https://sputniknews.jp/20230726/16639569.html
【解説】米国、小型偵察ドローン「ブラック・ホーネット」を供与 ロシアの対抗策は
【解説】米国、小型偵察ドローン「ブラック・ホーネット」を供与 ロシアの対抗策は
Sputnik 日本
米国は25日、ウクライナに対する4億ドル(約562億円)規模の追加支援を発表した。新たなパッケージには米国からは初めての供与となる小型偵察ドローン「ブラック・ホーネット・ナノ」も含まれる。そのスペックやロシアの対抗策をスプートニクがまとめた。 2023年7月26日, Sputnik 日本
2023-07-26T19:48+0900
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2023-07-26T19:53+0900
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西側諸国によるウクライナへの兵器供与
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米国の追加支援の中身は、大小の対空ミサイルシステム「パトリオット」「ナサムス」「スティンガー」のほか、装甲車「ストライカー」、対戦車ミサイル「ジャベリン」「トウ」、多連装ロケット砲「ハイマース」の砲弾のほか、2800万点の小型軍事関連装備となっている。そのなかには、小鳥サイズの無人偵察機「ブラック・ホーネット・ナノ」も含まれている。スペックとコストブラック・ホーネットは英語で「黒いスズメバチ」を意味し、その名の通り幅約2.5センチ、全長10センチ程度の超小型ドローンだ。ヘリコプターのような形をしており、回転翼の直径は12センチ。重量はわずか17~18グラムとなっている。小型カメラを搭載しており、周囲の写真や映像を撮影することができる。小型であるがため、航続可能時間は25分と限られている。飛行速度は最高で時速21キロと自転車並みで、データ送受信ができる範囲は半径1.6キロとなっている。専用のリモコンで操縦するが、インストラクションは約20分で済むとされる。音も静かで気づかれにくいことから、市街戦での敵陣の偵察用に適している。製造元はノルウェーのプロックス・ダイナミクス社で、2010年代に開発。同社は2016年、米フリアーシステムズに買収された。現在は装甲車両用機器や交通検知システム、消防カメラなど、民生品から軍事用まで、様々な隠密監視システムの開発・製造を手掛けている。1セットあたりのユニットコストは19万5000ドル(約2700万円)と推計されている。2013年に英国防省が160ユニット購入した際の費用が、3100万ドル(約43億円)だったためだ。セットには2機1組の小型ヘリコプターとリモコン、充電器、タッチスクリーンなどが含まれている。法外な値段のように思えるが、1機450万ドル(約6億3000万円)ともいわれる米軍の主力偵察機「RQ-1(プレデター)」と比べれば低価格だ。世界各国が運用ブラック・ホーネットは2011年の登場以降、1万4000機が製造された。開発元のノルウェーのほか、北大西洋条約機構(NATO)各国、アルジェリア、オーストラリア、インド、インドネシア、マレーシア、ニュージーランド、南アフリカなどの軍や警察が運用している。実戦使用が確認されたのは2013年、アフガニスタンでの作戦中の英軍の事例だった。米軍は暗視装置と改良されたナビゲーション装置をつけたアップグレード型を、2015年から海兵隊特殊作戦部隊に導入している。実はウクライナにブラック・ホーネットが供与されるのは、米国が初めてではない。昨年8月には英国とノルウェーが共同で、ウクライナ向けに850機を購入。今年初めには追加で1000機を引き渡した。ロシアの対抗策はブラック・ホーネットはその大きさと隠密性から、従来のミサイル防衛システムを使って破壊することは基本的に不可能だ。だが、至近距離であれば小型の武器、あるいは食料品用のレジ袋を振り回せばなんとかなるかもしれない。露ミサイルメーカー「アルマズ・アンテイ」が開発した専用レーダー「RLK-MTs(バルダイ)」であれば、断面積が非常に小さなドローンを半径2キロ以内で探知、無効化できる。または、携行型対ドローン銃「PARS-S(ステパシカ)」を使えば、半径500~1500メートルの敵機をジャックし、強制着陸させるか出発地点に戻すことができる。それでもうまくいかない場合は、電磁パルスを利用してドローンの制御装置を無効化し、墜落させるための専用ライフル「ストゥポル」で対応することになる。関連ニュース
