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【特集】ロシアで国際仏教フォーラム開催、世界中の僧侶が参集 なぜ現代人は仏教を必要とするのか? ロシアの仏教徒にインタビュー
【特集】ロシアで国際仏教フォーラム開催、世界中の僧侶が参集 なぜ現代人は仏教を必要とするのか? ロシアの仏教徒にインタビュー
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... 2023年8月25日, Sputnik 日本
2023-08-25T18:30+0900
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フォーラム初日には、仏教普及国における仏教教育の発展と国際協力、現代社会と情報空間における仏教の位置づけ、文化・歴史遺産の保護、東洋医学などについて議論が行われた。2日目、フォーラム会場はブリヤート最大の仏教寺院群であるイヴォルギンスキー・ダツァンに移動した。1927年、ある高僧が瞑想状態のまま埋葬され、即身仏となったが、その身体は奇跡的に、まるで生きているかのような状態を保っている。参加者は、彼の不滅の肉体を拝んだ。フォーラムの結果、様々な国の仏教徒や研究者の結束を強めるため、国際仏教研究教育協会の設立に向け準備を進めることになった。さらに、世界中の図書館から仏教に関する資料や書籍にアクセスできる統一システムの開発、仏教学分野の学術雑誌の発行も始まる。なお、ロシアでは近年、仏教の瞑想がもたらす脳への効果について、ロシア科学アカデミーが研究を始めている。なぜ仏教は、現代人にとって魅力的なのか?カルムキア人で、現在はモスクワ在住のドミトリー・オルソフさんに話を聞いた。オルソフさんは、エゴイズムや個人主義が蔓延し、それにともなう孤独感や周囲からの疎外感といった社会現象が起きる中で、仏教の教えを人生に生かすことができると考えている。今年の新年、オルソフさんは初めてインドを訪問し、ダライ・ラマの講話を聴いたり、お釈迦様が悟りを開いたブッダガヤや、世界最古の大学ナーランダ大学跡地など仏教の聖地を巡った。このツアーは毎年行われており、カルムキア共和国からおよそ100人が参加した。ブッダガヤでは、世界中の仏教徒と会うことができた。オルソフさんは日頃の悩みなどを忘れ、新鮮な気持ちで帰国することができた。オルソフさんは都市のライフスタイルについて「仏教において輪廻転生という考え方は最も重要で、今の生が終わっても、次の世に生まれ変わり、心は無限に生きていると思うのです。最近、人生は一度しかないから、というフレーズをよく耳にしますが、生が次の世にも続いていくと思えば、とことん便利さを追求する消費モデル、ライフスタイルは、そぐわないものだと思います」と話している。このような考え方は環境保護など、グローバルな問題の解決にもつながる。現代人が感じている問題意識と、仏教の基本的な世界観には共通性があるのかもしれない。関連ニュース
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【特集】ロシアで国際仏教フォーラム開催、世界中の僧侶が参集 なぜ現代人は仏教を必要とするのか? ロシアの仏教徒にインタビュー
17日から19日にかけて、ロシアのブリヤート共和国ウラン・ウデで、共和国の建国100周年を記念した第一回国際仏教フォーラムが開催された。13か国から600人以上の参加者が集まり、現代における仏教をめぐる意義や諸問題について討議がなされた。多民族多宗教のロシアにおいて、ブリヤート、カルムキア、トゥヴァの各共和国は、その歴史と民族的な背景から、特にチベット仏教が信仰されている地域である。
フォーラム初日には、仏教普及国における仏教教育の発展と国際協力、現代社会と情報空間における仏教の位置づけ、文化・歴史遺産の保護、東洋医学などについて議論が行われた。2日目、フォーラム会場はブリヤート最大の仏教寺院群であるイヴォルギンスキー・ダツァンに移動した。1927年、ある高僧が瞑想状態のまま埋葬され、即身仏となったが、その身体は奇跡的に、まるで生きているかのような状態を保っている。参加者は、彼の不滅の肉体を拝んだ。
