Танк немецкого производства Леопард-2 - Sputnik 日本, 1920
西側諸国によるウクライナへの兵器供与
2022年2月にロシアが特別軍事作戦を開始して以来、 米国などの西側諸国はウクライナへ重装備の供与をはじめ、積極的な軍事支援を行っている。特に、ウクライナはすでに対戦車ミサイル「ジャベリン」、携帯式防空ミサイルシステム「スティンガー」、戦車「レオパルト」、「M1エイブラムス」、「チャレンジャー」、防空システム「パトリオット」、多連装ロケット砲「ハイマース」、巡航ミサイル「ストームシャドウ」などの兵器を受領している。スプートニクはウクライナへの兵器供与を注視し、その特徴や戦場での能力をまとめた。

【視点】戦車KF-51パンターが前線まで辿り着くことはない

© 写真 : Rheinmetall AG KF-51パンター
KF-51パンター - Sputnik 日本, 1920, 14.02.2023
サイン
ドイツの防衛企業ラインメタル社のアーミン・パッパーガー社長は、ドイツ政府がウクライナへの新たな戦車の供与に同意すれば、ウクライナ軍により新たな戦車KF-51パンターを供与する可能性があると述べた。KF-51パンターは、2022年6月に展示会ユーロサトリに初めて公開されたものである。もしドイツ政府がこの戦車の供与を承認すれば、ラインメタル社は15〜18ヶ月かけて、新たな戦車の製造を行うことになる。この声明は欧州、とりわけウクライナに一定のインスピレーションを与えた。なぜならウクライナ軍はすでにかなり以前より、同盟国から与えられる武器で戦闘を行なっているからである。

新型ではなく、改良型

この戦車を新型と呼ぶには、一定の条件がある。というのも、KF-51は、ドイツの戦車レオパルト2の車体、エンジン、トランスミッションを基に製造されたものなのである。戦車の新しい塔には、130ミリ砲L52が自動装填装置とともに搭載されている。
この戦車の新しい点は、イスラエル製の無人機Hero-120徘徊型兵器(いわゆる自爆ドローン)のための発射機とドイツ製の偵察用クワッドコプターが砲塔内に収められているところである。おそらく、ラインメタル社は、3563台生産されたレオパルト2を大々的に改良するためにこの戦車を開発したと見られる。
古いレオパルト2を工場で解体し、車体に新たなエンジンとトランスミッションを搭載し、新たな塔と新たな機器を設置したものがKF-51である。その目的は、戦車の戦闘能力を向上することである。レオパルト2の有効射程が3000〜3500メートルであるのに対し、130ミリ砲の有効射程はそのほぼ2倍の6000〜7000メートルに達する。ちなみに、比較のために書くと、ロシア製の戦車Т-90「プロルィフ」の有効射程は5000メートルである。つまり、ドイツ製のレオパルト2はすでにロシアの新型戦車の性能を大きく下回っており、改良が必要とされていたと言える。
そこでKF-51はレオパルト2の改良型と呼ぶことができるのである。しかし、ドイツにとってはどちらでもよいことかもしれない。
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タリバンに破壊された戦車

欧州では、新たな戦車の登場に際し、その性能を誇張した宣伝が行われることが多い。今回のKF-51についても、高性能でもっとも防衛力が高いと評されている。
しかし、過去の戦闘を見れば、どんな戦車も攻撃され、破壊されることが証明されている。KF-51と同様の防衛力を持つ装甲が施されたレオパルト2は、アフガニスタンやシリアで、近代的な戦車、近代的な対戦車砲を持たない敵を相手に使用された。しかし結果的に、アフガニスタンではタリバンによって6台のデンマークの戦車と3台のカナダの戦車が殲滅され、一方のシリアでは、アルバブの攻防戦で、戦闘に参加していた30台のトルコの戦車のうち、最大10台が殲滅または重大な被害を受けた。また半数は、ソ連製の対戦車ミサイルによって損傷を受けた。つまり、KF-51がより近代的な戦車や対戦車ミサイルと衝突した際に、アフガニスタンやシリアでの戦闘よりも良い性能を発揮すると言える根拠はない。KF-51はまた正面装甲に弱点がある。車体と塔との間に、正面の20%ほどを占める大きな隙間があるのである。
これと同様の欠点は、米国製の戦車M 1エイブラムスにもあるが、ドイツはこれを完璧なものにした。
この隙間にフガス破片榴弾が命中すれば、車体と塔を破裂させ、最低でも、回転機構と塔の開閉部分が破壊されるか、あるいは塔を吹き飛ばすことになる。
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使用できるのは早くて3年後

