https://sputniknews.jp/20221126/1-13976349.html
【視点】露産石油の上限価格 「サハリン1」を適用除外しなかった日本の思惑
【視点】露産石油の上限価格 「サハリン1」を適用除外しなかった日本の思惑
Sputnik 日本
... 2022年11月26日, Sputnik 日本
2022-11-26T22:14+0900
2022-11-26T22:14+0900
2022-11-27T04:23+0900
再編「サハリン1・2」をめぐる状況
サハリン
ガス
石油
エネルギー危機
国内
経済
ロシア
露日関係
https://cdn1.img.sputniknews.jp/img/583/61/5836163_0:0:3119:1754_1920x0_80_0_0_89bcc621e9af4e99c4a76ec27237181c.jpg
「サハリン1」への適用は日本の選択日本の西村康稔経済産業相は25日、日本企業も参加する極東ロシアの石油ガス開発事業「サハリン2」からの石油について、「価格上限措置の対象とならない」との認識を示した。米財務省も全ての原油を日本が輸入する事を条件に適用除外を認めている。一方で、「サハリン1」については例外を認めず、適用される見込みとなっている。この裏にはどのような背景があるのだろうか。ベロゴリエフ氏は次のように述べている。米エクソンモービル子会社のエクソン・ネフチガスは「サハリン1」の30パーセントの利権を持った運営会社であったが、3月に撤退を決めていた。そのため、4月から秋まで権限を使ってガスや石油の採掘を停止したほか、輸出作業も中断した。この状況を打開するために、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は「サハリン1」の新しい運営者としての事実上の国営企業を発足させる大統領令に署名。そして、日本のサハリン石油ガス開発(SODECO)やインドのONGCは残留を決め、エクソンモービルはロシア市場から去った。なぜ日本は残ったかベロゴリエフ氏は、日本もロシア産石油の購入を減らしていると指摘する。2022年1月から10月までで、約4割減少しており、6、9、10月は全く輸入していない。そして、「『サハリン2』の適用除外も2023年9月までしか有効でないということを考慮すると、日本は『サハリン1』からの供給は必要ないと判断したのは明白だ」と続ける。一方で、現状の「サハリン1」では利益は乏しいものの、SODECOが撤退するということを意味するのではないとベロゴリエフ氏はみる。日本政府はこれまでも、日本企業ができるだけ長くサハリンに残るべきだとする方針を示してきた。その理由は主に3つ考えられるという。それでも、上限価格の適用が「サハリン1」自体に与える影響は、他のロシア産石油輸出プロジェクトに比べると少ないとベロゴリエフ氏は指摘したうえで、次のように締めくくっている。関連ニュース
https://sputniknews.jp/20221009/2-13263303.html
サハリン
国内
Sputnik 日本
feedback.jp@sputniknews.com
+74956456601
MIA „Rossiya Segodnya“
2022
スプートニク 通信
https://cdn1.img.sputniknews.jp/img/07e6/07/14/12088987_0:0:401:400_100x100_80_0_0_f38c1d48964e1513ad55ca260593842c.jpg
スプートニク 通信
https://cdn1.img.sputniknews.jp/img/07e6/07/14/12088987_0:0:401:400_100x100_80_0_0_f38c1d48964e1513ad55ca260593842c.jpg
ニュース
jp_JP
Sputnik 日本
feedback.jp@sputniknews.com
+74956456601
MIA „Rossiya Segodnya“
https://cdn1.img.sputniknews.jp/img/583/61/5836163_0:0:2731:2048_1920x0_80_0_0_ec038b0a18e00e2cf58fbe5b6a5231ab.jpgSputnik 日本
feedback.jp@sputniknews.com
+74956456601
MIA „Rossiya Segodnya“
スプートニク 通信
https://cdn1.img.sputniknews.jp/img/07e6/07/14/12088987_0:0:401:400_100x100_80_0_0_f38c1d48964e1513ad55ca260593842c.jpg
サハリン, ガス, 石油, エネルギー危機, 国内, 経済, ロシア, 露日関係
サハリン, ガス, 石油, エネルギー危機, 国内, 経済, ロシア, 露日関係
【視点】露産石油の上限価格 「サハリン1」を適用除外しなかった日本の思惑
2022年11月26日, 22:14 (更新: 2022年11月27日, 04:23) 主要7カ国(G7)が12月5日から導入するロシア産石油への上限価格について、日本企業も参画するロシア極東の石油・ガス事業「サハリン2」を上限価格の適用除外としたのに対し、「サハリン1」については除外しなかったのは、日本の選択である。ロシアの分析機関「エネルギー金融研究所」のアレクセイ・ベロゴリエフ氏に、上限価格の導入とサハリン・プロジェクトをめぐる日本の例外規定について話を聞いた。
日本の西村康稔経済産業相は25日、日本企業も参加する極東ロシアの石油ガス開発事業「サハリン2」からの石油について、「価格上限措置の対象とならない」との認識を示した。
米財務省も全ての原油を日本が輸入する事を条件に適用除外を認めている。
一方で、「サハリン1」については例外を認めず、適用される見込みとなっている。この裏にはどのような背景があるのだろうか。
「米国がサハリン・プロジェクトについて適用除外を認めたのは、日本と示し合わせたからだろう。となると、『サハリン1』を適用除外しなかったのは、おそらく日本の選択ということになる。
この違いは『サハリン1』自体がそもそも危機的状況にあることが関係しているだろう。エクソンモービルによって4月から10月にかけて稼働を妨害された。日本政府はこの影響が2023年になっても残るとみているのだろう」
米エクソンモービル子会社のエクソン・ネフチガスは「サハリン1」の30パーセントの利権を持った運営会社であったが、3月に撤退を決めていた。そのため、4月から秋まで権限を使ってガスや石油の採掘を停止したほか、輸出作業も中断した。
この状況を打開するために、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は「サハリン1」の新しい運営者としての事実上の国営企業を発足させる
大統領令に署名。そして、日本の
サハリン石油ガス開発(SODECO)やインドのONGCは残留を決め、
エクソンモービルはロシア市場から去った。
ベロゴリエフ氏は、日本もロシア産石油の購入を減らしていると指摘する。2022年1月から10月までで、約4割減少しており、6、9、10月は全く輸入していない。そして、「『サハリン2』の適用除外も2023年9月までしか有効でないということを考慮すると、日本は『サハリン1』からの供給は必要ないと判断したのは明白だ」と続ける。
一方で、現状の「サハリン1」では利益は乏しいものの、SODECOが撤退するということを意味するのではないとベロゴリエフ氏はみる。日本政府はこれまでも、日本企業ができるだけ長くサハリンに残るべきだとする
方針を示してきた。
1.
サハリン・プロジェクトのライフサイクルは数十年単位のものであり、1年や2年のものではない。日本は戦略的に重要な長期的で儲かる投資と位置づけている。
2.
日本のいわゆる「経済ナショナリズム」的な傾向。日本は第二次世界大戦の敗戦までサハリン島南半分を支配していた時期もあり、歴史的にサハリンとのつながりが深い。
3.
日本の政治家は、日本企業が抜ければ中国に利権を取られることを恐れている
それでも、上限価格の適用が「サハリン1」自体に与える影響は、他のロシア産石油輸出プロジェクトに比べると少ないとベロゴリエフ氏は指摘したうえで、次のように締めくくっている。
「デ=カストリ港(ハバロフスク地方、サハリン島の対岸に位置し、『サハリン1』のガス輸出拠点となっている)は地理的に優位な位置にあるので、そこからの輸出が大きな被害を受けることはないとみられる」