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姫田氏に会うためにモスクワの映画館「ズヴェズダー(星)」に訪れた人は誰でもアニメキャラクターになるのを試みることができた。アニメキャラクターに変身するためには、まずその両端に姫田氏のアニメキャラクターが並ぶ大きなスクリーンの中央に立つ。その後、映画撮影のように監督の声が響き渡り、活気にあふれたステージが始まる。スクリーンの中ではキャラクターたちが音楽に乗って動き始め、中央に立つ人は自分の想像力と芸術的才能を駆使して彼らの動きに合わせる。姫田氏は動きを連携させる。その様子をカメラが撮影し、その他の参加者たちは、「新米俳優」を全力で応援する。
人前に出た人々は、はじめは子供も大人も動きがぎこちなく、控えめだが、次第に撮影は楽しくて生き生きとしたお祭りに様変わりした。数時間後には編集を終えた動画を大きなスクリーンで見ることができた。またイベントの主催者は、動画をユーチューブに投稿することも約束した。
姫田さんのアニメやその他の多くの作品がユーチューブで公開されており、自由に見ることができる。姫田さんのホームページは、創造性と子供らしさの見本だ。
姫田さんはスプートニクのインタビューで、モスクワの印象などについて語ってくださった。
スプートニク:姫田さんは日本や外国でもこのようなイベントを開催されているんですか?
姫田さん:この映像のワークショップは主に日本でやっていて、それをモスクワの方が偶然ネットで見てくださり、是非モスクワでもやってもらえないかとオファーをくれまして、今回開かれました。
スプートニク:今日の大人や子供の参加者たちはどうでしたか?
姫田さん:すごく上手です。本当に。日本でやるとその場の雰囲気などで変わったり、みんな恥ずかしがったり、大人が恥ずかしがると子供も恥ずかしがったりとかするんですけど、むしろモスクワでは子供がみんな上手で、みんな自分の表情の出し方とかを知っているような気がして、本当にびっくりしました。
スプートニク:アニメを制作するようになったきっかけは何ですか?
スプートニク:姫田さんのホームページは子供らしさにあふれていて、姫田さんの中にもまだ男の子が住んでいるのかなと感じました。
姫田さん:どうなんですかね。僕の作品は歌とか踊りとか割りと賑やかめなものが多いような感じがするんですけど、僕自身は普段はおとなしい、静かなやつでして。だけどなんか多分どこかに歌ったりパフォーマンスしたいなっていう気持ちがあって、それを作品にやってもらってるっていう感覚はありますね。普段の生活では発散できないことを作品のアニメーションの中で代わりにやってもらうことで気持ちが楽になるというか、そういう感じはありますね。
姫田さん:普通の日常生活の中で気になったもの、気になった言葉とか、キーワードだったり、絵でもなんでもいいんですけど、その中で自分が一つ見つけたら、それを勝手に自分の中で自由に膨らませてストーリーにしていきます。
スプートニク:ロシアに来る前にロシアのアニメや映画などについて何かご存知でしたか?
姫田さん:チェブラーシカとかノルシュテインさんとか、そういったアニメーションをそんなにロシアと思って観ていなかったけど、やっぱりロシアの作家さんなんだなって事を今回ロシアに行くことで改めて知りました。チェブラーシカは授業でも観てましたし、ノルシュテインもそうですけど、昨日チェブラーシカを特別に持たせてもらって、それを実際に持てるなんてとても思っていなかったので本当に感動しました。
姫田さん:日本人からするとみんなカッコよくてきれいですね。スタイルもいいし。そういう人たちが僕のこの変な映像の中に入ってくれるのはすごく嬉しくて、僕の中で今日の映像は貴重なものになるんですけど、結構みんなノリよくやってくださるので、僕が助かってますね。
スプートニク:姫田さんの今後の計画やおもしろいアイデアなどはありますか?
姫田さん:僕の普段のアニメーションをただ上映するんじゃなくて、僕が歌いながら上映するという活動はよく日本でもやっています。
姫田さんの今回のモスクワ訪問は国際交流基金の招待で叶った。
今年はロシアと日本の交流年。チャンスがあればまた是非、姫田さんにロシアに来てもらいたい。