日本・ロシアフォーラム、モスクワで開催 「ロシアに親しみを感じる日本人、まだ少ない」

27日、「日本・ロシアフォーラム2018」が毎日新聞とロシスカヤ・ガゼタ(ロシア新聞)との共催でモスクワ市内のホテルで開催された。企業関係者や政府機関の代表者のほか、200人を超える観光業を中心とした代表団も訪露した。フォーラムは今回で4回目、2015年以来3年ぶりの開催となった。
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自民党の二階俊博幹事長は講演の中で、日本人の多くは、ロシア人に会ったこともなく、ロシアに行ったこともないのに、ロシアは遠いと思い込んでいると指摘し「人的往来が低い水準にとどまっているのは、ロシアに親しみを感じる日本人がまだまだ多いとは言えないことに一因があるのだろう」と述べた。

二階氏は、今年は日露交流を深めるまたとないチャンスだと強調し、日露間の人的交流を日中間のレベルにまで引き上げたいと意欲を示した。また、二階氏は自民党とロシアの与党「統一ロシア」との政党間交流も積極的に進める姿勢を示し、講演後にメドベージェフ首相と会談した。

二階幹事長、メドベージェフ首相と会談

経団連・日本ロシア経済委員長の朝田照男氏(丸紅会長)は、ロシアに進出する日本企業の率直な意見として、極東のインフラ整備促進、極東の経済特区における税制優遇期間の延長、投資後のアフターケアの充実など具体的な改善点を挙げた。

5年ぶり日露経済合同会議:ビジネス環境が改善しても、ロシアへの投資が伸びない理由とは?
また現行ではルーブル安によるリスクが非常に大きいことを指摘し、日本企業に安心材料を与えるよう、ロシア側に要望した。

フォーラムの枠内で、人材育成に関する有識者会議や、観光・極東、エネルギー開発、都市開発など分科会が開かれた。セクション「社会システム:都市開発、IT、サービス」においてToshiba RUSの手塚博昭社長は、顔認証システムをロシア企業にライセンス供与するほか、大いに成長が期待できる分野として最新のバッテリーソリューションをロシア側に提案中であると明かし、幅広くロシアの社会インフラに貢献していく姿勢を示した。NTTコミュニケーションズロシアの清明(せい・あきら)社長は、日露間のIT分野では互いに情報を共有する仕組みが必要であり、プログラミングの優秀さなど、ロシアの強みがもっと日本でも認識されるべきだとの見解を示した。ウラジオストクの再開発を手がける日建設計の中分毅(なかわけ・たけし)副社長は、駅周辺とウォーターフロントの一新により、ロシアの玄関口、歴史文化都市としての魅力を強化したいと話した。

セクション「社会システム:都市開発、IT、サービス」

昨年8月からウラジオストクでは電子ビザ制度が導入され、ロシアの他地域よりも簡単に訪れることができるようになっている。しかし沿海州・観光発展課のナジェージダ・ウドヴェンコ課長によれば、この制度を利用して沿海州を訪れた日本人はまだ2200人程度にすぎないという。

ウドヴェンコ氏「最初は制度の周知に時間が必要です。韓国とのビザ免除のときもそうで、ビザ免除は2014年からでしたが、観光客が飛躍的に伸びるまで一年以上かかりました。また、電子ビザの信頼度が低いのか、本当に入国できるの?と考えて、制度があっても利用せずに通常のビザを取る人もいます。日本人の皆さんには、どうか安心して使ってもらい、週末を利用して気軽に遊びにきてもらえたら嬉しいです」

フォーラムに参加した喜代村(すしざんまい)の木村清社長もまた、ウラジオストクの再開発に関係する一人だ。「ウラジオストクには魚市場ができます。いつでも新鮮な魚が食べられるような環境を作り、ゆくゆくはモスクワにも広げたい」と話している。

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