遠征は、ゼムリャフランツァヨシファ(フランツ・ヨーゼフ諸島)を発見したユリウス・パイヤーがその書籍『北極の氷の中での725日』に記したコースをたどっている。
セイウチは水中で攻撃的な行動を取り、ゴムボートを攻撃しようとしている。
男性の1人がセイウチをオールで追い払おうとし、ボートは急いで出発する。
ロシア地理学協会のメンバーとドキュメンタリー映画制作者のレオニード・クルグロフ氏によると、セイウチは岸から200メートル離れた場所で突然攻撃してきた。雌のセイウチは、近くに偶然現れた遠征隊から子どものセイウチを守ろうとしたものとみられている。
クルグロフ氏は「初めセイウチは船首部分を突いた。我々は氷の塊にぶつかったのだと思った。状況を確認している間にセイウチはボートの反対側へ泳いで移動し、ちょうど私が座っていた部分を突いた」と振り返っている。
ゴムボートは収縮し始め、乗っていた人々はオールでセイウチを追い払おうとし、セイウチによる攻撃を主力船に報告、ボートから水をかき出しながら1本の空気ボンベで岸に到着した。岸では救助に駆け付けたボートが待機していた。