日本発欧州向けのシベリア鉄道貨物輸送は定期運行となるのか?

日本の阪急阪神エクスプレスは、2021年1月から、シベリア鉄道を介した日本から欧州への貨物輸送をスタートする計画だと発表していた。すでにテスト輸送を行い、経費を試算した阪急阪神エクスプレスの専門家は、この輸送路には十分な収益性があるとの評価を下していた。しかし、日本海上の悪天候と異常な酷寒により、ウラジオストクの港が機能しなくなったことから、計画は2月に延期されることとなった。しかしながら、この事業のロシア側パートナーであるロシア鉄道の物流子会社「RZDロジスティクス」とFESCOは、「スプートニク」の取材に対し、延期の日程に関して正確な情報はまだないとしている。
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この事業の準備作業には数年が費やされた。2018年にまずモスクワまでの試験輸送が行われ、2019年からは日本から欧州に向けた全ルートでの試験が実施された。2021年に予定されている輸送は、このシベリア鉄道を介した欧州向けの貨物輸送を定期便にするかどうかを決定する鍵となる。阪急阪神エクスプレスのサイトにはこの事業の詳細やルートが掲載されている。サービスは、東京、名古屋、神戸のCFS(コンテナ・フレイト・ステーション)に荷物を搬入後、陸路で富山港に運び、富山で混載したコンテナをウラジオストク港に海上輸送し、ウラジオストクからシベリア鉄道でモスクワに運び、ポーランドのクトノ駅に輸送するというもの。鉄道区間の距離は10,397キロ。輸送にかかる日数は富山からポーランドまで22日で、海上輸送の2分の1に短縮される。

ロシア科学アカデミー極東研究所のオレグ・カザコフ上級研究員は、シベリア鉄道を使った輸送が海上輸送よりもはるかに短い期間で行えることは数十年前から分かっていたことだとし、ソ連時代、日本はより積極的にシベリア鉄道を利用していたと指摘する。

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「ソ連邦崩壊とともに、鉄道輸送システムが混沌状態となったことから、輸送量は40分の1にまで減少しました。現在、ロシア鉄道が輸送システムを整備し、現在、ロシアの鉄道輸送は、質も安全性もスピードもまったく違うレベルになっています。ただ重要なのは、スピードだけでなく、信頼性、そして料金です。仮に、欧州から日本への輸送が確保されるなどして、鉄道輸送の料金が下がれば、シベリア鉄道の競争力は向上するでしょう。シベリア鉄道に対する日本側の関心は、ロシアとの関係を、エネルギー資源の供給元だけでなく、貨物輸送にも広げようという日本の政策によるものです。欧州―アジア間の輸送について言えば、シベリア鉄道のライバルとなるのは海上輸送と中国のメガプロジェクトです。ロシアが他の輸送路よりも商業的に魅力的な提案を示すことができるかどうか、非常に興味深いところです」。

阪急阪神エクスプレス、モスクワ事務所は、「スプートニク」からの取材に対し、シベリア鉄道を利用した日本発欧州向けの貨物輸送が頓挫することは絶対にないと強調し、今回の計画の遅延は、日本のターミナルに、使用できるコンテナが不足しているためだと説明している。現在、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が大きく、コンテナ不足を始めとするさまざまな輸出入に関する問題は世界規模で起こっている。

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