【視点】相互運用性の向上だけじゃない 日米合同軍事演習の目的は力の誇示

© AP Photo / Koji Sasahara陸上自衛隊と米軍
陸上自衛隊と米軍 - Sputnik 日本, 1920, 31.10.2024
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大規模な日米共同演習「キーンソード25」がすでに1週間以上にわたって実施されている。終了は11月1日。演習の目的は、日本が外敵の攻撃から防衛する際の自衛隊と米軍の戦闘準備態勢と相互運用性を向上させることにある。
演習には、両国の陸海空およびサイバーセキュリティの3部門から4万5000人の軍人が参加している。
演習の範囲は、北海道、近隣の島々を含む日本の全領土をカバーしており、根室地方では米海兵隊のHIMARS多連装ロケットランチャーと自衛隊の同様のハイマース(多連装ロケットランチャー)システムを使った実弾演習が計画された。ロシア外務省は、日米の演習がロシア国境付近で行われていることに対し、抗議した。
ロシア高等経済学院、欧州国際調査総合センターのヴァシリー・カーシン所長は、形式上は特に指摘することはないとして、次のように語っている。
「日本人は自国領内で日米安全保障条約の枠内で演習を行っているわけで、十分に法に叶っている。だが、この演習はロシアに対して、明らかにデモンストレーション的、非友好的性格を帯びている。なぜなら友好国であれば、互いの国境に近い場所で演習は行わないからだ。これは、日米がロシアから漂う潜在的脅威を認識し、反撃の決意を示していることを意味する。この演習は、日米がロシアを攻撃することを意味するものではない。むしろ、ロシアの行動に対する拒否と見ることができる。ニュートンの第三法則を使えば、すべての行動には反作用がある。この演習は日露関係に何の影響も与えないだろう。 なぜならば、日露関係はすでに最悪だからだ」
軍事政治学者協会の専門家、アレクサンドル・ペレンジエフ氏は、演習は確かに大規模ではあるものの、これそのものがロシアの憂慮を呼んでいるわけではないとして、次のように語っている。
「米韓日の軍事演習が初めて行われた、今年の夏を思い出してみよう。ロシアの憂慮を呼んでいるのは演習そのものではなく、米国が太平洋地域で次々と軍事同盟を取りまとめ、それに日本、韓国、フィリピン、台湾を引き込んでいることだ。そしてこの演習、AUKUSをはじめとする、こうした同盟は断片的な行為ではなく、一極には米国とその西側、東側の同盟国が、もう片方の極には中国、ロシア、北朝鮮が存在するグローバルな対立へと導く、全体で一つの行為なのだ。そしてこの対立は地政学的性格だけでなく、地経済的な性格をもはらんでいると思う。つまり、これは太平洋の海上航路に対するコントロールをめぐる闘いで、この航路によって北方航路の価値を下げようという試みなのだ。これは、南北間の輸送回廊とその他の輸送通信をめぐる闘いなのである。政治は経済と切り離せない。軍事演習は敵に力を見せつける方法なのだ」
演習には軍事基地だけでなく、一部の民間空港や港湾も使用された。長崎空港では戦闘機が初めて離着陸を行ったため、民間空港が軍に使用されたことに抗議した地元住民の不満を引き起こした。
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