米フロリダ州のジミー・パトロニス財務最高責任者(CFO)は1月25日、IOCのトーマス・バッハ会長へ宛てて書簡を送り、五輪開催地をフロリダに替えるよう検討を促した。
日本では、東京および数県で感染拡大が激化し、非常事態が宣言されている。パトロニス氏は日本政府はパンデミックへの対応に追われ、五輪組織に十分な注意を向けられる状態にないと考えており、書簡では同州で開催されたスポーツイベントを列挙し、スポーツ用のインフラも整っており、短期間で五輪開催に対応が可能と確信を示した。ワシントンポスト紙が報じた。
ワシントンポスト紙は同時に、日本は人口1億2600万人のうち感染者は37万2496人であるのに対して、フロリダ州は2100万人のうち感染が確認されているケースは160万件であること、加えてフロリダ州のワクチン接種率は人口の1%以下にしか満たないが、日本は2月にも大規模接種が始まることを指摘している。
ロシア・ラグビー連盟主審のヴァレリー・ダヴィドフ氏はスプートニクからの取材に、「これはまじめな話ではないと思う。おそらくIOCにはなんらかのBプランもあるだろうが、IOC自体が東京での断固開催を未だに確信している状態だ」として、さらに次のように語っている。
「まず、米国は2500万件を超える世界一の感染者を出している。日本の数値はその1.5%にも満たない。それにワクチン接種の動きとその成果を見ねばならない。加えて東京はスポーツ、組織両面のインフラがほぼすべて整っている。それに重要なのはフロリダとは違って東京はすでに五輪(1964年)も他の世界大会も開催の経験を有している。2002年のサッカーのワールドカップも韓国と共同で開催したし、ほら、2019年のラグビー世界選手権はロシアを含む世界20か国が参加して、見事な開催ではなかったか。」
ちょうどこの記事が「スプートニク」で執筆されている間に、IOCは五輪開催地を東京からフロリダ州に移す案は検討していないことを明らかにした。だが開催までは半年を切っている。共同通信の世論調査では開催は中止ないし、延期すべきと考える日本国民は80%にも及んでいる。