米国務省報道官が熱弁、米国はロシアのパイプラインを爆破していない
2023年2月10日, 08:57 (更新: 2023年2月10日, 14:29)
© AP Photo / Nicholas Kamm米国務省報道官が熱弁、米国はロシアのパイプラインを爆破していない
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米国政府はロシアのドイツ向け天然ガスパイプライン「ノルド・ストリーム」の爆破に関与していないと表明しており、これは信用に値する。また米国がこれに関与しているという主張は「完全なでたらめ」である。米国務省のネッド・プライス報道官がブリーフィングで主張した。
プライス報道官は米国政府が爆破への関与を否定していることは信用に値するのかとの質問に対し、「私は絶対にそう思う」と発言した。また、米国がテロ行為に関与したとする報道は「完全なでたらめ」と主張した。
また、ブリーフィングの中で記者の1人が「プレスホールでプロパガンダを展開するのはいかがなものか」と発言すると、プライス報道官はこれを遮った。
State Dept spox Ned Price admits he hasn't read Sy Hersh's piece on the US responsibility for the Nord Stream pipelines destruction, then loses his cool, attacks it as "propaganda" and smears Hersh's reputation. Very revealing. https://t.co/G55q6fMHeM
— Max Blumenthal (@MaxBlumenthal) February 9, 2023
ロシア原油の欧州供給用パイプライン「ノルド・ストリーム」の爆破の原因について、米国の調査報道記者のシーモア・ハーシュ氏は、2022年夏のNATO軍事演習「バルトップス」に参加した複数の米国人ダイバーらが「ノルド・ストリーム」の下部に爆破装置を設置し、それを3か月後にノルウェーが作動させたために起きたとするすっぱ抜き記事を表した。
米国が「ノルド・ストリーム」を爆破した原因についてハーシュ氏は、ドイツは同パイプラインの開通でロシア産ガスを得て、エネルギー供給を安定化させた場合、ウクライナへの支援調達をしたがらなくなるとホワイトハウスが懸念したためだと指摘している。
ハーシュ氏はベトナム戦争のスクープ記事を執筆し、ピューリッツァー賞を受賞した良識ある米国人ジャーナリスト。1969年、独自の調査により米軍中尉によるソンミ村虐殺事件を暴いたことが評価され、1970年に同賞を受賞している。
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