関係者の1人が語ったところによれば、バー司法長官は年内にも辞任を表明する可能性があるという。一方で、辞任を検討した理由について、トランプ大統領が選挙での敗北を認めないことや、司法省による調査の結果、バイデン氏の勝利を覆すような大規模な不正はなかったとバー司法長官が述べたことが今回の判断に影響を与えた可能性が指摘されている。また別の関係者によれば、バー司法長官が辞任を検討し始めたのは11月末で、トランプ大統領からの圧力はなかったという。さらにもう1人の関係者は、司法長官としてすべきことをすべてやりきったと考えているようだと述べた。
しかし、ニューヨーク・タイムズ紙は、長官が辞任すれば、選挙での敗北を認めないトランプ大統領との対立は回避することができると指摘している。一方、関係者らによれば、司法長官の辞任は決定事項ではなく、1月20日の大統領就任式後も職にとどまる可能性があるという。
先に米ワシントンポスト紙は、トランプ氏が、連邦捜査局(FBI)のクリストファー・レイ長官とウィリアム・バー司法長官を大統領選挙後に解任する可能性について補佐官らと協議していると報じていた。
米国では11月3日に大統領選挙が実施された。ここまでの投票結果では民主党のジョー・バイデン氏が当選したとされているが、現段階でトランプ現大統領は敗北を認めていない。トランプ陣営の法律家は複数の州裁判所で選挙結果について異議を唱えているが、現在までにトランプ氏側の主張内容には確認がとれておらず、重大な選挙違反の証拠も見つかっていない。