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【視点】攻勢失敗のウクライナ、米国の戦術を放棄 その背景は
【視点】攻勢失敗のウクライナ、米国の戦術を放棄 その背景は
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... 2023年8月4日, Sputnik 日本
2023-08-04T22:04+0900
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ウクライナでの露特別軍事作戦
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NATO訓練は成果実らずロシアの独立系軍事シンクタンク「軍事政治ジャーナリズムセンター」のボリス・ロジン氏は、6月から始まったウクライナの「反転攻勢」を分析すると、当初は戦車や歩兵戦闘車といった戦闘車両を広範囲で使用することによる前線突破が想定されていた。その後、軽装甲車も含めた部隊が戦闘に参加し、じわじわと領地を回復していくという算段だ。だが実際には、ロシアの地雷原、要塞、戦闘部隊に直面し、目立った成果は出なかった。部隊間の連携不足、西側から供与された装備運用の非効率性、司令官の不足など内部の問題も相まり莫大な損失を出したため、戦術変更を迫られた。ロジン氏はスプートニクに対し「このような大規模な軍事作戦は、長い間どこでも実施されていなかった」と指摘。米国はウクライナ将校に対する西側スタンダードの即席の訓練が実を結ぶと甘く見ていたが、実際は不十分だったということが露呈した。その結果、NATOに訓練された「新鮮」な部隊より、戦闘経験のある退役軍人部隊の方が効率がいいと証明されたという。まとまりのないウクライナ軍米陸軍で20年以上の任務経験がある退役中佐で、軍事専門家のアール・ラスムッセン氏もロジン氏と同様の考えを示している。さらに、もう一つの問題としてウクライナ軍が西側諸国から受け取った装備の「多様性」があると指摘する。また、訓練は別々の場所で、それぞれ異なったアプローチで行われており、想定される戦術にも統一性がないという。さらに、人員不足も問題に拍車をかけている。経験豊富な下士官が少ないほか、ウクライナ政権は路上で「捕らえた」16~65歳の動員兵を戦場に投入している。加えて様々な国からの傭兵も雇っている。こうした状況では軍内の均一性はなく、それに伴う効率性も発揮することができない。こうした不統一性は制空権があればカバーできるものの、ウクライナにはそれもないという。度々戦術を変更ウクライナの反転攻勢はどのように失敗したのか。ロジン氏によると、ウクライナ側は6月、大量の装甲車両でロシアの陣地に体当たりしようとした。だが、ロシアの防御が固く、それに対応している間に行き詰まり、大きな損害を出しながら成果は得られなかったという。その後、砲兵の援護を受けた小隊で攻撃する戦術にシフトした。西側兵器の損失は減った一方で人的損失が増え、やはり進展は見られなかった。これは事実上歩兵による徒歩移動を前提とした作戦であり、ウクライナ軍が目指すとされるメリトポリ、ベルジャンスク、マリウポリの奪還は到底達成できない。ロジン氏は現在、ウクライナ軍は歩兵突撃戦術も使えなくなっているとして、次のように説明する。西側の兵器、外国人傭兵、NATOの作戦支援などがあるにも関わらず、ウクライナ側は反転攻勢を遂行できないことが証明されたと、ロジン氏は指摘する。そのため、この夏に大逆転を期待していた米国やNATO諸国は、パニックに陥っていると締めくくった。関連ニュース
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【視点】攻勢失敗のウクライナ、米国の戦術を放棄 その背景は
ウクライナ軍は西側で訓練を受けた部隊の前進が行き詰まっていることを受け、米国の戦術を棄てて従来の戦法に戻った。米メディアによると、このことは北大西洋条約機構(NATO)の訓練や計画の質、西側諸国の莫大な支援に疑問を引き起こしている。また、ウクライナの突破を望むNATOの期待も裏切られたことになる。この失敗の背景には何があったのか、スプートニクは露米の軍事専門家に話を聞いた。
