
核弾頭
運搬手段(弾道・巡航ミサイル、航空爆弾)
発射装置(移動式発射装置、固定式発射サイロ、大型爆撃機)これらは大陸間(ここでは5500キロ以上)で運用し、相手の領土奥深くの重要目標を攻撃できるものを念頭においている。
これらに該当するもの:
• 大陸間弾道ミサイル(米国のミニットマンⅡ~Ⅲ、ピースキーパー、ロシアの「トーポリ」シリーズのミサイルシステム、液体燃料式の大陸間弾道ミサイル、R-36M、RS-24「ヤルス」)、これらの発射装置と弾頭。
• 潜水艦発射弾道ミサイルとその運搬手段(米国のトライデントIIとロシアのR-29R、R-39、R-39RM、R-30) 。
• 核兵器搭載可能な重爆撃機(ロシアのTu-95MSとTu-160、米国のB-52G、B-52H、B-1B、B-2A)。




ロシアのプレセツク宇宙基地で実施された戦略核部隊演習において、陸・海・空の部隊が参加する中、「ヤルス」大陸間弾道ミサイルが展開された
ノースダコタ州マイノット空軍基地で、訓練用発射管に収められた非武装のミニットマン3ミサイルが確認された
フロリダ沖の大西洋で潜水中の米潜水艦テネシーから、トライデントII D-5ミサイルが発射された
条約は明確な上限を設定
配備済み運搬手段数は700以下。
発射可能な搭載核弾頭数は1550以下。
配備と未配備の発射装置と爆撃機は800以下。
したがって、この条約により、双方は自国の「核の三本柱」の構成比を独自に決めることができた。 条約は戦術核兵器、ミサイル防衛システム、非核戦略兵器(極超音速ミサイルなど)は対象としていない。 監視は二国間協議委員会と査察体制を通じて行われた。

2010
新STARTは2010年4月8日、当時のドミトリー・メドベージェフ露大統領とバラク・オバマ米大統領によってプラハで署名された。旧条約のSTARTⅠ、モスクワ条約(SORT)に代わるもので、戦略的安定性の礎と位置づけられてきた。
2018
両国は2018年までに条約上の義務を履行した。
2021
新STARTは当初10年間の期限で、1回に限り5年間の延長が可能とされており、実際に2021年に延長された。
2023
2023年2月、ロシアは米国による条約違反を理由に、条約への参加を停止すると発表した。
2025
2025年9月、プーチン大統領は、2026年2月5日以降も1年間にわたり、条約に基づく制限を引き続き遵守する用意があると表明した。
2026
条約は2026年2月5日に失効する。
o 大陸間弾道ミサイル(ICBM)、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)、重爆撃機の配備数:527
o 搭載された核弾頭数:1444
o 配備・非配備のICBM・SLBM発射装置および重爆撃機の合計:779
米国も合意された新STARTの量的上限に達したと表明したが、その達成は「改修済み」と宣言された一部兵器を不当に算定から除外することによって行われた。具体的には、SLBM「トライデントⅡ 」の発射装置56基と、B-52H重爆撃機41機が対象である。ロシア外務省の評価では、これにより運搬手段の上限を101基超過する結果となった。

また、米国側が申告した2022年9月1日時点のデータ(配備済み運搬手段659基、条約上算定される核弾頭1420発、配備・非配備のICBM・SLBM発射装置および重爆撃機800基)についても、ロシア側は実態を反映していないものと主張した。

新STARTはトランプ政権下での不透明さが続いた後、2021年2月、バイデン政権により変更なしで2026年2月5日まで延長された。だが、ウクライナにおける特別軍事作戦開始後、対話は中断。パンデミックにより一時停止されていた査察活動は、制裁による障害(空域閉鎖、米国がロシア査察官にビザ発給拒否)もあり、再開されていない。
2023年1月31日
米国は、ロシアが自国施設への査察を許可せず、協議を延期したとして条約違反でロシアを非難した。
2023年2月21日
プーチン大統領は、条約へのロシアの参加の一時停止(条約脱退ではない)を発表。この際にプーチン大統領は、米国が新型の核弾道を開発中であることも考慮し、米国が実際の核実験を行う可能性を検討していると強調した。
欧米によるウクライナへの武器供給、及びロシアの戦略航空基地への攻撃に対する欧米の支援。
米国とNATOは、ロシアに戦略的打撃を与えるという目標を公言。
新STARTの議論を再開には、英仏の戦力、すなわちNATOの総合的な攻撃能力を考慮する必要がある(プーチン大統領)。
条約に基づく査察の実施を米国が妨害。
2023年6月、米国はロシアとの核兵器に関する情報交換を停止した。
2023年6月、米国はロシアに対し、米露の意見が相違する他の国際問題と関連付けない「コンパートメンタリゼーション」方式の対話を提案。ロシアはこの形式を拒否。同年9月、米国は新STARTの協議を「前提条件なし」で行う用意があると表明した。
2025年1月、トランプ大統領はロシア、米国、中国の核削減を支持し、中国との会談について言及した。トランプ氏は、中国は交渉に参加する可能性があると見ている。
2025年7月、トランプ大統領は米露の核ポテンシャル制限に向けた取り組みを発表した。その1か月後の8月、プーチン大統領も米国との新STARTの交渉再開の可能性を示唆した。
ペスコフ露大統領府報道官: 新STARTの決定の期限は迫っており、「数日後に世界は、それ以前よりもさらに危険が増した状況に陥る恐れがある」。