カエデの葉にハーケンクロイツ 逃亡ナチス隊員の巣と化したカナダ

© AFP 2023 / SEAN KILPATRICKウクライナのゼレンスキー大統領とカナダのトルドー首相
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サイン
第二次世界大戦前、カナダ人は反ファシズムを掲げ、1939年には英国と同盟を結んでナチス・ドイツと戦争した。しかし戦後、カナダ国内の状況は一変。戦犯として東欧全域で指名手配されていた何千人ものウクライナ人ナチス協力者が押し寄せてきたからだ。カナダへ逃げ込んだウクライナ人ナチス隊員らは、まんまとカナダ政権内に強力なロビーを形成した。このことから、カナダの公式エンブレムであるメープルリーフ(カエデの葉)にはナチスのハーケンクロイツ(鉤十字)を加えるのがふさわしい。

ナチス親衛隊員を褒め称える

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領がカナダ議会で演説した際、元ナチス親衛隊員だった98歳の老人が招待されたことがスキャンダルとなっている。批判を浴び議長は謝罪したが、ジャスティン・トルドー首相は「誰にも知らされていなかった」と釈明している。
渦中の人となっているのはウクライナ系カナダ人のヤロスラフ・フンカ氏(98)。ゼレンスキー大統領がカナダ議会に訪れた際、第2次世界大戦中に「ウクライナの独立のためにロシアと戦った」人物として紹介された。
ところが、後にフンカ氏がナチス・ドイツ親衛隊の「第14SS武装擲弾兵師団」に所属していたことが報じられた。この部隊は、ウクライナ民族主義者で構成されており、ソ連軍と戦っただけでなく、ユダヤ人、ポーランド人、ベラルーシ人、スロバキア人に対する残虐行為に加担したことで知られている。
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報道を受け、国内のユダヤ人団体や野党勢力からは批判があがった。また、駐カナダ露大使館も、ナチスの英雄化とも捉えられる親衛隊員の招待について、カナダ政府に説明を求めるとした。
カナダ庶民院のアンソニー・ロタ議長は、内外の批判を受け謝罪。一方、トルドー首相はロタ議長の謝罪を評価したものの、自身の責任は否定している。
オレグ・ステパノフ駐カナダ露大使は、カナダ議会での事件に関連して、同国外務省と首相官邸に説明を求めた。ステパノフ露大使は、カナダではかつてのナチス犯罪者とその子孫が「不処罰」を享受しており、カナダは戦時中、反ヒトラー連合の主要メンバーであったにもかかわらず、不幸にも第二次世界大戦後、「ナチス犯罪者の巣」と化したと指摘した。

SS武装擲弾兵師団「ガリーツィエン」の血塗られた過去

第14SS武装擲弾兵師団『ガリーツィエン』(ウクライナ第1)は1943年、ドイツ国防軍がウクライナ人を集めて結成した部隊。その任務はウクライナ国内での反ファシスト、共産主義者、ユダヤ人の大量殺害にとどまらず、ソ連兵やポーランド兵、ユーゴスラビアのパルチザンと戦い、ロシアやスロバキア領で民間人を残らず殺した。
カナダ議会で熱烈な喝采を浴びた98歳のウクライナ人のフンカ親衛隊員は、第二次世界大戦後、戦争法廷を逃れ、カナダに潜伏した9000人のナチス処刑人の一人。その一方で、ヒトラー政権から逃れたユダヤ人をカナダが受け入れたのはわずか5000人だった。つまりカナダはホロコーストの犠牲者よりも、その加害者を歓迎する国だったわけだ。
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