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すでに若くない人を容易ではないロシア語習得に駆り立てたものは何か。留学を決意したきっかけ、そしてなぜ太平洋国立大学を選んだのか、松本さんがスプートニクのインタビューで語った。
スプートニク: なぜスウェーデン語などではなくロシア語を学ぼうとしたのですか。
スプートニク:なぜハバロフスクを選ばれたのですか。
松本さん: 去年の8月、太平洋国立大学で1週間のサマースクールがありました。これは日本ロシア友好協会が去年初めて企画したもので、それに参加しました。午前中は授業を受け、午後は観光でした。そして1週間過ごしたハバロフスクをすごく気に入ったことがきっかけです。実は今年も7月末に1週間このプログラムが開催されますが、それに参加し、みんなと一緒に東京に帰ろうと思っています。
スプートニク: 同じコースに通う他の生徒との関係はいかがですか。
松本さん: フェイスブックや電話番号をお互いに交換した人は何人もいますが、私はもう70歳で他の人は18歳なので、彼らから見ると私はおじいちゃんなんですね。そのため、もちろん仲良くなりましたが、お友達という感じの人は半年いましたが、それまででした。
松本さん: 一応、日本で文法をかなり勉強して、入ったクラスが初級なので、先生はロシア語だけしか話しませんでしたが、内容はわかりました。宿題もたくさんありましたが、ちゃんとこなしました。最後の試験が先月6月にありましたが、「秀(5)」でした。嬉しかったですね。
スプートニク: これからもロシア語の勉強は続けるおつもりですか。
松本さん: もちろんです。どういう風に続けるかは、帰国後にゆっくり考えます。というのも、学生寮に通って学校に毎日通うのはとても楽で、住み心地がいいんですが、寮に住む学生としか話せず、この半年はなかなかロシア語を話せるようになりませんでした。そのため、何か仕事と勉強を両立し、ハバロフスクで暮らせると上手くなるかと考えています。
松本さん: 去年8月にハバロフスクに来たのが初ロシアだったんですが、飛行機で東京から3時間という近さでヨーロッパのような街があるとは今まで思いませんでした。また、東京と全然違い落ち着いて綺麗な街で好きです。
スプートニク: 太平洋国立大学と早稲田大学を比較してもらえますか。
松本さん: いいなと思うところは、留学生の数が多いことです。900人近くいて、多くは中国からですが、韓国や、北朝鮮からもいたことには驚きました。ベトナムやアフリカのシエラレオネ出身の方もいました。
スプートニク: 1970年代、コンピューター時代の夜明けにIBMに入社されましたが、テクノロジーの発展についてどう評価しますか。
松本さん:素晴らしいですね。生活が変わりました。例えば、コンピューターのおかげで、例えば安くて良い自動車が大量に作れて、銀行も24時間お金を下ろせるようになりました。これからも発展を続けていくと思います。
松本さん: ロシアと日本を比べると、GDPなど経済の数字だけを見ると日本のほうがお金持ちだが、ロシアの人は貧しくないですね。ロシアの人はダーチャ(訳注:多くのロシア人が所有する別荘)を持ち、この時期ならベリーを採集します。また、何度かお邪魔したことがありますが、自家製のワインやはちみつなどをご馳走していただきました。何週間も休みを取ってダーチャでそうした豊かな生活を送ることは、東京ではできません。つまり、お金で比べると日本のほうが多いですが、実際の生活ではロシアの人たちは豊かだと思います。それが羨ましかったです。違うライフスタイルですね。日本の若い学生や会社を辞めた人は、ロシアに来てしばらく過ごした方が良いと考えています。そうすることで、日本の良い点も見えてくると思います。
松本さんは目標へと向かう力とエネルギーを与える生きがいを感じたのかもしれない。もしかすると、次のような歌詞のロシア語の歌にただ従ったのかもしれない。「老いは家で私を見つけない。私は道中、私は道程に…」
最近、松本さんは太平洋国立大学で最高評価の「5」とともにロシア語コース修了証を受け取った。松本さんの肖像画が「インスピレーションを与える外国人留学生の模範」として太平洋国立大学の栄誉名簿を飾っているのには意味がある。