トランプ前大統領、米議会占拠事件で起訴 50年以上の禁錮刑の恐れ

© AP Photo / Evan Vucciトランプ氏
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米首都ワシントンの連邦大陪審は1日、2021年1月の米議会占拠事件を通して大統領選挙の結果を覆そうとしたなどとして、ドナルド・トランプ前大統領を起訴する決定をした。トランプ氏が起訴されるのは3回目で、今回加わった4つの罪状では計50年以上の禁錮刑が課される恐れがある。
起訴状には次のように記されている。

「被告(編注:トランプ氏)と共謀者は、選挙不正に関する虚偽の声明をもとに議員らに選挙結果を承認しないよう呼びかけ、議事堂での暴力と混乱を利用しようとした」

大陪審の陪審員は、「米国を欺く共謀」「公的手続き妨害の共謀」「公的手続きの妨害及び妨害の企て」「権利に反する共謀」の4つの罪での起訴を認めた。トランプ氏は3日、ワシントンの裁判所に出頭が命じられている。
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最大で終身刑も?

トランプ陣営は、新たな起訴について、「政治的迫害であり、2024年の大統領選挙に影響を及ぼそうとするジョー・バイデン大統領による試みだ」と反発している。
米刑法によると、4つの罪全てで有罪となった場合、トランプ氏は50年以上の禁固刑に処せられる可能性がある。内訳は「米国を欺く共謀」で5年以内の禁錮、「公的手続き妨害の共謀」と「公的手続きの妨害及び妨害の企て」がそれぞれ20年以内の禁錮、「権利に反する共謀」で10年以内の禁錮となっている。
しかし、より重い刑も理論上はありえる。事件に関する行為が人の死につながった場合、終身刑に処せられる可能性がある。議会占拠事件では警官とデモ隊の双方に死者が出ている。検察側も今回のトランプ氏の起訴について「議会襲撃の責任者を処罰するため」と述べている。
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これまでの起訴

トランプ氏はこれまでにも2回、全く別の罪状で起訴されている。トランプ氏は歴代大統領経験者の中で、初めて起訴された人物となった。いずれの起訴内容もトランプ氏は否認している。
3月にはニューヨーク市検察が「第1級ビジネス文書改ざん罪」など34件の罪でトランプ氏を起訴。2016年大統領選の前の、元ポルノ女優への不倫口止め料支払いに関する疑惑などが含まれている。支払い自体に違法性はないとされるが、トランプ氏から弁護士への払い戻しは記録上「弁護士費用」とされおり、これが文書の改ざんに相当する可能性がある。
また、6月には大統領退任後に秘密文書を不正に保持していた疑いで、37件の罪状で起訴されている。これはFBI(米連邦捜査局)が2022年8月にフロリダ州マー・ア・ラゴの別荘から国家機密を含む文書300件以上を押収した件に関連している。有罪判決が下された場合、刑期は最長400年にも及ぶ。
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