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【視点】日本はグローバル・サウスとの関係「温暖化」を望んでいる?
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... 2023年9月22日, Sputnik 日本
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経済の支柱探し政治学博士でモスクワ国際関係大学政治学部のキリル・コクティシュ助教授は、今の日本のグローバル・サウス諸国に対する関心は1985年に端緒を発していると言う。ただし、このアジェンダは今、グローバル・サウスが日本に突き付けているのであって、日本がグローバルサウスに物申しているわけではない。グローバルサウスといえば、つい最近まで、西側のイメージでは主に貧困、不平等、周縁性の代表だったが、今では米国グループとその同盟国(日本を含む)、および中国とロシアのどの側も殊更に支持はしない国を指す「地政学ターム」になりつつあるとThe Japan Newsは指摘している。支えのおかげで自信?コクティシュ氏は、自国の経済成長を図るために大胆に独自の選択をする国は今、日本や西側諸国に限らないという。その一例として、ニジェールを挙げている。西側がウクライナにおいてロシアを相手に起こした代理戦争と中国に対する新たな冷戦は、発展途上諸国のこの道を著しく加速化したと、サウスチャイナモーニングポスト紙は指摘している。そして日本もこれをよく認識しており、この傾向を見て、なんとか時流に乗ろうとしているわけだ。中国に対抗する日本は経済の「ジョーカー」を演じる?高等経済学院、世界経済政治学部のヴァシーリィ・カーシン助教授は、日本がまたしてもここで中国抑止的メッセージを発していると語っている。このため、日本がグローバル・サウスとの協力競争で必ずしも中国に勝利するとは限らない。なぜならインドを含め、大半の国が不満を抱えているのはまさしく、西側の大量の資金リソースが貧困問題の解決に充当されているわけではないことが原因だからだ。デイリー新潮も指摘するように、グローバル・サウス諸国は、西側がウクライナ支援に『固執』し、世界の他の問題を無視していることに不満を抱いている。「グローバル・サウスにとってウクライナは『厄介者』になった感が強いが、最も許せないのは西側諸国の支援が同国に集中していることだ」デイリー新潮の記事の筆者はこう書いている。そして、結託した欧米と日本でも見据える投資目的はそれぞれ異なることが明確になりつつある。
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【視点】日本はグローバル・サウスとの関係「温暖化」を望んでいる?
自民党は、グローバル・サウスのプロジェクトに参加するための特別部会の設置計画を発表した。まず第一にこれらの国々は大国(中国、インド、ブラジル、南アフリカ)だが、市場が活発に拡大している他の国々も日本政府から発せられる発言の中で、より頻繁に名前が挙がるようになっている。これらの国々に対する日本の戦略的なビジネス・プロジェクトがなぜ今、出てきているのか。また、グローバル・サウスが特に世界経済と日本経済にとってどのような戦略的・政治的意義を持っているのか? スプートニクはこの点について専門家らに見解を求めた。
政治学博士でモスクワ国際関係大学政治学部のキリル・コクティシュ助教授は、今の日本のグローバル・サウス諸国に対する関心は1985年に端緒を発していると言う。
「ちょうどこの年にいわゆる『プラザ合意』が成立し、米国は日本に通貨切り下げを『強制』しました。この出来事が、この先に起きる日本経済の奇跡の終焉を決定づけたわけです。急激な円高によって、日本の輸出企業は海外市場での競争力を失いました。これで日本経済は徐々に経済大国の特徴を失い、以前の指標を取り戻すことはできず、30年間にわたって停滞を維持したままです。このような状態にありながらも、日本は米国だけを頼りにし続けましたが、今日、突然、米国以外にも支えがあることがわかったわけです。その一例がグローバル・サウスで、これらの諸国はひょっとすると米国よりも頼りになるかもしれないと思い始めたわけです。そのため、日本は『経済の支柱』を多様化しようとしています。米国の同盟国であることに変わりはなく、米国の変わらぬ『政治上のフェアウェイ』でアジアにおける『右腕』でありつづけようとしていますが、経済的なオルタナティブを見つけなければという考えは日本にはあります。これはプラグマティックな選択です」
