伊スカラ座、ウクライナ側の抗議ものともせずロシアのオペラで新シーズンを幕開け

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伊スカラ座、ウクライナ側の抗議ものともせずロシアのオペラで新シーズンを幕開け - Sputnik 日本, 1920, 08.12.2022
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イタリア・ミラノのスカラ座はロシアのオペラ「ボリス・ゴドゥノフ」(モデスト・ムソルグスキー作)で新シーズンをスタートした。演出家はデンマークのカスペル・ホリテン氏、指揮はラ・スカラ座のリカルド・シャイー首席指揮者が務めた。タイトル・ロールにはロシアの歌手、イリダル・アブドラザコフ氏が起用された。
スカラ座がロシア音楽の作品で開幕することを受け、歌劇場側はウクライナ政府の批判にさらされていたものの、文化と政治を切り離す方針のもと、抗議活動をものともせずに初演を敢行した。
初演にはイタリアのセルジョ・マッタレッラ大統領とジョルジャ・メローニ首相をはじめ、多くの来賓が招待された。大統領と首相がスカラ座の初演を揃って訪れるのは2011年以来初めて。そのほか、初演には欧州委員会のフォン・デア・ライエン委員長も足を運んだ。
初演を迎えたスカラ座周辺では抗議活動が発生し、歌劇場の壁には赤いペンキがかけられた。また、50人近くの活動家が歌劇場の占拠を試みたものの、治安当局によって取り押さえられた。
こうした中、メローニ首相とフォン・デア・ライエン委員長は「ボリス・ゴドゥノフ」の上演を邪魔しないよう、市民に呼び掛けた。首相は市民に対し、次のように訴えた。

「お分かりの通り、私にはウクライナ侵攻について限りなく明確な立場があるが、私たちはロシア民族、ロシア史、ロシア文化には反対しない。私たちが行うのは政治的な選択だ。この二つのレベルは切り離す必要がある、さもないと大変な混乱になる」

ロシア作品による新シーズン開幕については6月に発表されていた。11月にウクライナのアンドレイ・カルティシュ駐ミラノ総領事は市と歌劇場側に抗議し、演目を変更するよう要求していた。総領事はその際、イタリアのウクライナ人コミュニティはこの決定を「大変な失望」とともに受け止めたと表明していた。
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一方、歌劇場のドミニク・メイエル支配人は「ボリス・ゴドゥノフ」について、「ウクライナを批判する要素は一つもない真の名作」とし、ウクライナ側の要請を退けていた。後にイタリアのヴィットリオ・ズガルビ文化次官はスプートニク通信の取材に応じた中で、「ボリス・ゴドゥノフ」を「全人類の遺産」と評価し、上演キャンセルの呼び掛けは馬鹿々々しいと指摘していた。
スカラ座で最初に「ボリス・ゴドゥノフ」が上演されたのは1909年のこと。その際はロシアの世界的歌手、フョードル・シャリャーピンが演じ、話題になった。
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