「日中は何よりもアジア太平洋地域における主導権を争っている。そして中国は次世代通信規格『5G』の世界市場において首位を走っている。日本がIT分野における外国からの関与を一部規制するよう以前に法を改正していれば、中国から不利益な反応が返ってきただろう。だが今、中国は米国からの深刻な圧力で、やや方向性を失っている。そのため日本は自国の立場を強めようと打って出ている。同法に具体的な国名は明記されていない。だがファーウェイに関する米国の明白なメッセージを考慮すると、革新的なIT分野への関与が望まれない国はどこか、容易に察しがつく。正式にはファーウェイは国営ではない。しかし、政府が管理していることは知られている」
セキュア・インターネット連盟のデニス・ダビドフ会長もまた、日本政府が急遽規制を決定したわけではないと指摘。規制には、日本と合意のもと精査された米国の戦略が伺える。これは、中国がトップ集団にいるIT分野で中国の「急成長」に少なくともブレーキをかけることを狙っている。
「ファーウェイをブラックリストに載せる際、同企業は米国家安全への脅威だとされた。だがこの決定は政治ではなく純粋な経済だ。トランプ氏によるファーウェイに関する決定に対し、米多国籍企業からすぐに肯定的な反響が届いたのは偶然ではない。こうした企業のためにこそ、トランプ氏は中国を取り除いて場所を空けたからだ。つまり、米国が中国からのスパイ行為や情報流出を懸念しているとの論拠は、むしろ狡猾な口実だ。スノーデン事件は数年前すでに、全世界をかなりの長期間にわたり監視し、かなりの成功を収めているのは米国だと示した。対象には日本も含まれており、同地でスノーデン氏は米コンピュータメーカー大手デルの社員として働いた経験があり、日本人に対する大規模な監視を暴露した」
一方、ハイテク産業で中国に対抗する米戦略を支持することは、日本にとってコストを伴う。
ヤルィギン氏は、日本政府の新たな規制によって、日本企業がIT分野からの外国資本の流出という形のコストを負う可能性もあると指摘する。
「規制法には、関与が好ましくない国の名前や企業を明記したリストがない。つまり、リストの拡張、新たな検査基準の設定、承認済みの外国からのIT分野への関与許可の取り消しすら可能だ。こうした条件では長期投資はリスクになる」
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