【視点】「中国と米国は互いの強さを確認している」専門家
2024年4月13日, 20:43 (更新: 2024年4月13日, 20:52)
© AP Photo / Mark Schiefelbein日米比の3か国首脳会談
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日米比の3か国首脳会談が終了し、アナリストらはその主な結果を分析している。彼らは、北朝鮮による相次ぐ大陸間弾道ミサイルの発射実験によって「増大する脅威」の非難や、すべての核兵器保有国に対する核リスク低減に向けた対話実施の呼びかけなど、全世界にとって重要な項目に注目した。また、自由で開かれたインド太平洋地域の保護を口実に米国が二国間、三国間、多国間協力を強化し、中国封じ込めに関する法律上の防衛戦略と事実上の攻撃戦略に各国を引き込んでいることも指摘する必要がある。ベトナム・ASEAN研究センターの研究員パーベル・シャテルニコフ氏は、日米比首脳会談の結果に関する自身の見解をスプートニクに語った。
「現代政治は多くにおいて神経戦だ。中国と米国は現在、互いの強さを確認している。米国は言うまでもなく中国の忍耐力の限界を見つけようとしており、アジア太平洋地域における自国の戦略的地位を着実に向上させ、同盟国のネットワークを強化し、地域におけるあらゆる反中感情を利用している。米日比の3か国の枠組みもその一例だ。
米国は、マルコス・ジュニア氏と岸田氏の親米政権を利用して自分たちの政策への表面上の『絶対的な支持』と力を誇示している。このような政策は中国の弱体化を目的としているため、中国政府は納得できない。一方、国際法の観点からは抗議する理由はない。防衛同盟の構築はあらゆる国家の主権的権利であり、さらにその反中志向について直接語る者は誰もいないからだ」
シャテルニコフ氏によると、アジア太平洋地域の安全保障アーキテクチャは時代遅れであり、もはや時代の要求を満たしていない。
「ASEAN中心性の主な枠組みは約30年前の1990年代半ばにつくられたが、当時はフランシス・フクヤマの『歴史の終わり』と米国を中心とした自由主義的な秩序に基づく普遍的な平和という考えがまだ新鮮だった。私たちの時代では、そのような考えは崩壊しつつあり、米国的な世界秩序は『ブリックス』や『上海協力機構』など、独自の枠組みを構築している多くの国の利益には合致しないことが明らかとなった。私たちは経済的動機が前面に押し出される前例のないグローバル化を目の当たりにしているが、これをどこよりもよく理解しているのが北京だ。
中国はバリューチェーンのネットワークを構築し、その中核となった。一方、ワシントンは冷戦の論理に従って、軍事・戦略的対立、カラー革命、軍備の優位性に賭けている。しかし、こうした手法は変化の風を感じず、自分の『輝かしい』過去に全力でしがみついている、老いてもなお強い指導者の最後のあがきを彷彿させる」