ロシアの独立系軍事シンクタンク「軍事政治ジャーナリズムセンター」のボリス・ロジン氏は、6月から始まったウクライナの「反転攻勢」を分析すると、当初は戦車や歩兵戦闘車といった戦闘車両を広範囲で使用することによる前線突破が想定されていた。その後、軽装甲車も含めた部隊が戦闘に参加し、じわじわと領地を回復していくという算段だ。
だが実際には、ロシアの地雷原、要塞、戦闘部隊に直面し、目立った成果は出なかった。部隊間の連携不足、西側から供与された装備運用の非効率性、司令官の不足など内部の問題も相まり莫大な損失を出したため、
戦術変更を迫られた。
ロジン氏はスプートニクに対し「このような大規模な軍事作戦は、長い間どこでも実施されていなかった」と指摘。米国はウクライナ将校に対する西側スタンダードの即席の訓練が実を結ぶと甘く見ていたが、実際は不十分だったということが露呈した。その結果、NATOに訓練された「新鮮」な部隊より、戦闘経験のある退役軍人部隊の方が効率がいいと証明されたという。
「例えば西側によって訓練され、完全武装された第47旅団は、前線で最も大きな損害を出した。一方、戦闘経験のある退役軍人を多く含む部隊の質は高く、NATOに訓練された部隊より効率的に活動できている」
ボリス・ロジン
独立系軍事シンクタンク「軍事政治ジャーナリズムセンター」・軍事専門家
米陸軍で20年以上の任務経験がある退役中佐で、軍事専門家のアール・ラスムッセン氏もロジン氏と同様の考えを示している。さらに、もう一つの問題としてウクライナ軍が西側諸国から受け取った装備の「多様性」があると指摘する。
「ドイツの戦車、英国の戦車、米国の戦車を受け取って、それぞれがとても複雑なシステムとなっている。基本的なイントロダクションは1ヶ月だが、戦闘を念頭とした通常の訓練や準備には1~2年かかる。作戦は非常に複雑なもので、ウクライナ兵が投入される状況に即した十分な訓練ができていない」
また、訓練は別々の場所で、それぞれ異なったアプローチで行われており、想定される戦術にも統一性がないという。
さらに、人員不足も問題に拍車をかけている。経験豊富な下士官が少ないほか、ウクライナ政権は路上で「捕らえた」16~65歳の動員兵を戦場に投入している。加えて様々な国からの傭兵も雇っている。こうした状況では軍内の均一性はなく、それに伴う効率性も発揮することができない。
こうした不統一性は制空権があればカバーできるものの、ウクライナにはそれもないという。
「制空権はなく、あるのは突破しなくてはならない地雷原だけだ。つまり、(編注:ロシア兵の)射撃訓練の的になるだけだ。経験を持った兵士は少なく、ほとんどは新兵の状態だ。だから、ウクライナの反転攻勢は『自殺任務』といえる」
ウクライナの反転攻勢はどのように失敗したのか。ロジン氏によると、ウクライナ側は6月、大量の装甲車両でロシアの陣地に体当たりしようとした。だが、ロシアの防御が固く、それに対応している間に行き詰まり、大きな損害を出しながら成果は得られなかったという。
その後、砲兵の援護を受けた小隊で攻撃する戦術にシフトした。西側兵器の損失は減った一方で人的損失が増え、やはり進展は見られなかった。これは事実上歩兵による徒歩移動を前提とした作戦であり、ウクライナ軍が目指すとされるメリトポリ、ベルジャンスク、マリウポリの奪還は到底達成できない。
ロジン氏は現在、ウクライナ軍は歩兵突撃戦術も使えなくなっているとして、次のように説明する。
「ウクライナは今、また戦闘車両を大量に投入する戦術に戻ろうとしている。そのため歩兵の損失は減り、兵器の損失が増えつつある。だが、ウクライナの目的は達成されたとはいえない。
彼らは『最初から一気に前進するつもりはなかった』と言って、あらゆる方法で自分たちの失敗を正当化する方法を探している一方で、ロシア軍の抵抗には触れていない。このことから察するに、ロシア側はウクライナ軍を阻止するために十分な準備を整えている。もっといえば、ウクライナが戦術を変更したところで、ロシア側はそれに備えているので、作戦上の目的を達成するのは困難だろう」
ボリス・ロジン
独立系軍事シンクタンク「軍事政治ジャーナリズムセンター」・軍事専門家
西側の兵器、外国人傭兵、NATOの作戦支援などがあるにも関わらず、ウクライナ側は反転攻勢を遂行できないことが証明されたと、ロジン氏は指摘する。そのため、この夏に大逆転を期待していた米国やNATO諸国は、パニックに陥っていると締めくくった。