安倍首相 「日露関係は、最も可能性を秘めた二国間関係」

22日、日本で通常国会が始まり、安倍首相が施政方針演説を行った。安倍首相は、安全保障や経済改革の継続など日本政府の今後の優先事項を発表した。安倍首相はロシアとの関係にも触れ、「日露関係は、最も可能性を秘めた二国間関係」だと述べた。両国にはどのような可能性があるのだろうか?またそれらは今年実現されるのだろうか?通信社スプートニクは専門家たちに意見を聞いた。
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安倍首相は施政方針演説で「北方四島での共同経済活動、八項目の経済協力プランを更に前進させ、日露の結び付きを深めます。長門合意を一つひとつ着実に進めることで領土問題を解決し、日露平和条約を締結する。プーチン大統領との深い信頼関係の下に、北朝鮮問題をはじめ、国際社会の様々な課題について、協力する関係を築き上げていきます」と述べた(日本外務省ホームページより引用)。

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その前提条件として安倍首相が考えているのは、プーチン大統領との深い信頼関係だ。両国には多くの問題で意見の相違が残っているが、プーチン大統領と安倍首相は両国関係の発展に向けた路線を取り続けている。モスクワ国際関係大学東洋学科長のドミトリー・ストレリツォフ教授はこのような見方を表し、次のように語っている-

「日本では、同国政府が促進するロシアでの経済プロジェクトが政治的課題の解決に貢献しなければならないという立場が圧倒的に多い。両国の違いは特にクリルでの共同経済活動へのアプローチにおいて明らかだ。日本は領土主権を主張するための更なる根拠を得るために『北方領土』における自国の経済的プレゼンスの強化を目指している。だがロシアにとっては、同地域に投資を呼び込むことのほうが重要だ。なお、それは必ずしも日本の投資でなければならないというものではない。

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一方、地域及び世界の安全保障分野では共に協議する必要のある問題が両国にはたくさんある。それは核兵器とその運搬手段の拡散、軍事的安全保障を話し合うための有効な多国間協議の形式づくり、軍事分野における信頼醸成措置などだ。ロシアも日本もテロやサイバー犯罪、安全な航行、環境保護などを含む非軍事的安全保障に関する連携に関心がある。

また今年2018年は『ロシアにおける日本年』と『日本におけるロシア年』が開催され、両国の文化を普及し、イメージを改善するためのイベントが数多く予定されている。日本で2017年10月に行われた衆院選の結果による安倍政権の継続と、2018年3月のロシア大統領選挙で予想されるプーチン大統領の勝利は、両首脳の努力によってつくられた両国関係のその政治路線の維持を可能とするだろう」。

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国民経済・行政 アカデミー国際関係学部のイリーナ・トミニカ学部長は、露日経済協力の重要性を数値化された指標のみで判断してはならないとの考えを表し、次のように語っている-

「ハイテク製品市場でのリーダーという役割を失いつつある日本は、今、インフラ事業への参入という自国の新たな地位を他の国に提案している。そしてこれはロシアと日本の経済協力に幅広い展望を開いている。ロシアにおけるインフラ施設の建設と近代化のニーズは膨大だ。そして同分野には両国政府の支援を受けた日本企業の参加事例がすでに存在する。

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例えば、都市環境の近代化廃棄物処理分野だ。言うまでもなく、ロシアは、例えば医療など、特に極東で日本企業が産業インフラや社会インフラ分野に導入できる管理ソリューション、投資、技術に関心がある。日本企業にとっては商用製品をつくるための共同研究プロジェクトを実現する上でロシアの科学技術的ポテンシャルを利用することは興味深いかもしれない。また宇宙探査や同分野で両国が築き上げた協力の経験も将来性がある。

例えば、ロシアのロスコスモスと日本のJАХАが国際協力の形で参加予定の火星探査プロジェクトなどだ。また露日の経済関係で比較的新しい話題は、農業分野かもしれない。日本へ輸出するためのものも含め、日本の技術と資本を用いてロシアで大豆、野菜、果物を栽培するためにアムール州の土地を貸し出す可能性について話し合われている。このような協力の形態が貿易や投資指標の数値を著しく上昇させることはないかもしれないが、これらはインフラ整備、各国の貿易関係の多角化、科学技術ポテンシャルの利用に貢献することができる」。

安倍首相は、5月に開かれるサンクトペテルブルク国際経済フォーラムと、9月にウラジオストクで開催される第4回東方経済フォーラムに招待されている。

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