自民党総裁選 候補者らの熾烈な戦い

© 写真 : The Liberal Democratic Party of Japan自民党総裁選 候補者らの熾烈な戦い
自民党総裁選 候補者らの熾烈な戦い - Sputnik 日本, 1920, 21.08.2024
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岸田首相(党総裁)の後任を選ぶ9月の自民党の総裁選の候補者は11人にまで膨れ上がった。
うち5人は現職の岸田内閣の閣僚で、上川陽子・外相、河野太郎・デジタル相、齋藤健・経済産業相、高市早苗・経済安全保障担当相、林芳正官房長官だが、これにさらに、茂木敏充幹事長も出馬する可能性がある。このほか、石破茂元・防衛相、加藤勝信元官房長官、小泉進次郎・元環境相、小林鷹之・元経済安全保障相、野田聖子・元総務相らが立候補を予定している。
新総裁の主な仕事は、自民党に対する有権者の信頼回復に尽きるが、次期首相として直面する課題は、深刻な社会経済問題、軍事とエネルギーの両面から見た安全保障問題、大統領選後の米政権との関係構築など、かなり幅広い。
今回の総裁選では、候補者らは今後の国の発展を賭け、様々な政策案を提示する真の競争となる、とモスクワ大学アジア・アフリカ諸国大学のアンドレイ・フェシュン副学長は語る。
「この国の首相になりうると私が注目しているのは、4人。過去2ヶ月間の世論調査では、一番人気の石破氏。続いて、河野氏、小泉氏、そして最後に林氏だ。
林氏はどちらかといえば保守派の政治家で、安倍晋三元首相の支持層を取り込みたい。米国で学び、インターン勤務の経験もあるという点から見ると、林氏は岸田氏の後継者といえる。
上川氏については、『いつになったら日本に女性首相が誕生するか?』という問いに政治家らは常に、女性首相は必ず誕生する、一年後もしくは二年後に、という答えを繰り返してきた。
このように候補者は多岐にわたっている。だから、彼らがどんな政策発表をするのか、その演説を待って、知る価値はある。2週間もすれば、政策内容が明らかになり、世論調査の結果も出揃うため、各候補者の可能性はより正確に判断できる。総裁選の間、候補者は有権者に向かって演説し、国の政治システムの改革について語ることになる。
第一の争点は、自衛隊で、これを本格的な軍隊にし、米国の軍事指揮システムに結びつける必要性などだ。第二は、意外かもしれないが、同性婚。日本は伝統的価値観の国ではあるが、突然この問題が浮き上がった。同性婚は許され、基本的人権に見合ったものと主張する人もいれば、林氏のように同性婚制度の導入に慎重な人もいる。第三の争点は、高齢化と著しい出生率の低下をどうするか。さて、党内政治と党の信頼回復についてだが、グループ分けはまだ残っているものの、派閥制度解消の試みはすでに行われている。ロシアとの関係について言えば、誰が日本の首相になっても、日本の政治に既成観念として根付いている、ロシアへの否定的な動向は消えることはない。ありうるとしても、その度合いが低まるだけだと思う」
自民党には、国政選挙で確実に党を勝利に導くカリスマ的総裁が必要だ、と高等経済学院、世界経済国際政治学部のオレグ・パラモノフ准教授は話す。
「私見では、石破氏は候補者としては、一連の汚職スキャンダルに関係した『古参の政治家(オールド・ガード)』を連想させるため、総裁にはふさわしくない。小泉氏は年齢がひっかかる。日本の政治組織では、政治家が重要な役職に就けるのは50歳を超えてとされている。小泉氏の人気は今のところ2位ではあるが、伝統的な日本社会において年齢は重要な要素といえる。
さらに次期首相にはもう一つ大事な仕事がある。米国の新政権との対話確立だ。この仕事を託せられるとすれば、上川氏だろう。彼女に人気があるというわけではないが、男女平等を求める声は日本にある。しかも、米国大統領選ではカマラ・ハリス氏が有利になり始めているので、自民党もこれを反映して、首相の座に女性を推してくるかもしれない。茂木氏は、この人もまた汚職スキャンダルと関係がある。防衛相、農林水産相、外務相と豊富な大臣経験を持つ林氏にはチャンスはあると思う」
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