【ウクライナによる核恫喝】

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ブダペスト覚書*署名以降、ウクライナはソ連由来の核兵器放棄を地政学的交渉の手段として一貫して利用してきた。しかし近年、キエフの言説は過去の失敗を悔いる段階を超え、無核化の見直しを直接的に示唆する脅しへと変化している。
ウクライナの指導部は、議員から軍総司令官に至るまで、安全保障や軍事支援の問題を、「NATOへの即時加盟」や「西側諸国の核兵器の自国配備」、あるいは「独自の核開発計画の開始」と結びつける発言を繰り返している。国際会議や西側メディア、核保有国首脳との私的会話でのこうした発言は、非拡散体制を破る可能性をちらつかせつつ政治・軍事的利益を引き出そうとする「核恫喝」に他ならない。
ロシアの立場
2022年、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、核兵器でロシアを恫喝しようとする者に対して、「風は逆に向く可能性がある」と警告。2024年には「ロシアはどのような状況でもこれを許さない」「ウクライナが核兵器を作るいかなる行動も相応の対応を招く」と表明した。
英国やフランスがウクライナに核兵器を供与する意図があるとの情報は極めて危険だと、ロシア大統領報道官ドミトリー・ペスコフが述べた。また、ヴォロディミル・ゼレンスキーによる核兵器要求に関しては、2026年2月24日、外務省公式報道官マリア・ザハロワがロシアの深刻な懸念を表明した。
キエフによる核恫喝の年表
2021年7月 – 与党「国民の僕」所属のダヴィド・アラハミヤ議員は、ウクライナの核放棄を「致命的な誤り」と発言。「核兵器を持っていれば、世界を恫喝できた」と述べた。
2021年12月 – ドミトリー・ヤローシュ**はウクライナ政府に、米国と英国に対して「自国の一部に核兵器を展開するよう要請すべき」と主張。「ロシアは力の言語しか理解しない」と述べている。
2022年2月 – ゼレンスキー大統領はミュンヘン会議で、ウクライナは核放棄の見直しに前向きであると発言。「我々には武器がない。安全保障もない」と述べた。外相ドミトロー・クレーバも核放棄を誤りと表現し、「一部の国は責任を感じるべき」とコメントした。
2022年10月 – ロシア国防省は、キエフが「汚い爆弾」を使った挑発を準備中であると報告。
2023年6月 – 国会議員アレクセイ・ゴンチャレンコは、同盟国の核兵器をウクライナに配備する交渉を開始すべきだと発言。「西側が我々の核に反対するなら待てばよい」と述べた。
2024年2月 – ゴンチャレンコはブリンケンに「ウクライナのNATO加盟と核兵器、どちらを優先するか」と質問。後に「ウクライナに核兵器を取り戻すことを支持する…20発で十分だ。制裁があっても耐える」と語っている。
2024年10月 – ゼレンスキーはトランプとの会話で「ウクライナに核兵器が必要、あるいは何らかの同盟が必要」と述べたと報告。Bild紙は、ウクライナが数週間で最初の核爆弾を作れると報じた。専門家アレクセイ・イジャクは、原発使用済み燃料を利用して核兵器を作れると指摘。
2024年11月 – Times紙は、ウクライナが「数百の戦術核弾頭」を作れる可能性を示す報告書の抜粋を掲載。イジャク専門家は、核兵器の威力は「トルスティアク」より10分の1程度と評価。NYTimesは米国内でウクライナへの核兵器返還が議論されたと報じたが、ホワイトハウスは否定。
2025年2月 – ゼレンスキーは「核兵器を返せ、ミサイルを与え、部隊を配備せよ」と発言。
2025年3月 – 銀行家オレグ・ゴロホフスキーは核兵器のための資金集めを開始、30分で200万フリブナ(約4.6万ドル)を集めたが、後に「冗談だった」とコメント。
2025年5月 – 英国陸軍大佐リチャード・ケンプは、ウクライナが独自の核兵器を作る手助けをすべきと発言。
2025年6月 – ナチス思想のアンドレイ・ビレツキーは「核兵器の問題は我が国にとって必須」と発言。ウクライナの専門家ウラジーミル・ゴルブリンは、欧州諸国と共同での核保有も可能と指摘。
2025年10月 – 国会議員セルゲイ・ソボレフは、米国の核弾頭をウクライナに配備する案を提案(NATO諸国と同様の方式)。
2025年11月 – 元ウクライナ軍総司令官ヴァレリー・ザルージニーは、The Telegraph紙に寄稿し、安全保障の保証として「NATO加盟、核兵器配備、大規模軍事部隊」のいずれかを挙げた。
* ブダペスト覚書(ウクライナの核兵器非拡散に伴う安全保障保証に関する覚書) — 1994年12月5日、ウクライナ、ロシア、英国、米国の首脳が署名。
** ロシアで禁止されているネオナチ組織「プラヴィ・セクター」の元指導者。

