日本沖の超火山の危険性は?地質学者が予測

神戸大学海洋底探査センター (KOBEC)はこの2年で3回、九州からおよそ50キロの海底にある鬼界海底カルデラの調査を大学の練習船「深江丸」で行った。鬼界海底カルデラは大型の海底噴火で形成された。論文は科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に9日、掲載された。
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カルデラでは直径10〜13キロ、高さ600メートルで約32〜40立方メートルの体積を持つ溶岩ドームが見つかった。海底を調査することで研究チームは、溶岩ドームが成長しており、音響的な異常が見られ、水中プロセスの水熱的活発度が上昇しているとの結論に至った。こうした状況からは、中国、韓国、北朝鮮沿岸に到達する極めて強力な津波を引き起こす噴火が起きる可能性があるという。こうした火山の噴火の結果は、7300年前に水中火山が九州の縄文文化を消滅させたことに匹敵する可能性がある。

2013年夏、鬼界海底カルデラで最後に弱い揺れが観測され、その後弱い噴火が起こり、数時間の間噴火は続いた。2015年には神戸大学海洋底探査センター (KOBEC)が設立された。

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鬼界海底カルデラの噴火は100年間で1%ほどだと見込まれているにも関わらず、研究チームは、できるだけ早く研究を続けることが不可欠だと述べる。3月、大規模活動が再開される。火山形成プロセスを研究し、溶岩の蓄積速度を特定する方針だ。そのために、海中ロボットの使用が予定されている。

スプートニクの質問に対してKOBECのセンター長、巽好幸教授に答えていただいた。

スプートニク: 神戸大 (KOBEC)の研究チームが2016年から2017年にかけて海底調査を行っていました。この調査に着手する理由は何でしたか。鬼界カルデラのアクテイビテイ兆候が発見されましたか。

巽教授: 火山噴火、特に超巨大噴火の予測を実現するには、マグマ溜りの位置と大きさ、形状を正確に把握し、モニタリングすることが重要です。マグマ溜りをイメージングするには、人工地震を用いた広域な地下構造探査が必要不可欠ですが、人口の密集する陸上では困難です。一方海域では人工震源を船で曳航しながら探査を行えます。そこで、日本列島で唯一海域に存在し、しかも最も直近(7300年前)に超巨大噴火を起こした「鬼界カルデラ」をターゲットにしました。超巨大噴火の兆候があったわけではありません。

スプートニク: 発生メカニズムの解明と噴火予測の検討が喫緊の課題だと記事に書いてあります。なぜこの課題は喫緊ですか。「今後100年間に約1%」の確率は相当的に高いというふうに理解してもいいですか。

巽教授: この発生確率は、阪神淡路大震災や熊本地震の「前日」における地震発生確率と同程度、すなわち明日起きても不思議でない「高い確率」です。にもかかわらず、超巨大噴火に関しては、災害としての認識もありません。

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スプートニク: 海底火山と地上火山の活動は似ているか、それともずいぶん異なっていますか。

巽教授: 海底火山では、マグマ水蒸気爆発が起きたりするので噴火活動は多くの場合陸上よりも激烈になります。ただ、超巨大噴火に関しては、火砕流の発生や火山灰の飛散など、起きる現象はそれほど変わらないと思われます。

スプートニク: 地球温暖化とか北朝鮮による核兵器-原爆テストは鬼界カルデラのアクティビティに影響を及ぼせますか。一般的に火山のアクティビティに影響しうるファクターは何ですか

巽教授: 火山活動に最も大きな影響を与えるものの一つが、地盤の応力状態です。例えば3・11以降、東北から関東にかけては、圧縮状態から引伸状態に地盤の状態が変化し、それに伴って(シャンパンの栓を開けた時に溢れ出すように)火山活動が活発化する可能性があります。ご質問のようなファクターは、ほぼ無関係と思われます。

さらに、海底火山の噴火についてスプートニクに、ロシアの火山学者アレクセイ・リュブシン氏が次の見方を示した。

「大規模な地質学的災害には再発期間があり、これは数十万年というタイムスケールです。時には何百万年もかかることがあるので、これが私たちが生きている間、そして次の2〜3世代でさえ起こる可能性はごくわずかです。しかし、たとえこのようなことが起こったとしても、火山はすぐには爆発しません。 火山の目覚めはかなり遅いプロセスで、数日から数ヶ月間続くことがあります。 大気は徐々に火山の噴出物で満たされ、科学者はこうした場合、火山の冬が訪れると予測します。人々には準備する時間が出来ますが、何に対する用意かはよく分かりません。 他にも危険があります。 たとえば、気候が大きく変化して、畑で何も育たなくなります。 そして、全人類の生存の問題は本当に大きな問題になるでしょう。 しかし、超火山の爆発の間隔が非常に長いことを考えると、文明はおそらくこの間に大きく発展して、こうした問題に容易に対処できるようになるでしょう。 あるいはそれとは逆に、自らを滅ぼすかもしれませんが。」

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