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次々落ちる米最新鋭戦闘機「F-35」 ペンタゴンの傷ついたプライド
次々落ちる米最新鋭戦闘機「F-35」 ペンタゴンの傷ついたプライド
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日本を含む米国の同盟国は、米戦闘機「F-35... 2023年4月18日, Sputnik 日本
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「F-35」とは「F-35」が開発されると、米軍だけでなく北大西洋条約機構(NATO)諸国や日本、韓国などの同盟国もこぞって購入した。これまでに約20か国が契約済み、またはすでに導入している。直近ではルーマニアが契約しているが、彼らが「F-35」を手にするまでには8年待たなくてはならない。この戦闘機は半世紀にわたってNATOの主力として活躍することが見込まれていた。そのため、一部の部品は米国以外で製造されており、プロジェクトに参加している国は9カ国にのぼる。「F-35」への期待は相当に高いものであった。ステルス性能、速度、操作性、攻撃力、核弾頭の運搬能力など、軍司令官たちが夢見る全ての条件を満たさねばならなかった。「F-35」にはA、B、Cの3種類のバージョンがあるが、それぞれの特徴は次の通り。伸びる納期と開発費米国は当初、最大で3500機の生産を狙っていたが、計画は思い通りには進まなかった。「F-35」の開発元のロッキード・マーティン社は2001年、2010年までを目途に最大で2852機を生産するという計画を立て、2330億ドル(31.2兆円)の予算を要求。2004年にはこの額は2倍に膨れ上がった。2013年時点で、計画は7年遅れていた。2022年までに開発費は1.7兆ドル(227兆円)という桁違いの額になった。米会計検査院によると、「F-35」の飛行1時間あたり42000ドル(562万円)もの米国民の血税が使われる計算となる。だが、一番大きな問題は、この戦闘機が期待に応えられないということだ。「F-35」の欠陥は数十ではなく、もはや数百ともいわれている。第5世代?特に深刻なのは動力装置の欠陥だ。昨年12月にはテキサス州のフォートワース基地で垂直着陸中の「F-35B」がバランスを崩して転倒する事故があった。パイロットは無事に脱出したが、2カ月間にわたり「F-35」の飛行が中止された。ロッキード・マーティン社は今年3月に原因を特定したと発表。だが、問題はすぐには解決できないという。さらに、モーターの不足も指摘されている。また、第5世代戦闘機にとって必須の超音速飛行でも問題が起きている。もし、長時間の超音速飛行を続けると、外皮が損傷し、ステルス性能が失われる。また、機体後部のアンテナも使用できなくなる。このため、ペンタゴンは数十秒を超える超音速飛行を禁止する事態に。この欠陥に対処しようにも、費用がかかりすぎる。また、パイロットも飛行中の低酸素症という問題に直面している。過去に40回ほどあった事例の多くは「F-35A」によるものとなっている。2020年5月には飛行中に酸素供給システムが故障し、パイロットが緊急脱出して機体が墜落する事故が起きている。コックピット内の減圧のせいで、パイロットの気圧障害を引き起こした。名前負けまた、ソフトウェアの不具合で墜落した事例も複数確認されている。さらに、暗い空域を飛ぶ際にパイロットの視界にヘルメットのディスプレイから漏れた「緑色の光」が入り、気が散るというクレームも寄せられた。ちなみに、このヘルメットは40万ドル(5400万円)とスポーツカー並みに高額だ。非常に皮肉なインシデントもあった。雷が燃料タンクに落ちると機体が損傷する恐れがあるとして、ペンタゴンは落雷が予想される空域の飛行を禁止。修正の試みもなされているが、完全には問題を排除できていない。名前は「ライトニング(雷光)」だが雷には弱いということだ。ロッキード・マーティン社は、完成度を上げるために開発・改良を続けている。そして、ただでさえ天文学的数値となっている開発費に、さらなる追加予算を求めている。しかも、納期に間に合うかもわからないのだ。故・ジョン・マケイン米上院議員は、「F-35」が「米国の防衛装備調達システムがいかに壊れているかを示す教科書的な例となった」と指摘している。それでも、米国の同盟国はこの欠陥品を法外な値段で買わされることとなるだろう。
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次々落ちる米最新鋭戦闘機「F-35」 ペンタゴンの傷ついたプライド
