Военный самолет и вертолеты на авиабазе морской пехоты Футенма, Окинава - Sputnik 日本, 1920
沖縄の米軍基地問題
第二次世界大戦末期に米軍に占領された沖縄には、1972年に日本に施政権が返還されて半世紀以上が経った今も31の米軍基地が残る。総面積は1万8609ヘクタールと沖縄の8パーセントを占めており、全国の米軍専用施設の面積の7割が集中。かつては朝鮮戦争の後方拠点として使用され、現在は中国と対峙する米軍の最前線拠点となっている。沖縄では長年、米兵による犯罪や米軍機の事故、騒音被害など様々な問題に悩まされてきた。これらを背景に、世界一危険といわれる普天間飛行場の名護市辺野古への移設問題では、移設が唯一の解決策とする国とそれでは根本的な問題解決にはならないとする沖縄県が対立を深めている。

【視点】起こりうる戦争の人質となる沖縄の人々

© AFP 2023 / Toru Yamanaka【視点】起こりうる戦争の人質となる沖縄の人々
【視点】起こりうる戦争の人質となる沖縄の人々 - Sputnik 日本, 1920, 21.05.2023
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2023年5月13日、沖縄では、米軍基地の配備に反対する大規模な抗議行動が行われた。米軍嘉手納基地周辺には、「平和な生活を返せ」、「オスプレイは要らない」などのスローガンを掲げた数千人の人々が集まった。
沖縄における反戦運動には、独自の歴史があり、代表的な英雄がいる。この運動からはほとんど何の成果も出すことができてはいないが、それでも、沖縄で、米軍基地への抗議活動が止まることはけしてない。これほど懸命な抗議行動が行われているのはなぜなのか。

沖縄からは逃げられない

この答えを明確に、そして飾らずに出すとすれば、それは恐ろしいものである。沖縄の住民は、想定される日米対中国の戦争の人質になっているのである。この予想される戦争の原因がなんであるのかは重要ではない。いずれにしても、戦争が始まれば沖縄は重要拠点となる。というのも、この島には、大規模な飛行場、そして東シナ海上空から中国沿岸部で戦闘を展開できる大規模な空軍部隊が配置されているからだ。
戦争で勝利を収めることができるのは、空挺部隊を自由に操り、航空戦を制することができる者である。制空権を握るというのは、敵の空軍とその基地を殲滅することを意味する。有名なイタリアの陸軍少将で、航空戦力の理論家であるジュリオ・ドゥーエは、敵の空軍を壊滅する最良の方法は、その基地、つまり飛行場を攻撃することだと説いている。地上にある航空機に対する瞬時の力強い攻撃は航空戦での勝利をもたらす。
ここで忘れてはいけないのは、2022年の沖縄県の人口は146万6800人、つまり1平米あたり1014.9人だということである。この事実から2つの結論を導き出すことができる。1つは、戦争が始まれば、沖縄から逃げ出すことはできないということである。これほど多くの島民を、短期間でどこかに避難させることは不可能であり、住民自身が、島から自力で脱出することもできない。もう1つは、住宅地への攻撃があった場合、それがたとえ偶然のものであったとしても、数百人の死傷者が出るということである。つまり、沖縄に住む民間人をいかにして守るかという問題は、きわめて深刻なものとなる。
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さまざまな損害

