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開催地、メガスポルトアリーナの受け入れ準備は万端。国際基準に則り8層の氷が敷かれ、テレビ局の要望により灰色に染められている。1万4000人の収容人数を誇るアリーナは多くの選手にとって馴染みがある。2011年にここでフィギュアスケート世界選手権が行われたのだ。ロシアは男女シングル競技にそれぞれ3名、そしてペアとアイスダンスに各3組を送り出す。
欧州選手権開幕を前にスプートニクは、欧州そして世界選手権で多くの金メダルを獲得し、五輪の優勝経験も持つロシア・フィギュアスケート連盟のアレクサンドル・ゴルシコフ会長に話を伺った。1976年、ゴルシコフ氏と妻でありパートナーのリュドミラ・パホモワ氏は、オーストリア・インスブルック五輪で、初めて正式種目として実施されたアイスダンスで金メダルを獲得した。
スプートニク:昨年12月に名古屋で行われたグランプリ・ファイナルには、鮮やかなスター選手のエフゲニア・メドベージェワと羽生結弦はけがのため出場を見送りました。そこでアジアの選手は、ロシアや西方の選手の非常に強力な対戦相手になることを示しました。アジア選手がいないなか、欧州選手権でロシア選手の主なライバルになる選手は誰でしょうか?
スプートニク:ロシアのフィギュアスケート代表の振付師を務める有名なイリヤ・アベルブフ氏は、ロシア選手が次回五輪のシングルでトップ3を独占する可能性があるという見方を示しました。平昌五輪でのロシア選手にどれほどのチャンスがあるとお考えでしょうか?
スプートニク:リュドミラ・パホモワ氏とのペアは当時、エレガントな演出で観客と審判を魅了し、欧州ないし世界選手権を何度も優勝し、後には五輪の金メダルも獲得しました。ゴルシコフさんの「タンゴ・ロマンチカ」が五輪の課題曲に組み込まれたのも理由があってのことですね。この成功の秘訣は何でしょうか?
ゴルシコフ氏:成功の要因は多くあります。それは常に行うトレーニングや自己修養、パートナー間の相互理解、音楽の解釈、そしておそらく、インテリジェンスでしょう。個人的に私は、パートナーの支えとなり、踊りを率先する役になることで、パートナーを最も良い状態で示すことを自身の課題にしていました。
欧州選手権は国際スケート連盟が毎年行う4つの大会の中で最も古い。初めて開かれたのは1891年、ハンブルクのことで、当時は男性シングル競技だけだった。女性シングルとペア・スケーティングは1930年の選手権プログラムで登場。ロシア帝国で行われた最初の欧州選手権は1908年、ワルシャワで開かれ、ロシア2度めの選手権はサンクトペテルブルクで1911年に開催された。