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最も輝かしいタイトルを持ったヴィクトル・アン選手は自分の母国である韓国で誇り高くそのキャリアに幕を引くことを望んでいた。アンチドーピング規則に違反したと疑われる選手名簿にアン選手の名前は挙げられていない。「なのになぜ、彼がほされたのか?」韓国人ユーザーらは驚きを隠していない。
ニュースポータル「ナヴェル・スポーツ」のユーザー名「sm10**** 」さんは、「五輪まで残すところあと2週間弱という時に…。もしアンが五輪にいけないのなら、なぜそれを前もって知らされなかったのか?」と今更の決定を疑問視している。
ユーザー名「チウマム 」さんは「IOCは単にロシア人選手の大多数を参加させないつもりらしい…。残念だ」とため息をついた。
アン選手がロシア選手団の一員としてドーピング規則に違反したという説が浮上したことで、アン選手を嫌う人々はここぞとばかりに愚弄し始めた。
一方でヴィクトル・アン選手の支持者には味方するだけのれっきとした論拠がある。«y721****»さんの弁はこうだ。
「アン・ヒョンス(ヴィクトル・アン)を糾弾する奴は正真正銘の悪党だ。彼が祖国を捨てたんじゃない。祖国が彼を捨てたんだ。この場合、一番の元凶は朝鮮スピードスケート連盟だ。それに国だってあの時はアンを守ってやれなかったじゃないか。そんな時にあなたたちなら自分の国を捨てず、他の国の旗のもとに五輪に参加しないだろうか? そう考えたら、アンを悪く言う理由は皆無だ。」
ユーザー名「ジョナサン」は「どの記事を読んでも彼がドーピングをやった証拠があるとは書かれていない。やった可能性があるという指摘だけだ。これがもし韓国の仕返しなら、国際レベルで大きな恥だ。」
ファンの多くは公式的な説明を要求しており、最終リストを待ちわびている。ヴィクトル・アン選手の出場禁止のニュースは日本のファンの中にも波紋を広げている。ツィッターではこんな意見があげられた。
「ロシアには一貫して厳しい姿勢なのに韓国・朝鮮にはルールまで平気で変えてるのはどうしてよ。」
「北朝鮮を無理やり押し込んで、今さら黒も白も(編集注:ドーピング疑惑の有無)あるか。ロシアも無理やり入ってこい。」
22日、IOC委員会はモスクワでロシア・オリンピック委員会代表との会合を開き、平昌五輪へのロシア人選手の参加問題を話し合った。翌23日に公開された、出場が許可されないロシア人選手の名前の中にヴィクトル・アン選手もあった。
ロシア下院(国家会議)体育スポーツ観光青年問題委員会のミハイル・デグチャレフ委員長はこの事態を受け、IOCはロシア人選手らを平昌五輪に参加させない理由をしかるべく説明すべきだという声明を表した。