モスクワでなく、東京で!銀座にロシア食品専門店「赤の広場」がオープン

「赤の広場」が、ついに東京に現れた。もちろん、モスクワのクレムリンとそのそばにある広場ではなく、食料品店のことである。銀座にオープンした「赤の広場」というこの食品専門店は、東京に真の「ロシア的な場所」が誕生したことを意味する。この店では日本人にとってはまだなじみのないロシア産の食品やお土産品が販売されている。「スプートニク」の記者が店長のミヤベ・ヴィクトリアさんに、店舗経営の苦労や日本に対する思いについて、お話を聞いた。
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すべてはスィロークから始まった

実際、多くの人が、この「赤の広場」のオープンを待ち望んでいた。この食品専門店は6年前にオンラインショップの形で作られたが、ついにこのたび店舗の形でのオープンとなった。

モスクワでなく、東京で!銀座にロシア食品専門店「赤の広場」がオープン

ヴィクトリアさん: 「ロシアと旧ソ連諸国の商品を輸入をするようになり、もう13年くらいになります。日本にロシアの食料品がほとんどないということにものすごく驚きました。2〜3種類の食品が輸入されて販売されているということはありますが、たとえ卸で大量に仕入れている場合でも品揃えがとても少ないのです。

そこで、日本でチェーン店をオープンしたいというアイデアが浮かんだのです。しかし、日本の市場に、日本で知られていない商品を売り出すというのは簡単なことではありません。日本人にとって品質も味もまったく分からない商品を、小売店の人たちに知ってもらうためには何年もの時間が必要でした」。

ヴィクトリアさんが日本の市場への道を開く最初の商品となったのは、アレクサンドロフのスィローク(プレミアムチーズ・チョココーティング)である。日本の小売店との特別契約を結んだことによって、彼女はまずこのスィロークが日本のすべての店の商品棚に並ぶことを期待している。

ヴィクトリアさん: 「統計を取ったところ、スィロークを買った日本人の60〜70%が繰り返し、この商品を買っています。通常、リピート買いの割合は20〜30%であることを考えれば、これは新たな商品としては非常に高い数字です」。

モスクワでなく、東京で!銀座にロシア食品専門店「赤の広場」がオープン

ヴィクトリアさん曰く、現在の在庫は300個以上あるが、店舗が成功すれば、在庫を大きく増やす計画だという。

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ヴィクトリアさん: 「国分、伊藤忠、三井食品、JTB、HISといった日本でもよく知られている大企業と契約を結んでいます。ここ数年で、日本に輸入した商品は1,200種類以上になります。ビジネスの進め方については、1日25時間働かなければならないと言っていたアレクサンドロフ(スィロークの製造者)に多くを学びました。いま、わたしもそれくらい働いています(笑)。日本人はよく『マグロは動かないと死ぬ』と言いますが、わたしはマグロなんです」。

「日本にとても感謝している」

ヴィクトリアさんは、日本語を「目と耳で」習得したという。ドネツク(ウクライナ)出身のヴィクトリアさんは当初、モスクワやドネツクに行き来しつつ仕事をしていたが、結局、日本に根を張ることにした。

ヴィクトリアさん: 「わたしは日本のすべてが気に入っています。子どもの安全、安心を守ってくれる日本に感謝しています。どこにいても自分が人間として扱われていると感じます。日本に来たときから、ここでの生活が気に入りました。他の国に行きたいと思ったことは一度もありません」。

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一方で、ヴィクトリアさんは、日本人は「まったく違う人種であり、まったく違うメンタリティを持っている」と打ち明けている。日本人は本当の気持ちや考えを表に出そうとせず、具体的な答えを言わないことから、最初はどのように日本人と接すればいいのか分からなかったという。

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ヴィクトリアさん: 「ただわたしは外国人としては幸運でした。ここでビジネスを始めたときから、いつもわたしを助けてくれ、いろいろな助言をしてくれる人たちに囲まれていました」。

「怖がらずにロシアの食品を試して欲しい」

ヴィクトリアさんは、自身の味覚が日本人の好みに近いこともあり、できるだけ日本人の舌に合いそうなものを輸入するよう心がけているという。

ヴィクトリアさん: 「サイトでは、面白いロシア料理のレシピも紹介していますが、それも、日本人の味覚に合うようアレンジしています。12月に新しいドメインを取得したばかりで、サイトに掲載しているレシピはまだそれほど多くはありません。それにそこまで手が回らないというのが正直なところです。スタッフは6人で、レシピを担当しているのは日本人女性なのですが、彼女はそれ以外にも多くの仕事を兼任しています。彼女はシェフで、ハバロフスクに3年住んでいた経験があり、ロシア語の能力も高く、わたしにはなくてはならない右腕です」。

モスクワでなく、東京で!銀座にロシア食品専門店「赤の広場」がオープン

ヴィクトリアさんによれば、購入者のおよそ95%は日本人で、よく売れているのは、紅茶、キャンディ類、スィローク、シベリアの瓶詰めのキノコだという。とりわけ男性は缶詰や瓶詰めを買う人が多く、女性はお土産の詰め合わせや紅茶を買う人が多いとのこと。しかし、需要は十分ではあるものの、ヴィクトリアさんは、日本の人々に気に入った同じものを食べるだけでなく、いろいろなものを試してもらいたいと考えている。

ヴィクトリアさん:「ロシアの食品を怖がらずに試してみてほしいと心から思っています。ロシア製という表示を見て、驚かないでください。ロシアには良いもの、おいしいものがとってもたくさんあります。日本の人々のロシアへのイメージが良くないことに胸が痛みます。ロシアのお菓子は甘すぎて体に悪いというようなステレオタイプを払拭したいと思っています。実際、本当にそのイメージは正しくありません。素晴らしいロシアの食品を日本の皆さんに食べてもらいたいというのが、わたしの心からの願いです」。

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