アリーナは今、リンク以外でしか見かけなくなっている
2019年12月、ザギトワはグランプリファイナルが不成績に終わった後、競技会などへの出場を一時停止すると発表したが、ファンに対しては、「やめたりはしない」として、スケートのトレーニングは継続すると語っていた。
ファンたちは最後までアリーナの新プログラムの発表を待ち続けていたが、アリーナは大学に入学したことを公表、また司会者としてテレビ番組に出場すると発表した。つまり、もはや現役選手としてのザギトワを目にすることはなさそうな状況となっている。
一方でザギトワはジャーナリストという新たな職業に積極的に取り組んでいる。テレビ番組「氷河期」の司会者に抜擢され、夜の番組に出演した中でも、この「氷河期」の宣伝をしている。
ところで、2018年、「氷河期」で、アレクセイ・ヤグディンとペアを組んで司会役を務めていたのが、アリーナのライバルであるエヴゲニヤ・メドヴェージェワである。今年の番組では、ザギトワとメドヴェージェワの2人が一緒に司会をするという提案があったようだが、ザギトワはこれを断固拒否したとロシアのマスコミは伝えている。
ソルトレイクシティオリンピック(2002年)の金メダリストであるアレクセイ・ヤグディンは何年も前からこの番組の司会を務めている。2003年にヤグディンは「氷河期」にスケーターとして出演、女優や女性歌手とペアになってアイスダンスを披露していたが、のちに司会者に転向した。ヤグディンは多くの視聴者に支持されており、複数のチャンネルで司会をしているほか、舞台や映画でも活躍している。
しかしアリーナはいうと、懸命に努力しているものの、司会者という新たな役割には苦労している。インターネットのユーザーらはコメントの中で、司会者として足りない点を指摘している。熱狂的なファンでさえ、番組スタート後に噴出したアリーナに対する反感を擁護しきれずにいるほどである。ではそこまで批判されているのはなぜなのか?
「やりすぎ。18歳の服装ではない」
テレビに出演するようになる前から、ファンらの間では、アリーナの最近のファッションスタイルに対する不満の声が上がっていた。
最初の2つの衣装―ゴールドのキラキラしたドレスと超ミニのピンクのワンピースに、優しい感じのメイクをしたザギトワは、調和の取れた雰囲気を醸し出しているが、3つめの衣装については、多くのインターネットユーザーがスタイリストの失敗だと批判している。
光沢のある黒のミニドレスに真っ赤な口紅をつけたザギトワの写真は、「太って見えるし、老けて見える」とファンの間で不評を買った。
「やりすぎ。18歳の服装じゃない」。
「最悪の衣装。太って見えるし、赤灯地区の女性のような挑発的なイメージ」。
「ただただ悪夢。美女のアリーナが市場のおばちゃんになってる」。
また多くの人たちが指摘しているのが、資生堂の宣伝でのメイクの方がはるかに良かったという点である。「メイクも衣装もまるでコルホーズ。資生堂はアリーナのことを心から愛しているようだけど、第1チャンネルはそうじゃないみたい」。
「まったくアリーナに向いていない」 話し方にも、硬い雰囲気にも悪評価
火に油を注いでいるのは、アリーナがスケート選手としての今後の予定について沈黙していることである。ザギトワは今も代表チームのメンバーであり、報酬も受け取っているにもかかわらず、今年に入ってからは、アイスショー以外では一度もリンクに姿を現していない。
司会者としてのザギトワの力量についてはさらに厳しいコメントも寄せられている。「周りの出演者の中で浮いてしまっている。他の皆は見た感じも話した感じも調和が取れているけど、アリーナは表情も話し方も不自然。頑張っているのは分かるけど、緊張しすぎ。リンクのアリーナは女王で、本当に目が離せない。でもテレビ番組のアリーナは秀でたところもなく、彼女のいる場所ではない気がする。スケートをしているアリーナは、リンクに降り立って、端から端まで滑っただけで、魔法にかかったように美しく、目を離すこともできないのに、テレビだと冷静さを失っている・・・」
競技会に戻って、タイトルを取り戻すのか、あるいはジャーナリストそしてメディアの顔としての道を突き進むのか?アリーナがどちらを選択するのかは、時間が答えを出してくれるだろう。しかし、これからは、最近エテリ・トゥトベリゼコーチの元に戻ってきたエヴゲニヤ・メドヴェージェワと共にトレーニングし、同じコーチの下で指導を受けることになるザギトワ。このことがザギトワにとって、障壁にはならなければよいのだが。
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