2023年4月18日, 22:59 (更新: 2023年4月19日, 05:50) 日本を含む米国の同盟国は、米戦闘機「F-35 ライトニングII」を購入している。だが、墜落事故やインシデントは後を絶たず、米国防総省(ペンタゴン)も戦闘任務に就く準備ができている「F-35」は全体の約3分の1としている。この史上最もコストの高い戦闘機プロジェクトにはどんな問題がつきまとっているのか、スプートニクがまとめた。
「F-35」が開発されると、米軍だけでなく北大西洋条約機構(NATO)諸国や日本、韓国などの同盟国もこぞって購入した。これまでに約20か国が契約済み、またはすでに導入している。直近ではルーマニアが契約しているが、彼らが「F-35」を手にするまでには8年待たなくてはならない。
この戦闘機は半世紀にわたってNATOの主力として活躍することが見込まれていた。そのため、一部の部品は米国以外で製造されており、プロジェクトに参加している国は9カ国にのぼる。
「F-35」への期待は相当に高いものであった。ステルス性能、速度、操作性、攻撃力、核弾頭の運搬能力など、軍司令官たちが夢見る全ての条件を満たさねばならなかった。
「F-35」にはA、B、Cの3種類のバージョンがあるが、それぞれの特徴は次の通り。
F-35A 技術的に最もシンプルなバージョンで、最も安価。それでも1機当たり8000万ドル(107億円)かかる。同盟諸国は将来的に計2500機の購入を予定している。
F-35B 米海兵隊や英海軍などが運用。短距離発進、垂直着陸のオプションがついている。A型より2500万ドル(33億円)高い。
F-35C 空母用で着艦フックが備わっているほか、主翼や尾翼が大きめ。1機9500万ドル(127億円)。
米国は当初、最大で3500機の生産を狙っていたが、計画は思い通りには進まなかった。
「F-35」の開発元のロッキード・マーティン社は2001年、2010年までを目途に最大で2852機を生産するという計画を立て、2330億ドル(31.2兆円)の予算を要求。2004年にはこの額は2倍に膨れ上がった。
2013年時点で、計画は7年遅れていた。2022年までに開発費は1.7兆ドル(227兆円)という桁違いの額になった。米会計検査院によると、「F-35」の飛行1時間あたり42000ドル(562万円)もの米国民の血税が使われる計算となる。
だが、一番大きな問題は、この戦闘機が期待に応えられないということだ。「F-35」の欠陥は数十ではなく、もはや数百ともいわれている。
特に深刻なのは動力装置の欠陥だ。昨年12月にはテキサス州のフォートワース基地で垂直着陸中の「F-35B」がバランスを崩して転倒する事故があった。パイロットは無事に脱出したが、2カ月間にわたり「F-35」の飛行が中止された。ロッキード・マーティン社は今年3月に原因を特定したと発表。だが、問題はすぐには解決できないという。さらに、モーターの不足も指摘されている。
また、第5世代戦闘機にとって必須の超音速飛行でも問題が起きている。もし、長時間の超音速飛行を続けると、外皮が損傷し、ステルス性能が失われる。また、機体後部のアンテナも使用できなくなる。このため、ペンタゴンは数十秒を超える超音速飛行を禁止する事態に。この欠陥に対処しようにも、費用がかかりすぎる。
また、パイロットも飛行中の低酸素症という問題に直面している。過去に40回ほどあった事例の多くは「F-35A」によるものとなっている。2020年5月には飛行中に酸素供給システムが故障し、パイロットが緊急脱出して機体が墜落する事故が起きている。コックピット内の減圧のせいで、パイロットの気圧障害を引き起こした。
また、ソフトウェアの不具合で墜落した事例も複数確認されている。さらに、暗い空域を飛ぶ際にパイロットの視界にヘルメットのディスプレイから漏れた「緑色の光」が入り、気が散るというクレームも寄せられた。ちなみに、このヘルメットは40万ドル(5400万円)とスポーツカー並みに高額だ。
非常に皮肉なインシデントもあった。雷が燃料タンクに落ちると機体が損傷する恐れがあるとして、ペンタゴンは落雷が予想される空域の飛行を禁止。修正の試みもなされているが、完全には問題を排除できていない。名前は「ライトニング(雷光)」だが雷には弱いということだ。
ロッキード・マーティン社は、完成度を上げるために開発・改良を続けている。そして、ただでさえ天文学的数値となっている開発費に、さらなる追加予算を求めている。しかも、納期に間に合うかもわからないのだ。
故・ジョン・マケイン米上院議員は、「F-35」が「米国の防衛装備調達システムがいかに壊れているかを示す教科書的な例となった」と指摘している。それでも、米国の同盟国はこの欠陥品を法外な値段で買わされることとなるだろう。