ウラル生まれの「かぐや姫」が日本にやって来る

ロシア西南ウラル地方のクルガン市にある人形劇場ガリバーによる劇『夜に輝く』が日本で2つの芸術祭に参加する。8月9日に長野県飯田市で開かれる国内最大級の人形劇の祭典と、「第13回 シアターΧ 国際舞台芸術祭2018 」の一環で東京の劇場、シアターХ(カイ)で8月11日に上演される。
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かぐや姫を基に創造された『夜に輝く』はロシアと日本のスタッフの力を合わせた労作。台本・演出は西村洋一氏が、人形美術・舞台美術は渡辺数憲氏が、ロシア人の人形遣いを指導する人形演出は人形遣いの黒谷都氏が担当した。演劇は大成功を収め、2016年にはロシアでもっとも権威ある舞台芸術の賞「黄金のマスク」にノミネートされた。

演劇制作と日本行きの経緯について、劇場「ガリバー」のエレーナ・トレチヤコワ総監督がスプートニクに語った。

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「2014年、私たちがもう数年間開催している国際人形劇祭に日本からの人形劇場が訪れました。そして私たちにも観客にも彼らの劇がとても気に入り、西村洋一監督に日本のテーマで共同の演し物をしようと提案したところ、賛成してくれました。ベースには日本の有名なかぐや姫のお話を採用しています。特別なポリマークレイと特別な機構を持った人形で私たちにはないものだったので、日本の名人が私たちの人形遣いに人形を操る訓練を行いました。人形は木で出来た張り子で、演劇のためにわざわざ日本から運ばれてきました。こうした人形を操る技術を習得するには時に数ヶ月、もしくは数年を要します。私たちの劇場の人形遣い、タチヤナ・コーキナはこの課題を最小限の期間でこなすことができ、練習はわずか1ヶ月で終わりました。メインとなる人形のほかに、日本の芸術家によって作られた2つのマスクも登場します。」

スプートニク:この演劇が日本公演に選ばれた理由は何でしょうか?

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エレーナ・トレチヤコワ総監督:「選んだのは私たちを招待した日本側です。実は、この劇は難聴の方に向けて特別に作られたもので、ほとんど音無しで進み、時にタンクドラムのエキゾチックな音による伴奏が入るのみです。このために選ばれたのかもしれません。ロシア人が演じる日本のお話に日本の観客が興味を持っているのかもしれません。日本入りの前に私たちはみなもちろん、とても緊張しています。ですが祭典の経験は多くありますし、そばには日本人の監督や芸術家がいてくれます。そのため、全ては素晴らしく上手くいくと思います!」

クルガン市の「ガリバー」はロシア最古級の劇場。ガリバーが開催する祭典にはドイツ、セルビア、フィンランド、イタリア、トルコ、フランス、日本など各国からの人形劇団が訪れる。2020年にはガリバーの舞台で第5回国際人形劇祭「飛翔の夢」が行われる。

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