専門家ら、本物のICOを詐欺プロジェクトから見分ける方法を語る

2017~18年にかけて、最も普及し議論されている専門用語の一つとなっているのが、「ICO(Initial Coin Offering、新規仮想通貨公開)」だ。クラウドファンディングにおけるこの手法は、多くの国々で公式的には実施されていないが、そのことが各企業にとって、資金集めを始めたり、新たなプロジェクトを開始したりすることの妨げにはなっていない。
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スプートニク日本

ICOとは、デジタル貨幣の最初の割り当てのことであり、資金を調達したいと考える各企業が実施する。IPO(新規株式公開)とは異なり、企業は株式の代わりに、いわゆるデジタル「トークン(貨幣)」を発行する。ICOには、数セントであっても出資することができる。このようにして、任意のプラットフォームに仮想通貨のウォレットを持っている人は誰でも、投資家になることができる。

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格付け会社「ICORating」のデータによると、2018年の初め以降、およそ680件のプロジェクトがICO実施に成功し、全体で約88億5千万ドルを調達した。別の格付け会社「DigRate」の最新データでは、2018年に約1200件のICOプロジェクトが既に実施された。そのうち、無事に資金調達を完了したのは635件、およそ50%に過ぎず、調達された資金の総額は198億ドルだった。一方で、残りのプロジェクトは、必要な資金額を集められずにICOに失敗したか、あるいは詐欺であることが判明した。

「ICORating」と「DigRate」両社の専門家らはスプートニクに対し、投資に値するプロジェクトを偽のICOからどのように見分けるべきか、そして詐欺師が仕掛けた罠にかからないためにはどうするべきかについて語った。

デジタル資産の評価を行っている格付け会社「DigRate」の創業者、アルセーニー・ポヤルコフ氏は、「一番大事な答えは、理解できることに投資せよ、ということだ。立派な構想の大部分は、現実には、残念ながら、実現可能ではない。プロジェクトのうち大部分は、お金を集めるという目的だけでICOを実施しており、投資家らに資金を返却する明瞭なモデルを有していない」と語っている。

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ポヤルコフ氏は、市場では現在、提示されているICOプロジェクトの80%以上が、そもそも初めから、言明した目的を実行しようとしていないか、あるいは単に、そのような目的を実行できる状態にないと語り、「残った20%のうち、大部分の(プロジェクト)創始者は、必要な経験やチームを持っておらず、自分たちの専門分野を立証できるようなことを何もしなかった。残るのは僅か1~2%のICOプロジェクトで、これらのプロジェクトは投資目的で深く分析する意味を有している」としている。

専門家らは投資家に対して、詐欺師が仕掛けた罠を回避するためには、まず第一に、自分が何のためにプロジェクトに投資し、その結果として何を受け取りたいのかを理解するようアドバイスしている。ポヤルコフ氏は、「最大の罠は、過大な期待だ。残念ながら、ICO市場におけるプロジェクトの99%は、失敗を運命づけられている。もし、全てが素晴らしいように見えたら、もう一度よく見てみるべきだ。実現可能なプロジェクトを持つ立派なチームというものは、クラウドファンディングを通してお金を集めることが非常に稀であり、投資家らにとっての収入が発生するのは、さらに稀なことだ」と述べている。

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また、ポヤルコフ氏は投資家に対し、全ての書類に基づいてプロジェクトに関する自主的な分析を行い、メディアからの情報だけを基にせず投資についての決定を下すよう助言している。ポヤルコフ氏の話では、詐欺師らは常に自らの知識や技能を向上させており、プロジェクトのウェブサイトやデザイン、マーケティングの開発、またSNSでのグループ運営に自分自身の資源や時間を投じることを恐れない。「なぜなら、資金集めが成功した場合、自分たちの出費が何回にもわたって埋め合わせられるということを、詐欺師らは理解しているからだ」と、ポヤルコフ氏は説明している。

投資家はまた、プロジェクトのテクノロジー的特性に対しても注意を向けていくべきだ。例えば、全プロジェクトがブロックチェーン技術を必要としているわけでは全くない。取引の全ての詳細が記載され、投資家らの安全を確保するスマート・コントラクトの存在が、それとは反対に、不可欠であるにもかかわらずだ。開発チームのメンバーが誰か、ということはかなり重要だ。プロジェクトのウェブサイトで紹介されている人々が実在の人物なのか、大企業とのパートナー関係をその企業が有しているというのは実際のことなのか、といったことだ。

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ポヤルコフ氏は、「資金集めのリミットに制限がなかったり、リミットが明らかに高過ぎたり(例えば、あるチームが、1つのアプリケーションを開発するために2億ドルを集めたい)というような場合、そのことは想定される詐欺の兆候であるか、あるいは、プロジェクト開発にどれ程のお金が自分たちに必要なのかをチーム自身が分かっていないことを示している可能性がある。どちらの場合でも、潜在的な投資家にとって疑問を引き起こすものであるはずだ」と説明している。

プロジェクトのマーケティングがあまりにしつこいものであったり、他のプロジェクトの情報やデータ、構想、あるいはコードが盗作されていたりすることも、詐欺的ICOの兆候であると、ポヤルコフ氏は付け加えている。

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