派員 - Sputnik 日本, 1920, 27.10.2022
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1945年、核兵器の使用という非人道的な行為が行われたことは言うまでもない。しかも、民間人に対して使用された。何しろ、広島・長崎には重要な軍事施設はなかったのだ。これは、第二次世界大戦におけるドイツの化学兵器使用を超える残虐行為と言えるかもしれない。それでもドイツ軍は敵側の兵士にガスを使った。とはいえ、ガス攻撃は非人道的な行為と認識されていた。その結果、化学兵器は禁止され、現在は廃棄されている。また、日本への原爆投下には軍事的な必要性は存在しなかった。元駐日ロシア大使で政治学者のアレクサンドル・パノフ氏が、米国の非人道的な行為と米国の政治指導者の決断について述べたものをスプートニクに寄稿している。
原爆投下決定の前夜、米軍のトップ7人のうち6人が、原爆投下は軍事的に必要ではなく、倫理的に野蛮で非人道的な行為であると主張した。そして原爆投下後、日本の最高軍事委員会は開催されなかった。現地を調査した日本軍の関係者は被害が甚大であることを認めたが、その被害は1945年3月に米軍機が東京の大部分を破壊し、10万人の民間人を殺害した大空襲に匹敵するとみていた。また、東京には軍事工場も部隊もいなかったため、完全に非人間的で不当な行為であった。しかし、その後の展開が示すように、広島と長崎への原爆投下は、日本に降伏の決断を迫るものではなかった。1945年8月9日午前11時、ソ連が対日参戦したことで日本では最高戦争指導者会議が開かれ、当時の鈴木貫太郎首相は、ソ連が参戦すれば日本の状況は絶望的だと述べ、降伏を受け入れることを主張した。
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最大の問題は、米国が日本に対して謝罪や遺憾の意を表明しなかったことだ。広島と長崎に原爆を投下した加害者は、良心の呵責に苦しむことなく安らかに眠った。おそらくこれが一番恐ろしいことである。だから、米国は犯罪を広島と長崎への原爆投下だけでは終わらなかったのだ。米国がベトナムでどのような振る舞いをしたのか、ナパーム弾で村を焼き、ダイオキシンで森や畑を破壊し、人々を苦しみにさらしたことを我々は知っている。その後、ユーゴスラビアで恐ろしい空爆が起きた。
もちろん、原爆を決断した人物も、実行した人も、今はもう生きていない。しかし、広島・長崎への原爆投下に関する裁判を行う目的は、そのような行為を評価することにある。このような犯罪行為が今後繰り返されないようにするためだ。米国は、民間人に対して行われた非人道的で完全に野蛮な行為について謝罪し、遺憾の意を表明する必要がある。ちなみに、1945年当時に存在していた国際法では、軍事行動による被害から民間人を可能な限り保護することが義務づけられている。
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もちろん、広島・長崎への原爆投下に関する裁判の開催が、国連安全保障理事会で決定されるとは考えにくい。この決定を防ぐのは、米国だ。2022年5月、主要7カ国(G7)サミットが開催された後、日本は米国に広島への訪問を呼びかけたが、米国はその提案を拒否した。最近まで、米国の要人は広島と長崎への訪問を避けてきた。心の底では、自分たちが犯した罪の大きさに気づいていると私は思う。しかし、米国は遺憾の意を示すつもりはないようだ。
米国人の行動から判断すると、彼らは良心の呵責を全く感じていない。自分たちに都合のいい言い訳を考えている。広島と長崎に投下された原爆は、戦争の終結を早め、米国人兵士の命を救った。しかし、実際には、それは空言に過ぎない。米国は裁判を拒む可能性が高く、現在できることといえば、政治家、公人、学者、ジャーナリストが集まり、問題を議論し、自分自身の意見を発言できる国際的な公開裁判を実施することだ。これはとても重要なことだと思う。もしかしたら、法的拘束力を持つ国際法廷の設置が決定されるかもしれない。
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