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ロシアは多民族国家であり、国内には160以上の民族が暮らしている。多くの民族は自分たちの言語を持ち、独自の信仰を持っている。
法律上、ロシアは世俗国家であるため、信者数に関する公式統計はない。あるのは世論調査のデータだけだが、これはかなりの矛盾をはらんでいることが少なくない。
全ロシア世論調査センターの調査によると、ロシアの宗教構成は次のようになっている。
• 正教 75 % (人口比)
• イスラム教 5 %
• カトリック 1 %
• プロテスタント 1 %
• ユダヤ教 1 %
• 仏教 1 %
• その他宗教 1 %
• 「信仰はあるが、特定の宗教には属していない」 3 %
• 無宗教 8 %
• 「信仰と無宗教の間で揺れている」 5 %
• 答えられない 1 %
ルーシの洗礼
ロシアの歴史を通して、正教は社会と文化の発展に大きな影響を与えてきた。今日に至るまで、正教を信仰するロシア人の生活の一定の側面は、正教によって定められている。
正教には、他の宗教と同様に、多くの儀式があり、信者らはどの日に何をしなければならないのかを記した特別な暦に従って生きている。宗教上の祭日には、教会でミサが行われる。では、正教で最も鮮やかな伝統と休日を見てみよう。
降誕祭
12月25日にクリスマスを祝うカトリックとは異なり、正教では1月7日に降誕祭を祝う。調査によると、2018年にはほぼ4分の3のロシア人がこの祭日を祝った。この日、正教の信者は真夜中のミサに出るため教会に行くことになっている。しかし、降誕祭を祝う人々のうち、教会へ足を運ぶのは平均で5分の1にすぎない。ほとんどのロシア人にとって、降誕祭は宗教的な祭日というよりは、良き家族の伝統なのである。若者は実家に戻り、両親、祖母、祖父とともに降誕祭のテーブルを囲む。ロシアは世俗国家であるにもかかわらず、降誕祭の日はかならず休日である。
洗礼祭
斎は正教の信者の生活において重要な役割を果たしている。年間を通して多くの斎があり、そのうち最長のものは2月中旬に始まり、4月上旬まで続く。 斎の期間は、肉、乳製品、卵、魚を食べることは禁じられており、また感情をコントロールしなければならない。この時期には、喜び、怒り、悲しみなどの強い感情に身を任せるのは控えた方がいい。
復活祭
この日、人々は伝統的に鶏卵を染色して絵付けを行い、友人や親戚に配布する。また、多くの人が復活祭の伝統的なケーキであるクリチを焼くか購入する。卵とクリチは、他の人と分かち合う前に教会に持っていき、聖職者に清めてもらわなくてはならない。
正教会とイコン
ロシアには膨大な数の教会がある。教会はすべて正教建築の伝統に従って建てられている。正教会の特徴はドーム屋根とその上に置かれた十字架である。内装はさまざまで、シンプルな木製の教会から金や絵画で豊かな装飾が施された教会に至るまでいろいろなものがある。
どの教会にも必ずイコンがある。イコンとは祈祷に使用される聖人の絵である。いくつかのイコンは奇跡を起こすイコンと呼ばれており、病気を癒やしたり、仕事を見つけたり、子どもを授かったりするのを助けると考えられている。多くの人々がこうしたイコンに祈りを捧げるために教会を訪れるが、それは必ずしも必要ではない。イコンは家に保管されていることも非常に多く、中には事故に遭わないように車の中にイコンを置いている人もいる。
洗礼、婚礼、葬儀
正教の信者の人生では、結婚式、子どもの誕生、葬儀などの重要イベントはすべて教会とつながっている。結婚式の日には、新郎新婦が教会を訪れ、聖職者から幸せな家庭生活を祝福してもらうことができる。葬儀の日には、死人の魂が天国に行くのを助けるために、聖職者が棺の上で特別な祈祷を行う。
多くの親が赤ちゃんを教会に連れていき、洗礼の儀式をしてもらう。洗礼の儀式では、聖職者が神聖な水の入った洗礼盤で子どもを沐浴させる。その際、子どもには十字架がかけられ、子どもは正教の信者となるのである。多くの信者は一生この十字架を手放すことがない。
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