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トルコで発見されたローマ帝国の奇妙な墓 故人は呪術師?

© 写真 : Sagalassos Archaeological Research Projectサガラッソスで見つかった奇妙な墓
サガラッソスで見つかった奇妙な墓 - Sputnik 日本, 1920, 16.03.2023
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トルコの古代都市サガラッソスで、奇妙な火葬式の墓が発見された。その墓は封印が2度施された上に、曲がった釘がたくさん散らばっていた。考古学者らは、当時の人々が、あまり良くない評判を持つ死者が生きている者の世界に戻ってくることがないようにこのようなことを行ったとみている。
サガラッソスは、この地域がアケメネス帝国の一部であった紀元前5世紀末に作られた。その後の紀元前25年には、当時のローマ皇帝がこの地をローマ帝国に編入させた。この都市はこの時代に最も繁栄した。
7世紀になると、サガラッソスは大地震によってほぼ壊滅し、人口は激減し、農耕が中心となっていった。サガラッソスの遺跡は、20世紀末に考古学者が興味を持つまで、手つかずのままだった。
ルーヴェン・カトリック大学(ベルギー)の考古学者らは今回、ローマ帝国時代のサガラッソスに作られた奇妙な墓に関する研究を行った。この研究をまとめた論文が、学術誌『古代』に掲載されている。研究者らによると、この墓は紀元100年から150年の間に作られたという。
その墓に眠っているのは成人男性。通常、火葬されれば遺灰は骨壷に集められ、墓に納められる。しかし、当時の人々はこの人物を火葬後、火葬炉の中から動かさず、墓にも入れなかったようだ。
さらに奇妙なことに、火葬場の角には、41本もの曲がった釘が散らばっていた。これらの釘は、火葬台を固定するなどといった実用的な目的で用いたものではなく、何か特定の順序に則って置かれたものだとみられている。そして、火葬炉の周りを24個の大きなレンガが積み上げられた。その後、レンガは厚い漆喰で覆われた。この結果、かなり巨大で密閉度の高い墓ができあがった。
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ローマ皇帝の顔を持つスフィンクスの像見つかる エジプト
研究者らは、この弔い方法は、その死者を生きている者の世界から遮蔽することを意味していると指摘している。この人物は、その人生においてかなり特殊な、評判の良くない人物であった可能性がある。そのため、当時の人々はこの人物をできるかぎり「封印」しようとしたのかもしれない。
しかし、研究者らによると、問題は、儀式用とみられる釘のほかに、ごく普通の葬具がその墓から発見されたことだという。墓の中には2世紀のコイン、1世紀の小型陶器数点、ガラス製の容器2点などが見つかった。こういった埋葬品は、2世紀前半の墓で見つかっている。つまり、「危険な」死者は、一定の栄誉を与えられた上で埋葬されたということになる。
研究者らは、この故人が呪術を扱う人物であったのではないかと推測している。この人物が生前、呪術で周囲の人々を恐怖に陥れたことがあったとすれば、死者がどんな形であれ戻ってこないようにするために当時の人がこういった弔い方をしたとすれば理解ができると研究者らは指摘している。
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