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フィギュア、3種類の4回転ジャンプの基礎点が同じに その理由は

ISU(国際スケート連盟)は2020-2021年シーズンで用いるジャンプ基礎点改訂を発表した。4回転ジャンプではルッツ、フリップ、ループの3種類が同じ11点となる。これまではループは10.5点、フリップは11点、アクセルに次いで最も難度が高いとされるルッツは、やはりアクセルに次いで高く設定され11.5点だった。一体どうして急にISUは難度が異なる4回転ジャンプの基礎点を均等にしたのだろう。スプートニク通信はアレクサンドル・ラケルニクISU副会長に話を聞いた。
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今回のルール改訂が発表になった時、五輪メダリストで現在は振付師で活躍のイリヤ・アヴェルブフ氏は驚きを隠せなかった。

Sport24が伝えるところによると、同氏は「私には、これはとても奇妙な決定に見える。ISUはこうすることで、ルッツに偏ることを避けたいのだろうか。大きな犯罪とは思えない。ISUはよりバラエティに富んだジャンプを選手に跳んで欲しいのだろう」と語った。

ラケルニクISU副会長は、3つの4回転ジャンプが同じ基礎点になったのは、専門家によって難度の捉え方が異なるからだと説明する。「一部の専門家は、以前の難度評価は全く正しくない、最も難しいのはルッツではなくループだと考えている。」

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「そう考える理由として、ループは入る時に回転軸を見つけるのが難しいということ(片足でトウを使わず踏み切るのが難しく、さらに空中でひねらなくてはならない)。一方で、全員がこの考えに同意するわけではない。ルッツ、フリップ、ルーツの基礎点を並べることで、こういった意見の相違を解消できると思っている。」

4回転ジャンプの難度だけではなく、ISU技術委員会ではよく回転不足の問題で意見が分かれている。ラケルニク副会長は、ジャンプ回転不足は「q」マーク導入により、より正確に判定できるようになると語る。「回転が十分なジャンプと不十分なジャンプの評価は点数差が極端で、結果として技術点が大きく変わってくる。違いはとても大きく、完璧に実施できた場合は高得点、反対に回転不足の場合は得点は非常に低い、といったように。一方で、審判は主観であり、問題となることが多い。「q」マークは中間的な評価となり、こういった問題を緩和できるのではないか。「q」マークは、回転が4分の1足りないなど、高難度のジャンプが乱れず実施されたが、技術委員会が完成度に疑問を持った場合に付けられる。選手はこの場合、基礎点は大きく失わず、出来栄え点(GOE)で減点されるのみになる。つまりジャンプの基礎点そのものがゼロ(ノーバリュー)あるいは大きく減点することはない。技術委員会の中で論争はこれからも残るだろうが、「q」マーク新設により、審判の意見の違いが最終得点に与える影響はほぼ半減する。」

スプートニク通信は、ISUは近い将来、トリプルアクセル(3回転半)の基礎点を変えるつもりはないかと訊いてみた。同ジャンプの価値点は他の3回転ジャンプより高いが、4回転ジャンプとの開きは大きい。高難度ジャンプと考えられているにもかかわらず、だ。

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「4回転ジャンプはやはりフィギュアスケートの進化過程であり、まだ修正の余地がある。トリプルアクセルは男子シングルでは今、トップ選手ならば誰でも跳ぶ。むしろ、これがなければ男子で世界10位に入ることはできない。一方で私自身は、女子シングルのトリプルアクセルの基礎点を上げる考えを支持する。もしISUの中でそういう考えが出てきたら、ではあるが。」

「男子と女子では生理学上、また筋肉量に違いがあるものの、トリプルアクセルを跳ぶ女子選手は増えてきている。ただ、今のところ女子のトリプルアクセルの価値点を上げるという話が出たことはない。高難度ジャンプの採点構造がさらに複雑になるからだろう。」

近年の男子シングルでは複数の4回転ジャンプを演技に取り入れる選手が増えている。高難度のジャンプを複数持つことで、ライバルに決定的な差をつけることができる。敢えて言うまでもないが、男子選手で初めて4回転ループを成功させたのは羽生結弦選手で、モントリオールでの2016年「オータムクラシック」大会だった。現在、羽生選手は新シーズンに向けて4回転アクセルを「磨いて」いる。


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