さまざまな戦闘の展開における危険度を評価してみる。
まず考えられるのは、精密兵器による攻撃が行われた場合。沖縄の軍事施設に対するミサイル攻撃あるいは空爆は、市民にはそれほど大きな危険は及ぼさない。現代の精密兵器や空爆は命中精度が高く、ほとんど的を外すことがない。ウクライナ紛争の経験でも示されているように、空からの攻撃が行われた際、民間人にとってもっとも大きな危険が及ぶのは、地対空ミサイル、そして撃墜されたミサイルや爆撃機の破片である。この場合、沖縄の市民は、爆発音を耳にしたり、米軍基地の上に空高く上がる「キノコ雲」を見て、戦争が始まったことを知る。その光景はかなり衝撃的なものではあるが、それほど危険なものではない。
次に考えられるのは、軍が上陸し、基地を占拠するという場合。弾薬庫や燃料庫が一掃されれば、沖縄の米軍にはかなり深刻な打撃が与えられることになる。しかし、中国人民解放軍の司令部は、基地を完全に無力化するために、基地を占拠する必要があると考えるかもしれない。沖縄の主要な基地は、嘉手納、普天間、そして那覇の空軍基地と飛行場である。これらの基地で先述のシナリオが展開されれば、民間人にとってより危険なものである。というのも、基地に隣接する地区で市街戦が勃発する可能性があるからだ。
そして3つ目に考えられるのが、核攻撃があった場合である。核兵器が使用されることなどないと保証することは誰にもできないことから、このようなシナリオについても考察する必要がある。いうまでもなく、これは沖縄の人々にとって最悪のシナリオである。400キロトン程度の核弾頭が爆発すれば、およそ2キロの範囲が破壊される。ちなみに、広島の原爆投下では、およそ900メートルの範囲が破壊された。この範囲内では、強固な鉄筋コンクリートの建物が崩壊し、人々は重傷を負う。また放射線被害の範囲、つまり「被曝半径」はおよそ4キロとなっている。
もしも嘉手納基地の滑走路の中央を標的に攻撃が行われれば、基地の北西に位置する嘉手納町全体がこの崩壊圏に入り、「被曝半径」には基地の北にある読谷町の南部、そして基地の南にある北谷町が含まれる。一方、もし普天間飛行場の滑走路の中央を標的に攻撃が行われた場合、宜野湾市はほぼ壊滅状態となるだろう。そして、「被曝半径」には、浦添、中城、北中城が含まれる。
壊滅ゾーンに含まれる居住区を合計すると、その人口は10万人を超え、核攻撃による犠牲者の数はきわめて多数となる。また攻撃が、北東風が吹く冬に行われた場合、放射性物質は沖縄でもっとも人口が過密な、那覇市内に降下する。これが、南東風の吹く夏に行われた場合には、放射性物質は海へと運ばれる。
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飢餓

こうした恐怖に加え、日本の平均的なコメの消費量が1人あたり年間49.8キロで、沖縄の住民は年間およそ73キロのコメを消費するという事実を加味する必要がある。しかも、沖縄では、2021年のコメの生産量は、わずか2120トンであった。沖縄は日本の47都道府県のうち、コメの生産量で46位である。つまり東京の次にコメの生産量が低いのである。
このように、沖縄のコメの自給率は2.8%で、残りは他府県から購入している。つまり、沖縄県民は、本土からの食糧供給にかなり大きく依存しているのである。
もし沖縄で戦闘が起これば、海上の交通手段はストップし、食糧の供給も止まることになる。そうなった場合、住民たちは、開戦時の食糧の貯蔵に頼ることになるのである。貯蔵量が少なく、戦争が長引けば、島民は飢餓に直面することとなる。
最悪のシナリオとして、核攻撃を受け、紛争が長引き、海上の交通が長期にわたって停止し、市民が飢餓に襲われれば、島民の間での被害はさらに拡大する可能性は十分にある。そうなった場合、犠牲者の数は、1945年の沖縄戦の死者を何倍も上回ることになる可能性もある。

戦争が起きたときの計画

ここまで述べてきたことのすべてが、沖縄で懸命の反戦運動が行われている大きな理由である。こうした条件下で、沖縄の民間人は、事実上、戦争が起きた場合の人質になっているのである。そこで、沖縄の人々は、たとえこれが成功をもたらさないとしても、ありとあらゆる手段を使って、この明白なリスクを低減するため努力しているのである。島民たちは、この問題を解決するには、沖縄から米軍基地を無くすことだと考えている。沖縄の人々の意思は尊重されるべきである。
しかし、同時に、現実的な考えも重要である。沖縄は有利な戦略拠点であり、米軍も自衛隊もここから撤退することはない。そこで生じるのが、では、米軍司令部と日本の防衛省は、沖縄の市民を守るために何をしてくれるのかという疑問である。有事の際に、人々を守るための計画があるのだろうか。
もっとも基本的な策として、半年は持ち堪えることができる4万トン以上のコメ、そしてコメを炊くことのできる設備と燃料を貯蔵することが考えられる。また都市およびもっとも危険な地域の住民を、最低限の避難所を備えたより住民の少ない地域へと避難させる計画が必要である。さらに、包囲あるいは突撃された場合に備えた、何らかの市民の避難計画も必要である。
それとも防衛省は、かつての日本と同じように、沖縄の民間人の安全を考えることなく、戦おうと考えているのだろうか?
沖縄県の玉城デニー知事 - Sputnik 日本, 1920, 15.05.2023
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