日本の核ごみの最終処分場選定は、「政府と国民の対話の問題」

日本の原子力発電環境整備機構(NUMO)は、北海道で、高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場の選定と建設に向けた第一段階の活動を開始した。処分場の候補となっているのは、寿都町と神恵内村である。
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処分場選定手続きの第一段階では、2年かけて、土地の調査と文献調査が行われる。過去の地震の履歴や火山や断層の活動に関する調査も含まれる。調査の結果が、地下深部での高レベル放射性物質の処分に適していると判断された場合、第2段階として、ボーリング調査を行い、地質や地下水などより詳細な分析を4年かけて行うことになっている。しかし、第2段階への移行には北海道知事の許可が必要となるが、北海道知事は現段階ではこれに反対の立場を明らかにしている。北海道は質の高い農産物や乳製品の産地として知られており、住民たちは「核のごみ」と呼ばれる高レベル放射性廃棄物の処分場が道内に建設されることにより、農産物や乳製品、魚介類に対する信頼を失うことを懸念している

日本は2002年の末まで使用済み燃料を英国と仏国に搬出していたが、2000年に「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」が採択された。

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この法律に従い、2002年にNUMOは国内のすべての市町村に対し、処分場設置のための公聴会を開くよう呼びかけた。これを受け、2007年1月に高知県東洋町が初めて処分地建設に向けた文献調査に名乗りをあげたが、同年4月には、住民の猛反対を受けて、調査受け入れを取り下げた。このとき、東洋町以外にこれに関心を示した市町村はなかった。

2011年に福島原発事故が発生し、日本のほぼすべての原子力発電所で稼働が停止したことを受けて、この問題の解決は深刻化した。福島第1原子力発電所における放射性廃棄物およびセシウムとストロンチウムを含む汚染水処理の問題は政府の頭を悩ませるものとなった。

事故後の除染作業で出た土壌は今もフレコンバッグに入れられ、発電所の周りに保管されており、汚染水はときおり海洋放出されている。

2017年に放射能廃棄物最終処分場選定のための科学的特性マップが作られた。このマップでは、処分地の適性度合いが示され、処分場の建設に必要とされる条件に合致する場所が記されている。火山や断層に近い場所は候補地には適さないとされている。

この後、第一段階となる文献調査を受け入れる市町村の公募が再び呼びかけられた。文献調査地区には、20億円の「電源立地地域対策交付金」が交付され、第二段階に進んだ場合には、さらに70億円が交付されることになっている。しかし、寿都町と神恵内村以外に応募を表明した市町村はなかった。

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物理学に詳しいロシアのポータルサイト「アトムインフォ」のアレクサンドル・ウヴァロフ編集長は、「スプートニク」からのインタビューに対し、「このようなプロジェクトに対する日本での慎重な対応は、日本は地震が多く、人口が過密な国であることを考えれば十分に理解できるものです。また日本の国民はすでに2世代にわたり、放射能に関するあらゆるものに「拒否反応」を示しているのです」と述べている。

「今回の場合、地元政府はなんの危険もない第一段階に合意したにすぎません。これに合意することにより、政府から、新型コロナウイルスによってもたらされた経済的な問題を解決するのに十分な資金を得ることができるからです。しかし、寿都町と神恵内村が、この先、20年の期間でより詳細な地質調査が予定されている第二段階、第三段階に進むとはけして言い切れません。ここで問題なのは、処分されるものが、単なる放射性廃棄物だけでなく、再利用ができない核分裂生成物を含んでいることです。これはのちに再利用できる使用済み核燃料全体のわずか4〜6%にすぎません。地下深部での処分というのは、世界的に認められ、実践されているものです。放射性廃棄物の容量を減らすための方法は色々ありますが、たとえばガラス固化体などの手法が用いられています。もちろん、長期的にこうした廃棄物を処分するのに、その場所の選定は非常に重要なことです。NUMOが以前、公表したマップでは、日本のおよそ6割の場所があらゆる条件を遵守した場合の物理的な安全性という観点から見れば処分地に適しているとされています。これについてはたくさん申し上げることがありますが、簡単にまとめれば、現在日本にとって問題となっているのは、専門的な意見ではありません。専門家はもうかなり以前から、すべて解明しています。つまり、問題は政府と市民との対話なのです」。

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