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ドローン, 無人機, 米国, ノルウェー, 国際, 軍事, ロシア, ウクライナ
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【解説】米国、小型偵察ドローン「ブラック・ホーネット」を供与 ロシアの対抗策は
2023年7月26日, 19:48 (更新: 2023年7月26日, 19:53) 米国は25日、ウクライナに対する4億ドル(約562億円)規模の追加支援を発表した。新たなパッケージには米国からは初めての供与となる小型偵察ドローン「ブラック・ホーネット・ナノ」も含まれる。そのスペックやロシアの対抗策をスプートニクがまとめた。
米国の追加支援の中身は、大小の対空ミサイルシステム「パトリオット」「ナサムス」「スティンガー」のほか、装甲車「ストライカー」、対戦車ミサイル「ジャベリン」「トウ」、多連装ロケット砲「ハイマース」の砲弾のほか、2800万点の小型軍事関連装備となっている。そのなかには、小鳥サイズの無人偵察機「ブラック・ホーネット・ナノ」も含まれている。
ブラック・ホーネットは英語で「黒いスズメバチ」を意味し、その名の通り幅約2.5センチ、全長10センチ程度の超小型ドローンだ。ヘリコプターのような形をしており、回転翼の直径は12センチ。重量はわずか17~18グラムとなっている。小型カメラを搭載しており、周囲の写真や映像を撮影することができる。
小型であるがため、航続可能時間は25分と限られている。飛行速度は最高で時速21キロと自転車並みで、データ送受信ができる範囲は半径1.6キロとなっている。専用のリモコンで操縦するが、インストラクションは約20分で済むとされる。音も静かで気づかれにくいことから、市街戦での敵陣の偵察用に適している。
製造元はノルウェーのプロックス・ダイナミクス社で、2010年代に開発。同社は2016年、米フリアーシステムズに買収された。現在は装甲車両用機器や交通検知システム、消防カメラなど、民生品から軍事用まで、様々な隠密監視システムの開発・製造を手掛けている。
1セットあたりのユニットコストは19万5000ドル(約2700万円)と推計されている。2013年に英国防省が160ユニット購入した際の費用が、3100万ドル(約43億円)だったためだ。セットには2機1組の小型ヘリコプターとリモコン、充電器、タッチスクリーンなどが含まれている。法外な値段のように思えるが、1機450万ドル(約6億3000万円)ともいわれる米軍の主力偵察機「RQ-1(プレデター)」と比べれば低価格だ。
ブラック・ホーネットは2011年の登場以降、1万4000機が製造された。開発元のノルウェーのほか、北大西洋条約機構(NATO)各国、アルジェリア、オーストラリア、インド、インドネシア、マレーシア、ニュージーランド、南アフリカなどの軍や警察が運用している。
実戦使用が確認されたのは2013年、アフガニスタンでの作戦中の英軍の事例だった。米軍は暗視装置と改良されたナビゲーション装置をつけたアップグレード型を、2015年から海兵隊特殊作戦部隊に導入している。
実はウクライナにブラック・ホーネットが供与されるのは、米国が初めてではない。昨年8月には英国とノルウェーが共同で、ウクライナ向けに850機を購入。今年初めには追加で1000機を引き渡した。
ブラック・ホーネットはその大きさと隠密性から、従来のミサイル防衛システムを使って破壊することは基本的に不可能だ。だが、至近距離であれば小型の武器、あるいは食料品用のレジ袋を振り回せばなんとかなるかもしれない。
© Sputnik携行型対ドローン銃「PARS-S(ステパシカ)」
露ミサイルメーカー「アルマズ・アンテイ」が開発した専用レーダー「RLK-MTs(バルダイ)」であれば、断面積が非常に小さなドローンを半径2キロ以内で探知、無効化できる。または、携行型対ドローン銃「PARS-S(ステパシカ)」を使えば、半径500~1500メートルの敵機をジャックし、強制着陸させるか出発地点に戻すことができる。
それでもうまくいかない場合は、電磁パルスを利用してドローンの制御装置を無効化し、墜落させるための専用ライフル「ストゥポル」で対応することになる。