キリル・コクティシュ
政治学博士でモスクワ国際関係大学政治学部の助教授
ただし、このアジェンダは今、グローバル・サウスが日本に突き付けているのであって、日本がグローバルサウスに物申しているわけではない。
グローバルサウスといえば、つい最近まで、西側のイメージでは主に貧困、不平等、周縁性の代表だったが、今では米国グループとその同盟国(日本を含む)、および中国とロシアのどの側も殊更に支持はしない国を指す
「地政学ターム」になりつつあるとThe Japan Newsは指摘している。
コクティシュ氏は、自国の経済成長を図るために大胆に独自の選択をする国は今、日本や西側諸国に限らないという。その一例として、ニジェールを挙げている。
「たとえば、ウラン原産国ニジェールは前政権時はEU通貨に換算すると1キロ0.96ユーロセントで販売していましたが、今は200ユーロです。この差は200倍。以前の価格は西側優位の価格で、EUはニジェールのシェアをかっさらい、最貧国を出しにして自分が富を得ていたというわけです。ところが今は「グローバル・サウス」の国々にも独自の支点が生まれつつあります。これがあるおかげで西側諸国に対して『挑戦』を挑み、同時に効果的に自国を守ることができわけです。かつてはソ連がそのような支点でしたが、今では中国がより大きな支えとなっています」
キリル・コクティシュ
政治学博士でモスクワ国際関係大学政治学部の助教授
西側がウクライナにおいてロシアを相手に起こした代理戦争と中国に対する新たな冷戦は、発展途上諸国の
この道を著しく加速化したと、サウスチャイナモーニングポスト紙は指摘している。
そして日本もこれをよく認識しており、この傾向を見て、なんとか時流に乗ろうとしているわけだ。
中国に対抗する日本は経済の「ジョーカー」を演じる?
高等経済学院、世界経済政治学部のヴァシーリィ・カーシン助教授は、日本がまたしてもここで中国抑止的メッセージを発していると語っている。
「グローバル・サウス諸国(まず、東南アジアおよびアフリカ諸国)はかなり急速な成長を遂げています。特にアフリカ経済の目覚しい成長率は注目に値します。日本も当然、この傾向を無視することはできません。加えて日本は、アフリカ諸国との優先的な協力関係を中国抑止の一環としてとらえています。これは日本がこの地域で積極的に推しすすめている政策です。ですから日本は、グローバル・サウスとの関係発展では米国と行動を調整する用意があり、中国に対する対抗手段としてアフリカ諸国に協力を提供すると公言しているわけです。
実は経済面では、日本の立場はいつもいつも米国の立場と同一であったわけではありません。例えば、日本は一時期、東京はイランに対してできる限り関係を維持し、独自の立場をとろうとしてきました。以前の日本は、米国が躍起になってすすめる欧米型の『価値観の輸出』、イデオロギー上のアジェンダ推進に丸ごとからめとられていなかったがゆえに、行動に自由がきいていました。日本は米国が『特別な努力』をせず、日本に圧力をかけないところでは独自に行動しようとしています。でも、重要な問題に関しては、東京は常に米国と外交政策をすり合わせています」
ヴァシーリィ・カーシン
高等経済学院、世界経済政治学部の助教授
このため、日本がグローバル・サウスとの協力競争で必ずしも中国に勝利するとは限らない。なぜならインドを含め、大半の国が不満を抱えているのはまさしく、西側の大量の資金リソースが貧困問題の解決に充当されているわけではないことが原因だからだ。
デイリー新潮も指摘するように、グローバル・サウス諸国は、西側がウクライナ支援に
『固執』し、世界の他の問題を無視していることに不満を抱いている。
「グローバル・サウスにとってウクライナは『厄介者』になった感が強いが、最も許せないのは西側諸国の支援が同国に集中していることだ」デイリー新潮の記事の筆者はこう書いている。
そして、結託した欧米と日本でも見据える投資目的はそれぞれ異なることが明確になりつつある。