露日交流年がついに終了 果たしてその成果はいかに!

2018年5月にスタートした露日交流年がいよいよ終わった。露日交流年の閉会式は2019年6月、大阪G20に合わせて実施された露日首脳会談の場で執り行われた。文化交流において記念すべき年となった2019年はロシアと日本の両国民にどんな成果をもたらしたのか。昨年の主要な交流イベントを振り返ってみよう。
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年齢とともにアニメへの関心が薄れても、日本への愛は残る
「予想外に素晴らしかった。」1月24日と25日の両日、モスクワのクレムリン宮殿で上演された舞踏劇「サムライ ノブナガ」を多くの観客はこう高く評価した。公演は日本の史実にもとづいたもので、武将の織田信長が天下統一を決意するストーリー。


2月11日から15 日にかけて、ロシア最大規模の食品見本市「プロド・エキスポ」がモスクワ市内で開催された。約70国から出展者が集まり、日本からは新潟県の食料品、飲料、キッチングッズなどが紹介され、バイヤーやレストラン関係者、一般客などで賑わった。


写真がどのように再会を助けたか 日本とロシアの写真の100年の歴史
5月28日、モスクワ市内の大型ショッピングセンター「アトリウム」で、日本の食品やコスメ、日用品などを扱うスーパーマーケット「NIPPON」(ニッポン)のオープンイベントが開かれた。アトリウムはロシアでユニクロ一号店が開店した場所としても知られ、日本文化の体験イベントが時々開かれている。ニッポンはこれまで、住宅街を中心に展開していたが、大型ショッピングセンターには初の出店となる。スプートニクは、勢いにのるニッポンの創業者、ロマン・ファデーエフ社長に話を聞いた。


5月末、ノヴゴロド州メドヴェージ村郊外で恒例の発掘調査が行われた。この調査は日露戦争(1904-05)時に抑留された日本人捕虜の旧墓地で進められている。発掘調査は現地のボランティアや発掘調査隊、教職員、生徒の手で行われ、東京ロシア語学院の藻利佳彦学院長が全体の指揮を執っている。今回はこの発掘調査に「スプートニク日本」のリュドミラ・サーキャン記者も加わった。

ロシアで人気のアニメ「マーシャと熊」 日本をテーマにした新シリーズがネット上で大人気


7月27日、大阪のロシア総領事館で露日交流イベント「Club ソビエト」が開催された。オーガナイズ側は、日本に住むロシア人とロシア文化に関心を抱く日本人が文化交流するものとして、このイベントは従来とは全く異なるフォーマットになると語った。


「ワルワーラ・ブブノワ:ロシア・アヴァンギャルドと日本の伝統」と題された個展がモスクワでスタートした。この展示会では、ブブノワが日本で活躍した時期に製作した作品が公開されている。残念ながら、ブブノワが手がけた作品の多くは1923年の関東大震災や、後の東京大空襲で焼失してしまった。米軍機はブブノワの家だけでなく、アトリエをも焼き尽くした。残された作品はロシアやそのほかの国の美術館、または個人コレクションの形で保存されている。そこでスプートニクの特派員は、数奇な人生を歩んだブブノワの個展に足を運び、その印象をまとめた。

芸術の殿堂マリインスキーで輝く日本人バレリーナ、飛躍の軌跡


8月17日、東京都写真美術館で才谷遼氏のドキュメンタリー映画『ユーリー・ノルシュテイン《外套》をつくる』の上映が始まった。この作品は、監督がロシアの著名なアニメーション作家を訪ねてモスクワを訪れる、一風変わった旅を綴ったもの。ニコライ・ゴーゴリの短編小説をモチーフにした長編アニメ映画 『外套』の制作開始から40年近く経った今、ノルシュテイン氏がどうして本作を未だに完成できないのかを探ることが旅の目的なのだ。


10月に『ロシア文化事典』が日本の「丸善出版」社から出版された。同書は「歴史」や「信仰」、「学術・技術」、「食」、「文学」、「映画」、「音楽」、「ロシアと世界」、「ロシアと日本」といった分野で編成されており、合わせて362項目から構成されている。テキストの作成には200人を超える著者が参加。価格は一般読者には高めの2万円。

日本アニメのロシア展開、現状と課題:ロシアの配給会社、ジェトロ商談会に参加


ロシア人剣道家のオリガ・ストレリチェンコさん(大阪大学大学院在籍)が、9月28日に都内で行われたWFWP女子留学生日本語弁論大会全国大会で見事一位に輝いた。今年は200人以上が参加。決勝にはオリガさんを含め、地方予選を勝ち抜いた8人が選ばれた。オリガさんは、「武道を通じての人間形成」をテーマにスピーチした。剣道を始めたきっかけや武道とスポーツの違い、日本人も知らない剣道の精神やルールについて、真剣に、そして笑いを交えながら語り、聴衆の心をつかんだ。


ロシアの芸術の殿堂・マリインスキー劇場といえば、文化の都であるサンクトペテルブルクを思い出すが、実はマリインスキーには「別館」がある。日本からも近いロシア極東のウラジオストクにある、沿海地方劇場だ。この夏、ドイツのキール劇場バレエから移籍し、ソリストとして迎えられたのが、日本人バレエダンサーの加藤静流(かとう・しずる)さん。9月には「ドン・キホーテ」でバジル役を演じ、今月には「海賊」のコンラッド、「くるみ割り人形」の王子でデビュー予定と、入団間もなくして次々と主役に抜擢されている。


「カルチャーショックだった」 ロシアのオペラ歌手が東京の新国立劇場で上演された『エフゲニー・オネーギン』について語った
11月25日、在ロシア日本大使館とロシア歴史協会の共催で、ラウンドテーブル「日露関係の歴史における輝かしいページ」がモスクワで開催された。このイベントの特別ゲストとなったのは、島根県江津市和木町に住む小川斉子さんと、在ロシア米国商工会議所会頭のアレクシス・ロジャンコさんだ。今から114年前、日露戦争の最中だった1905年5月28日、ロシアのバルティック艦隊「イルティッシュ号」が江津市の和木真島沖で遭難し、地元住民が命がけで265人の乗組員を救助した。このとき救助活動にあたった人物の子孫が小川さん、救助されて生き残ったロシア人船員の子孫がロジャンコさんなのだ。二人は、歴史的な対面が果たせたことを喜び合った。

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