ロシア商品の日本直送、どうやって実現?
2016年12月、総務省とロシア連邦通信マスコミ省は、情報通信技術および郵便分野における日露の協力について覚書を交わした。
この流れの中でロシア側も、ロシア商品の日本市場への参入チャンスを模索しており、昨年2月には日本郵便の商業施設「KITTE」にて、「ロシア商品フェア 2020 in TOKYO」が開催された。このフェアは好評だったが、あくまでも展示会で即売会ではなかったため、その場で買うことはできず、興味があれば自分でメーカーに問い合わせなければならなかった。その点、今回の「ロシア商品フェア2021 on WEB」は、個人客を対象にした新しい試みだ。日本語の詳しい商品説明や、ロシア郵便と日本郵便がタッグを組んで配達してくれるという点も、個人客にとっては安心感がある。
どんなものが買えるの?
ロシアには色々と魅力的なものがあるが、「ロシア商品フェア2021 on WEB」に出品する商品はどのような基準で選ばれたのか、ロシア郵便のドミトリー ・ホルンジー氏に話を聞いた。
ホルンジー氏「今回の商品は、食品からインテリア用品まで、実に様々です。日本の皆様の商品カテゴリーごとの反応を見て、将来、どんなジャンルの商品に注力すべきかを理解したいと思います。メーカーと商品の選出にあたっては、Eコマースで国外に商品を販売できる、というのはもちろんのこと、商品輸出の経験、ロシアにおける安定的な企業活動という点などを考慮しました。もちろん日本の全ての皆様に見てもらいたいと思っていますが、主にターゲットとなる層は、40歳以上の男女だと想定しています。このセグメントの方々は、ロシア商品になじみがあったり、実際に購入したことがある方が、他の世代に比べてずっと多いと思います。」
実際にサイトを見てみると、食品であれば、ロシア土産として定番のジンジャーブレッド以外にも、りんごピューレを使った伝統菓子「パスチラ」やグラノーラ、シュガーレスのお菓子など、健康やアンチエイジングを意識したものが目立つ。確かに、ロシア人の健康志向の高まりとともに、このような商品が街中でも目に見えて増えている。木のあたたかみを生かしたおもちゃやまな板などロシアらしい素朴さを感じさせるものもあれば、精巧に作られた工芸品や銀製品など、プレゼントに良さそうなものまで、ラインナップは多様だ。
ホルンジー氏は「ロシアの商品が、日本の皆様にとって身近で、わかりやすく、手の届きやすいものになればと願っています。多くの商品が、注目して頂くにふさわしいものであり、人気を集め、愛されると考えています」と期待を見せている。
このプロジェクトのコーディネーターである大和総研・チーフコンサルタントの本谷知彦氏も、この機会にロシアの知られざる魅力に触れてほしいと話す。
今回のフェアは期間限定だが、状況次第では継続される可能性もあるという。「ロシア商品フェア2021 on WEB」へはこちらの日本郵便のウェブサイトからアクセスできる。