極東外交:妥協は期待できない

日本の菅義偉首相は、ウラジーミル・プーチン大統領および米大統領選での勝利を宣言しているジョセフ・バイデン氏との個別会談を早期に行いたいとの意向を示している。露日関係を担当する日本維新の会の鈴木宗男参議院議員は、菅首相と会見を行った後、このように述べた。この声明は、中国の王毅外相の日本訪問の直後に行われた。中国の習近平国家主席は、ついにバイデン氏に祝電を送ったが、プーチン大統領は今のところまだ反応していないままとなっている。しかしそんな今、極東外交の新たな局面が始まろうとしている。
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これに関連して、ロシア科学アカデミー米国・カナダ研究所のセルゲイ・ロゴフ所長は、高まる米中の対立が国際情勢の今後を決めることになるだろうとの見方を示している。これは国際関係問題に詳しいロシアの著名な専門家たちの大方の考えだと言える。

さらに、バイデン氏が大統領になれば、米国は集団的外交の道に戻ることになり、日本は米国の同盟国として、今後もインド太平洋地域で特別な役割を果たしていくことになると見られる。

友好関係に制限などない

こうした条件の下、非公式な中国とロシアの同盟関係が持つ意味はさらに増大するだろう。

中国と軍事同盟を結ぶ可能性について問われたプーチン大統領は、ロシアも中国も軍事分野での協力の拡大に関心を持っていると指摘した。

一方、習近平国家主席は中央軍事委員会で、兵士らに訓練の強化を指示し、実戦と同じ条件で戦争に備えることを求める声明を表したが、ロシアとの軍事協力の可能性については、直接的な回答を避けた。中国外交部報道局の趙立堅副局長は、発表した文書の中で、「伝統的な中露の友好関係にとって、協力拡大のための分野に制限はない」と述べている。

「最大の脅威」 

一方、バイデン氏は、米大統領選を前に、米テレビCBSの番組「60分」に出演した中で、ロシアについて、「現在、米国にとって最大の脅威である」と指摘した。この発言だけを見ても、バイデン政権の下で米国とロシアの関係が悪化の一途を辿るだろうことは明らかである。

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これに対し、プーチン大統領は11月初旬に米国との関係について発言し、「関係はすでに悪いのだから、これ以上悪くなることはない」と哲学的な言い回しをしている。

また、バイデン氏はモスクワで非常によく知られているということも、露米関係に一定の意味を与えている。バイデン氏が初めてロシアを訪問したのはソ連時代の1979年。

そして最後の訪問は2011年で、そのとき、バイデン氏は、当時首相だったプーチン現大統領に対し、大統領選への出馬をやめるよう促した。そしてその後、バイデン氏はこのような自身の立場を公に反体制派に知らせ、大きな話題となった。

関係のリセットはありえない?

バイデン氏の大統領としての任期が終了するのは2024年である。その後、米国は長老支配に入るか、あるいは世代交代することになるが、いずれにしても近い将来、現在55歳のカマラ・ハリス氏が米政権を率いることになるだろう。ハリス氏は、露米関係を悪化に向かわせた米政権を率いたバラク・オバマ前大統領のクローンである。

こうしたあらゆることから判断して、露米関係はリセットされない可能性が高く、また同時にあらゆる分野における露中の同盟関係を強化するものとなると見られる。

中国にとって、ロシアとの同盟関係は優先的なものであり続けるだろう。天然資源や輸送分野でのロシアの潜在力、主要部門における軍事技術協力、ユーラシア経済連合市場、また北方の国境の安全といった問題は、米中の対立が深まる中で重要な意味を持つようになっているからだ。


これらを背景に露日関係は今後も、露中関係と露米関係に左右されることになる。米国と中国、米国とロシアの緊張の高まりが避けられない中、ロシアと日本は、少なくとも、安倍晋三首相時代に得られたわずかな知識や経験を大切にしていくことが重要である。

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