【視点】日本はウクライナ支援継続 西側の路線にそのまま従う

© Japan Ministry of Defense日本はウクライナ支援継続 西側の路線にそのまま従う
日本はウクライナ支援継続 西側の路線にそのまま従う - Sputnik 日本, 1920, 24.10.2024
サイン
10月18日から20日、ナポリで開催されたG7及びNATOの国防相会合で、日本の中谷元・防衛相は、ウクライナのルステム・ウメロフ国防相に自衛隊車両の追加供与を約束した。その具体的な車両については言及していない。2022年ロシアとウクライナの紛争が始まって以降、日本はウクライナに財政的、技術的、人道的援助を行っている。
2024年6月のG7サミットで、岸田首相(当時)とウクライナのゼレンスキー大統領は、日本がウクライナに安全保障、防衛、その他の援助を今後10年間提供することを約束する二国間協定に署名した。同協定についてモスクワ国立国際関係大学、東洋学部のウラジーミル・ネリドフ准教授は「日本の新内閣は、引き続きこの協定に基づく義務を履行するだろう。日本は社会においても、政界においてもウクライナに対する日本の立場については意見が一致しているから」と指摘し、次のように語っている。
‍「日本はウクライナへの支援を、主に欧米諸国から見た日本の国際的地位を高めるための手段と考えている。もちろん石破新首相も日本の国際的役割を高めたいと考えている。だから、日本がウクライナとした約束を反故するようなことはない。そして日本の社会全体が、そうすることが正しく、正義であると信じ込まされるように世論が形成されているから、ウクライナ支援に賛成している。ウクライナ支援に反対する人々は、孤立主義の立場をとっていて、日本は関与すべきではないと考えている。そのうち、平和主義という立場に立つ人は年配の世代には多い、だけど一方で、若い世代は異なる考えを持っている。この世代は、平和主義的な理念や規制はもう十分で、日本もそろそろ、西側諸国のように普通の国になるべきだと考えている。この傾向は、時間がたつにつれ、日本がさらに積極的な外交政策を追求することにつながるかもしれない。けれども、それは常に米国との親密な協力に沿ったものとなる」
2022年3月以来、日本はウクライナに対し、2024年の45億ドル(6780億円)を含む総額120億ドル(1兆8000億円)以上の財政、人道、その他の援助を約束し、提供してきた。さらに、民間団体も可能な限りの支援をウクライナに提供している。例えば、日本のJICA(国際協力機構)は、ウクライナの重要なインフラやエネルギー施設の復旧を目的とした様々なプロジェクトに積極的に関与している。こうした支援は日本にとってはあまりにも負担が大きいのではないか? これについてネリドフ氏は「日本の抱える経済的要因は支援の障害にはならない」として、さらに次のように答えている。
「これは日本にとってはまったく負担になる額ではない。日本の外交政策は昔から国際的な経済援助を非常に重要視している。そして、この場合、日本は紛争に介入するのではなく、ウクライナに対する財政援助を紛争介入ではなく、他の発展途上国に対して行われている援助と同様に位置付けている」
東洋学研究所、現代東洋問題研究センターの専門家ドミトリー・ミレエフ氏は、ウクライナ支援路線は継続されていくだろうと見ている。理由は、自民党は10月27日の選挙を前に突飛なイニシアチブをとることで国民を脅かしたり、混乱させたりしないよう、従来の道を進んでいるからだ。ミレエフ氏は、これはつまり、日本の他の同盟国やパートナーに黙って従うという路線を指すとして、次のように語っている。
「今回の会合は、日本の現防衛大臣とNATO諸国の国防大臣との初の顔合わせだった。中谷防衛相の発言は、欧米のパートナーの見解に沿ったもので、ウクライナ支援という岸田前首相の決定を継続するという石破首相の方針を反映したもの。だが、石破氏は首相就任の前は、政府の対ウクライナ政策を批判していたことに留意してほしい。石破氏は、まず、中国と台湾を支援する勢力との間で深刻な危機が発生する可能性があるとして、台湾周辺の状況に注意を払うよう呼び掛けていた。この問題は最優先事項であり、日本は資源が限られているという視点からも緊急性が高いと考えていた。今、日本の指導者がウクライナ支援を最優先課題の一つとしているのは、それが日本の主要同盟国である米国との団結の象徴になるからだ。米国がウクライナを支援し続ける限り、日本もウクライナを支援する。そうした一方で、殺傷能力のある武器を供与するという点では、この行為は日本国憲法で制約されており、日本の政治家はまだこの境界線を越えたくはない、と考えている。 例えば、米国が保有するミサイルをウクライナに送るために、日本がパトリオットミサイルを米国に譲渡するという問題が提起されたとき、日本国内で大きな議論がおこったのを思い出してほしい」
ミレエフ氏は、最近、日本人の社会意識において、ウクライナの問題は関心を失いつつあると見ている。
「一般的には日本国民は外交政策、つまり国民生活に直接関係のない問題については、世論は原則として国の意見に同調する。外交問題は一般の日本人の関心の外あり、国内問題や経済に関する問題の方がはるかに関心が高い。だから、10月27日の選挙を前に、自民党は従来の路線を選択し、予想外の政策で有権者を驚かし、混乱させないようにしている。つまり、これは、国際問題において日本の他の同盟国やパートナーに黙って従う路線だ」
ニュース一覧
0
コメント投稿には、
ログインまたは新規登録が必要です
loader
チャットで返信
Заголовок открываемого материала