KF-51が使用されるのはまだ先の話である。実際、現在、我々が目にすることができるのは展示用モデルと宣伝用のブックレットだけである。ラインメタル社はドイツ政府が決定を下した15〜18ヶ月後、つまりおよそ半年後に製造を開始すると約束している。
そこから最初の製品が生産されるまでにはさらに半年かかる。
そしてそこから、ウクライナの戦車兵の訓練、ウクライナへの輸送、戦車部隊の展開、戦闘準備の完了までにさらに時間を要する。
つまり、ドイツ政府がラインメタル社の提案を今すぐ承認したとしても、KF-51を使用するウクライナ軍の部隊が戦闘態勢に入れるのは、約3年後という計算になる。
この間に、ウクライナ軍には戦車兵は残っていないかもしれないし、あるいはウクライナ軍自体が存在していないかもしれない。現在のウクライナ軍の状況がすでに壊滅的なものであり、さらに悪化の一途を辿っていることを考えれば、ウクライナが自らの軍事政治的ステータスを急激に変更する可能性もある。
そうなれば、ドイツの新型戦車はこの戦争に間に合わないことになる。さらにもう一つ、この新型戦車を何台生産することができるのかという疑問がある。
レオパルト2は1979年から2015年にかけて、平均ペースで、年間98台生産された。
もしKF-51が古いレオパルト2のエンジンとトランスミッションを交換し、新たな砲塔と設備を設置したものであるならば、ラインメタル社は年間およそ120〜150台、つまり半年でおよそ60〜70台、生産することができる。
しかし、この数はウクライナ軍が現実的に成功を期待するにはあまりにも少なすぎる。ともかく、ドイツの防衛企業社長の提案は、ウクライナに対し、現実的な支援よりも多くを期待させていることになる。ラインメタル社は、有名企業であり、第二次世界大戦以前も、大戦中にも、武器を製造していた。そこでロシアはかつて、戦場でこの企業の製品に直面する機会があり、新型も恐れない。
それよりも興味深いのは、KF-51がそれほど強固なものなのか、またドイツの商業経済紙「ハンデルスブラット」がどのようにこの戦車を評価するかである。

戦車殲滅に対する賞金

一方、ウクライナがKF-51の供与を熱く歓迎することは疑いようもない。ロシアの企業家、知事、そして人気のテレグラム・チャンネルまでもが、西側の最新型戦車の殲滅に賞金を出すと約束している。その額は、たとえば、エイブラムスやレオパルト2で500〜1000万ルーブル(およそ980〜1790万円)となっている。おそらく、KF-51に対しても、レオパルト2と同程度の賞金がかけられるだろう。
もちろん、欧米の戦車は収集され、ロシアの戦車製造会社に送られて研究されるほか、クビンカ戦車博物館のコレクションに加えられる。ウクライナでの戦闘では、敵の装甲車との戦いにおける一定の戦法が作られた。そこには、無人機を使った偵察や自爆ドローン「ランセット」のような無人攻撃機での攻撃などが含まれている。こうした無人機は戦車の攻撃には使用されない。
2022年12月のデータによれば、「ランセット」は10の砲撃手段、7の自走砲、6台の戦車、8台の装甲輸送車を殲滅した。
特に、ウクライナの戦車Т-80も「ランセット」の攻撃により、破壊された。攻撃型の無人機が最近撮影した、ウクライナの戦車兵らが上空を飛ぶ「ランセット」を見つめる画像は非常に印象深い。というのも、ウクライナ軍は反撃を試みることも多く、反撃の際には戦車に集中しており、一方でウクライナの装甲車は空爆によって破壊されているからだ。
スヴァトヴォとクレメンナヤ地区では、ロシアの大砲がウクライナの戦車車列を猛撃した。
無人機によって撮影された画像では、少なくとも、2台の戦車が榴弾砲を受けて、燃えている。また高精度の榴弾砲「クラスノポリ」によっても、ウクライナの戦車が有効的に殲滅されている。現在の戦闘行動における命中率は、移動する目標を含め、96%となっている。さらに、装甲車両の攻撃には、多連装ロケットランチャー「TOS 1」(ブラチーノ)も効果を発揮している。つまり、長い射程を誇るKF-51は、戦闘が行われている戦線に辿り着くこ前に、どこか近くの後方で「ランセット」または「クラスノポリ」の犠牲となる可能性が高いと言えるのである。
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