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4月初頭、スペイン南部ムルシア州の海岸で体長10メートルの死んだマッコウクジラが見つかった。胃の中からは約30キロのプラスチックなどのゴミが見つかった。ゴミが腹膜炎を引き起こしクジラを殺した。この事件はゴミ対策と海洋でのプラスチック除去キャンペーンの新たな波を呼んだ。
世界の海の汚染問題は世界的な危機になりつつある。国際連合環境計画(UNEP)のデータによると、毎年800万トンのプラスチックごみが海に流出。海鳥や海洋哺乳類が死ぬ原因になっている。状況に変化がなければ、2025年までに海中を泳ぐ魚3トンにつき1キロのプラスチックが浮かび、2050年にはプラスチックのほうが多くなる。国際NPO団体「オーシャン・クリーンアップ」の算出だ。
米カリフォルニア大学の環境学者の算出によると、プラスチックの工業生産が始まった20世紀中頃からプラスチック80億トン以上が作られており、生産量は年々伸びている。しかしリサイクル率は9%に満たない。さらにプラスチックごみの12%は燃やされて有毒物質を大気中に放出する。残りの79%は埋め立てに使われたり、海上に蓄積している。
環境汚染問題は長い間当局が行動を起こさないために深刻化している。4月、モスクワ郊外の諸都市ではごみ廃棄場に反対する集会が開かれた。住人たちは地元当局に対し、環境や大気を汚染するごみ廃棄場の問題を解決するよう要求。ロシアのプラスチックごみは全固形廃棄物のうち約6%を占めるが、金属やガラス、タイヤ、紙、ダンボールと並び再生原料として利用する方法が存在する。
ウリヤノフスクの企業「プラストリスルス(プラスチック・リソース)」のエフゲニー・マトロソフCEOはスプートニクのインタビューに対し、次のように述べた。
最近、国際研究グループが、ペットボトルの原料であるポリエチレンテレフタラート(PET)を分解できる酵素に関する中間研究成果を発表。この酵素は最初、大阪府・堺市のリサイクル工場から見つかった。この酵素は、PETをエネルギー源とする「Ideonella sakaiensis」バクテリアから作られる。チームは酵素を改良し、「PETase」と名付けた。PETaseはわずか数日でPETを分解し始める。この発見は、プラスチックゴミのリサイクルにおける革命につながる可能性がある。比較のため、自然界ではプラスチックは100年かけて、そしてポリエチレンフィルムは200年かけて分解される。