小惑星アポフィス 2068年の地球衝突に関する危険な現象を発見

小惑星アポフィスの軌道に変化が生じていることが観測され、このことがアポフィスが2068年に地球に衝突する確率に影響を与える可能性があることが、ハワイ大学天文学研究所の研究グループによって明らかになった。この研究結果は、ハワイ大学マノア校のウェブサイトに掲載されている。
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小惑星ベンヌの岩石サンプル カプセル詰めの後、地球へ
すべての小惑星は熱平衡を維持するため、太陽光から吸収されたエネルギーを熱として再放射する。この熱放射により天体の軌道が変化することをヤルコフスキー効果と呼ばれる。今回、アポフィスの観測結果からヤルコフスキー効果が検出され、アポフィスの軌道が1年で170メートルずつ遠ざかっていることが分かった。

研究者らは、ヤルコフスキー効果が検出される前まではアポフィスが2068年に地球に衝突する可能性はあり得ないと予測していたが、今後は衝突の確率を精査するためにさらなる観測が必要だとしている。


2004年に発見されたアポフィスは、直径325メートルの小惑星。エジプト神話に登場する悪と破壊の神にちなんで名付けられた。研究者らは以前、アポフィスが2029年に地球と衝突する確率は2.7%と算出していた。しかし、アポフィスは2029年4月13日に地球の中心から3万7600キロの位置に接近することが分かり、この年に衝突する可能性を除外している。

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