「需要は壊滅的に減少している」 新型コロナは自動車産業にどのような影響を与えたのか?

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は、工業生産や非常にさまざまな経済分野の販売に打撃を与えている。自動車販売も例外ではない。不安や近い将来の見通しが不明な状況で、予定していた車の購入がより良い時期まで延期されるケースが多くみられている。
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小売売上高の落ち込みが最も顕著なのは、新型コロナウイルスの発生源とされる中国だ。新型コロナウイルスの影響で2月の自動車販売台数は80%減少した。欧州の自動車情報サイトが、中国乗用車協会(CPCA)を引用して伝えている。

トヨタは中国での2月の販売台数を最初に発表し、中国市場における高級車「レクサス」を含むトヨタ車の販売台数は、前年同月と比べて70%減少したことを明らかにした。

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新型コロナウイルスの感染拡大は需要だけでなく生産にも影響したため、フォルクスワーゲングループやゼネラルモーターズから電気自動車メーカーのテスラに至るまで、中国自動車市場に参入しているすべてのメーカーが何らかの形で苦しんでいる。

1月末、新型コロナの影響でテスラの中国工場ギガファクトリーは一時的に閉鎖された。2月、テスラのイーロン・マスクCEOは、新型コロナウイルスがテスラに重大な悪影響を及ぼすおそれがあると述べた。一方、テスラは、2020年の販売・供給計画の見直しは行わなかった。

新型コロナの流行が4月までに終息した場合、中国自動車市場の上半期の自動車販売台数は10%超の減少、年間では5%の減少になると予想されている。中国商務省は、さらなる崩壊を避けるため、自動車需要刺激策を打ち出す用意があることをすでに発表している。

ボルボの今年2月の世界販売台数は、前年同月比8%減となった。欧州と米国での販売台数はわずかに増加したものの、中国で81%減少した。日本自動車販売協会連合会(JADA)によると、日本では2月の販売台数が10.7%減少した。格付け会社ムーディーズは、2020年の世界の自動車販売台数は2.5%減少する可能性があると予想している。なお、新型コロナが発生する前の予想は0.9%減だった。

ロシアの自動車専門家、イーゴリ・モジャレット氏は、通信社スプートニクのインタビューで、新型コロナウイルスの発生は自動車産業全体を麻痺させたと述べ、次のように語った-

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「緩やかに減少している傾向はあるものの、すべての自動車メーカーと自動車ディーラーは一定の損害を受けている。中国は損害の程度が最も大きく、他の国はもう少し小さい。新型コロナウイルスの感染拡大により、世界中の自動車工場が生産を停止または縮小している。理由は、部品の販売または輸送の問題、検疫(隔離)に関連した人員の解雇などだ。需要は壊滅的に減少している。これがどれだけ続くかは、ウイルスがどれだけ長く、そしてどれだけ広範囲に広まるかに左右される。中国は流行のピークは過ぎたと発表したが、他の複数の国では反対に勢いが増している

今後の見通しを予想する人は誰もいない。複数のブランドが毎月の販売データの公表を停止したことを考えると、現時点における市場の全体像でさえ完全ではない。」

自動車メーカーは過去数十年にわたり、その成長ポテンシャルに賭け、世界最大の自動車市場である中国に数十億ドルを投資してきた。そのため同市場の状況は特に注目の対象である。なぜなら自動車製造は、金属加工から化学産業まで、一連の分野と不可分の関係にあるからだ。

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