フォーラムの結果、様々な国の仏教徒や研究者の結束を強めるため、国際仏教研究教育協会の設立に向け準備を進めることになった。さらに、世界中の図書館から仏教に関する資料や書籍にアクセスできる統一システムの開発、仏教学分野の学術雑誌の発行も始まる。なお、ロシアでは近年、仏教の瞑想がもたらす脳への効果について、ロシア科学アカデミーが研究を始めている。
なぜ仏教は、現代人にとって魅力的なのか?カルムキア人で、現在はモスクワ在住のドミトリー・オルソフさんに話を聞いた。オルソフさんは、エゴイズムや個人主義が蔓延し、それにともなう孤独感や周囲からの疎外感といった社会現象が起きる中で、仏教の教えを人生に生かすことができると考えている。
「現代人には仏教は大変有意義なものだと思います。優しさや同情の心といった、感情的な面での知、知性を発展させることができるのが仏教です。学校での勉強以外にこのような感情面での教育が必要だと思いますし、何よりも重要なのは、憤怒、怒りといった、ネガティブな感情をコントロールする能力を発展させることです。仏教は、単純さ、わかりやすさを持ちながら、時代や社会情勢にあわせて柔軟に対応していく姿勢もあります。また、当たり前とされていることに対し疑問を呈することは悪いことではない、むしろ必要であるとされています。そして、勧誘や無理な布教活動が一切ないことも気に入っています。
私たちカルムキアの仏教徒にとって、ラマ(チベット仏教の僧侶)は、別の世界の人ではありません。彼らはオープンで、こちらが求めれば、時間を割いて生活上の悩みなど個人的な話を聞いてくれたり、仏教について教えてくれます。また、ラマと話さなくても、仏教寺院を訪れると、寺の中はとても美しく、良い匂いがします。1時間半の法要に参加して、マントラの響きを聴きながら心を落ち着けると、それだけで少し良い気分になれます。これは心理セラピーに似ています」
© 写真 : Dmitry Orusovインド訪問 仏教の聖地を訪ね、ダライ・ラマの講話を聴く旅
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今年の新年、オルソフさんは初めて
インドを訪問し、ダライ・ラマの講話を聴いたり、お釈迦様が悟りを開いたブッダガヤや、世界最古の大学ナーランダ大学跡地など仏教の聖地を巡った。このツアーは毎年行われており、カルムキア共和国からおよそ100人が参加した。ブッダガヤでは、世界中の仏教徒と会うことができた。
「数千人のチベット仏教のラマ、それに加えて1万人の仏教徒が一堂に会する様子は言葉で表し難いもので、大変感動しました。これだけ多くの人が一つに繋がっているのです。数千人のラマが同時にマントラを唱える様子に感極まり、思わず涙が流れてきました。その声は、ダライ・ラマの登場とともに、ますます大きくなりました。ダライ・ラマの講話は早朝から行われ、10言語の同時通訳がつき、ロシア語も日本語もありました。エクスカーションで行ったナーランダ大学跡は非常に強くエネルギーを感じる場所でした。ツアー参加者は世界中から来ており、日本人もいました。フレンドリーで皆さんオープン。彼らと話すことはとても楽しく、ポジティブな気持ちになれました」
オルソフさんは日頃の悩みなどを忘れ、新鮮な気持ちで帰国することができた。オルソフさんは都市のライフスタイルについて「仏教において輪廻転生という考え方は最も重要で、今の生が終わっても、次の世に生まれ変わり、心は無限に生きていると思うのです。最近、人生は一度しかないから、というフレーズをよく耳にしますが、生が次の世にも続いていくと思えば、とことん便利さを追求する消費モデル、ライフスタイルは、そぐわないものだと思います」と話している。このような考え方は環境保護など、グローバルな問題の解決にもつながる。現代人が感じている問題意識と、仏教の基本的な世界観には共通性があるのかもしれない。