聯合ニュースが翌日、軍用機の動向を追跡するAircraft Spotsの情報として伝えたところによると、北朝鮮によるミサイル発射後、朝鮮半島付近で米空軍の偵察機が確認された。Aircraft Spotsによると、4月15日、大型戦略偵察機Boeing RC-135Uが沖縄の米空軍嘉手納基地を飛び立ち、日本海上空を飛行した。
ちなみに、このミサイル実験に対するアメリカの反応はかなり落ち着いたものだった。マーク・A・ミリ統合参謀本部議長は4月14日の国防省の記者会見で「ミサイルは短距離で、アメリカにとっては挑戦でも脅威でもない」と発言している。また、ミサイル実験は北朝鮮が「太陽節」と呼んでいる金日成の生誕記念日に関連して行われた可能性があるとした。4月15日には金日成の生誕108周年が祝われた。
パンデミックでほぼすべての国の軍事活動が静まっている中、金正恩は何を目的にミサイル実験を行ったのか。本当に金正恩の祖父の生誕記念だったのか、それとも別の理由があるのか。軍事専門家のウラジーミル・エフセエフ氏によると、ミサイル実験は金日成の生誕108周年を祝うためものもではあるが、この祝日と直接関係している訳ではないという。
エフセエフ氏は、4月14日のミサイル実験では、固体燃料ミサイルKN23と、3月2日および9日の実験でも使われたKN25が用いられた可能性があるという。
「アメリカでは、これらのミサイルは短距離弾道ミサイル(SRBM)に分類されます。射程は最大400キロメートルに達し、相対的に高い高度で飛翔します。しかし、3月のミサイル実験では、これより短い距離を、これより低い高度で飛翔しました。北朝鮮は今年さまざまな軌道で実験を行い、韓国の複数のタイプの目標を攻撃できる可能性を持とうとしているのかもしれません。しかし、これらミサイルの仕様では、アメリカのグアムや日本にある米軍基地も射程に入ります。これらの基地の多くは北朝鮮から200キロメートル圏内にあるからです。ですから、北朝鮮軍が、これらミサイルがどのように動くのかを調べ、ミサイル操作の練習をしている可能性も否定できません。」
今回のミサイル発射は、北朝鮮が2020年に実施している一連のミサイル実験の延長上にある。3月29日、北朝鮮の労働新聞は、超大型多連装ロケット砲の戦術性能と技術性能を確認するための発射実験に成功したと伝えている。これまでに朝鮮中央通信(KCNA)が伝えたところでは、3月2日、9日、21日に金正恩が長距離砲の発射訓練を指揮し、その中で短距離弾道ミサイルが発射されたという。4月14日の発射実験について北朝鮮側から公式発表がなかったことから判断すると、北朝鮮の指導者はここに臨席していなかったものと考えられる。