3回目の南北首脳会談 制裁解除なしでの成功は、事実上達成できない

3回目となる南北首脳会談が、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)で9月18日から20日まで開催される。これについては、聯合ニュースが韓国の文在寅大統領の特使の話として伝えている。
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文大統領と北朝鮮の金正恩委員長による交渉の議題には、板門店宣言の内容の段階的実現が含まれている。この文書は、両首脳による初会談の結果、非武装地帯(DMZ)内の板門店で、4月27日に両首脳によって署名された。「朝鮮半島の平和と繁栄、統一のための板門店宣言」と題されたこの文書は、軍縮及び鉄道と経済協力の発展に関する協力、DMZの平和地帯への移行、離散家族の再会などを含んでいる。

南北、軍当局間の緊急通信線を復旧
南北両政府は7月末、DMZにある複数の警備所の撤去を議論した。この地帯には、北朝鮮側に160カ所、韓国側に60カ所の警備所がある。韓国は当時、北朝鮮との境界線近くの兵力を削減する意向と、遺骨がDMZ内に眠る兵士らの改葬問題に関する北朝鮮政府との理解到達について発表した。

だが、南北朝鮮による接近の土台となるべき主要な領域として残っているのは、経済協力だ。長年、その象徴となっていたのは、南北両政府間の関係悪化後の2016年2月に閉鎖された北朝鮮国内の開城工業団地だった。南北は現在、その復活に関して積極的な作業を進めている。将来の経済協力プロジェクト立案のための共同事務所が、ちょうど来たるべき首脳会談に向けて開所した。

しかし、専門家らは、来たるべき首脳会談の見通しについて、楽観の程度がより低いものとみている。ロシア戦略研究所の朝鮮半島専門家、ロマン・ロバノフ氏の見解によると、今回の首脳会談から何らかの重大な、突破口となるような措置を期待する意味はないという。「北朝鮮政府も、韓国政府も、対話を継続させようという考えを持っている。しかし、半島における緊張状態の明らかな低下は、北と南の間のあらゆる形式の経済協力を困難にする対北朝鮮制裁の緩和にはつながらなかった。韓米両政府内では制裁の撤廃を急いでおらず、このことが北朝鮮側にとって疑問を引き起こしている。イメージしやすいように言うと、南北関係の状態は、土台や杭を使わずに不安定でじめじめした土壌の上に建てられた家にたとえることができる。そのような家の状況は、地盤の振動によって左右されることになる。南北関係の状況も全く同様で、政治情勢に対して極めて従属した関係にある」と、ロバノフ氏は指摘している。

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南北首脳会談に関する懐疑的な見方は、ロシアから招聘されたアンドレイ・ランコフ国民大学(ソウル)教授によっても示されている。「韓国政府も、北朝鮮政府も、首脳会談で何らかの具体的な経済的合意に署名したいと考えているだろうが、これを行うことは両政府にはできない。というのは、2017年に承認された国連による制裁が、事実上あらゆる共同経済プロジェクトを違法なものにしているからだ。南北双方は、制裁がサッカーの試合も、ポップグループのコンサートも禁止していないことの恩恵を受ける形で、友好関係の保証や文化交流に関する合意に甘んじる公算が大きい。南北両政府がより先へ進んでいくためには、制裁が見直されるか、あるいは少なくとも、2016年の水準に戻されることが不可欠だ。しかし、制裁の緩和は、簡単ではない問題だ。例えば、国連の安全保障理事会によって承認されている制裁の見直しは、全ての安保理常任理事国がこのイニシアティブを支持する場合にのみ、実現可能だ。ロシアと中国は、制裁の緩和に反対していない。だが、今は、米国による同意が不可欠だ」。

金委員長は数日前、トランプ米大統領に宛てて書簡を送り、その中では、両国首脳間の次の会談を準備することが提案されている。制裁解除に対し北朝鮮指導者が抱く期待にトランプ大統領が応えるかどうかは、まだ答えがないままの問題だ。

南北朝鮮の初の連絡事務所がケソンで開所
しかし、北と南による接近の道中には、制裁が恐ろしくない展望がある。例えば、文大統領は8月、北朝鮮の領土を経由してシベリア鉄道と欧州に出る貨物輸送を整備するため、北東アジアに「鉄道共同体」を創設することを提案した。そして、ここでは、ロシアが自らの役割を果たすことができる。しかも、朝鮮半島縦断鉄道のシベリア鉄道への連結だけではなく、2016年に韓国政府が離脱した露朝両国の物流プロジェクト「ハサン・羅 津」への韓国の復帰についても話題になっている。ロシアのモルグロフ外務次官は、9月12日に閉幕した東方経済フォーラムの場でこれを呼びかけた。モルグロフ次官によると、3カ国によるプロジェクトの準備作業については、このプロジェクトが国連安保理による制裁の外にあるため、直ちに今、開始することが可能だという。

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