安倍首相は3月4日、野党党首らと会談し特措法改正に関し協力を求めた。特措法は2013年に新型インフルエンザ対策を目的として採択され、市民や企業の日常活動制限において政府に特別な権限を与える。今回の改正は、新型コロナウイルスCOVID-19に適用するために求められている。
日本がコロナウイルス蔓延を軽視していたとは言えない。しかし大きな失敗を回避することはできなかった。クルーズ船ダイヤモンドプリンセス号の乗客に関し、政府の対応を批判する声は止まない。政府としてはウイルスが船外に広がらないよう最善を尽くしたつもりだが、結果としては最悪になってしまった。検疫期間中に船内で700人以上が感染した。
この対応に韓国は抗議し、韓国では日本への批判が高まっている。一方の日本では、対応が遅いと安倍首相は非難されている。
現在日本の厚労省では、感染予防ガイドラインの準備作業が完了した。コロナウイルス感染テストの可能性拡大、ウイルステスト費用への保険適用などが見込まれている。感染者が今後増えた場合を想定し、全県に患者受け入れに備えるよう指示が出されている。
そのほか、政府は中小企業も対象に含む2700億円の追加財政支援策を作成中だ。これは消費セクターにおける所得減少によるもので、中国人をはじめとする観光客の訪日が急減し、外食産業では総客数が大きく減っている。また安倍首相は小中学校の一時閉鎖に伴い保護者への助成制度を立ち上げることを約束した。
極東研究所日本研究センター長のワレリー・キスタノフ氏はスプートニク通信の取材に応じ「安倍首相がいまフル回転でこれら問題に取り組んでいるということは、当初コロナウイルス問題は過小評価されていたということだ。タイミングを逃したことで批判されている」と語った。
「それに加え、モスクワで安倍首相は金正恩氏と会談する唯一の機会があったかもしれない。これも安倍氏にとって大変重要。日本は朝鮮半島の交渉プロセスの蚊帳の外にいるからだ。外交分野で安倍首相には特に成果はない。今のところオリンピックに関して最終判断もない。これらすべてが直接あるいは間接的に首相のイメージに反映されつつある。」
安倍首相は歴代首相で最長の在任期間を更新した。安倍氏の首相任期は2021年9月まで。